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2011年11月 3日 (木)

ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)とマーク・ハーモン(Mark Harmon) ― USA Network社製作、明明後日(2011.11.6))封切の、"Certain Prey。"ジョン・サンドフォード(John Sandford)の"**Prey"シリーズ第10作、"Certain Prey"の映画化作品。

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2011.11.3
  一昨日の記事で触れたように、ジョン・サンドフォード(John Sandford)の"**Prey"シリーズ(邦題、「獲物」シリーズ)第10作、"Certain Prey"(「確実な獲物」の意)の翻案映画ができたのだという。
 このシリーズはルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)という異色のミネアポリス市警察官(刑事)を主人公にする警察/犯罪捜査小説である。
 一連の小説のおもしろさは、この主人公のおもしろさに80%負っているといってよい。
 そこで、映画化ということになると、その役を誰が、どんな役者がやるかということが興味の的となる。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 上に主人公ルーカスのことをミネアポリス市警察官といったが、厳密にはそうでないときのこともある(第4、5作)。さらには、警察官としても、その身分/地位はシリーズの進展につれて変わっていく。
 そこらのことを、過去記事の引用によって説明しておこう(元の記事どおりということではなく、かなり手を加えている)。

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    (2010.9.8記事から)
2.John Sandford(ジョン・サンドフォード)という作家の「**Prey」という一連のシリーズ物作品がある(日本では「獲物」シリーズとして刊行されているらしい。ただし、実物を見たことはない)。警察小説というか刑事ものスリラーというか、そういうものだ。ツイン・シティ(ミネアポリス/セントポール、ミネソタ州)周辺を舞台に、ミネアポリス警察署のLucas Davenport(ルーカス・ダベンポート)という刑事が、殺人等の凶悪事件解決に活躍する。

「警察署」の「刑事」と表現しているが、シリーズが進むに従って(2010.9.8現在、20作)身分が変わる。最初は、ミネアポリス警察署の一匹狼的な刑事だった。すなわち、ポン引きだのヤク密売人だのという、自らが自家薬籠中のものとしている街の情報網を駆使しながら事件を解決していく敏腕警部補(lieutenant)だ。
  業務の特異性から、自ら街に出て一匹狼的に活動するのであるが、組織の上では、OSI(Office Of Special Intelligence、特別犯罪捜査部、諜報/情報収集部)という部門を率いるかたちになっている。
 硬骨漢で、女好きで、女にもてる。大学時代はアイスホッケーをやっていた。趣味でやっているコンピュータ・ゲーム作りで富を築き、ポルシェを乗り回している。とにかく、「異色」なんだこの男、いずれ別記事で、おいおい触れていくが。

 
 次には、ある事情で半ば強制的に辞職させられた後に、政治的配慮/考慮に基づく任命(political appointment)による「副署長」(deputy chief)(
*1)として署に戻ってくる。独自のインテリジェンス部門(特別犯罪捜査、諜報/情報収集部門)を指揮する。
 民間人として暮らしたこの数年間に(2-3年)、
コンピュータ・ゲーム開発の会社を興し軌道に乗せる。捜査活動その他のシミュレーション・ソフトウェアがよく売れた。その後会社を売却して莫大な利益を得た。
 この間も、ニューヨーク市警察署の臨時任命による嘱託/顧問上級刑事として、幹部警官を含む複数の同署警察官がからむ私的処刑殺人陰謀の解決に活躍したり(第4作)、ウイスコンシン州で臨時任命郡保安官補として、小児性愛がらみの殺人事件捜査で保安官を補佐したりする(第5作)。

  さらに進むと(第14作、"Naked Prey")、ミネソタ州公安局傘下の犯罪捜査部というところで(Minnesota Department of Public Safety's 、Bureau of Criminal Apprehension)政治的に微妙な事件について州知事の特命を受けて犯罪を解決する捜査官となる。

 「注」 ― これは、ここでとりあげている第10作の後に起きることであるが、参考までに触れておく。

*1."Deputy Chief"という職の者は数名いる。例えば、"Deputy Chief, Patrol =パトロ-ル部門担当副署長、Deputy Chief, Investigations =捜査部門担当副署長とか。なお、「署長」のことを"Chief of Police"というので(大部分の州では)、厳密にいえば「チーフ」とは署長を指すことになろうが、このDeouty Chief職の者は、通常、部下や報道記者などから「チーフ」と呼びかけられる。「副署長」といった感覚であろう。多くの場合、Deputy ChiefはBuerau(Patrol Bureau, Investigations Bureauなど、「課」、「部」、「部門」みたいな組織的存在)の長に就く。その意味では、時と場合によって、「部長」という意味合いになることもままあろう。

 政治的配慮/考慮に基づく任命(political appointment)とは、こういうことだ(推測だが)。
 まず、話の前提として、
署長は市長が任免する(通常は、市警察官として長年歩んできた人材の中から任命する。任命は、市議会の承認を要件とすることが多い)。その下位の職員は、市条例で定める一定の選考手続きを経て、署長が任免する。
 
 さてそこで、政治的配慮/考慮だが、例えば、麻薬取締強化を求めて市長/警察署長を責める市民の叫びに応えるために、あるいは、批判、非難をかわすために、取締り補強のための特別部署を組織して、その長に外部から強力な人材を招聘して据えるというようなことである。
  いうならば、市長の再任選挙のための、あるいは転身しての知事立候補/選挙対策のための任命である。同時に、市長が転ぶと署長も連動して地位を失う結果になることが多いので(新市長が別の人物を署長に据える)、署長にとっても選挙運動(地位保全運動)である。あるいは、署長から市長への転身を狙っているよ うな場合も考えられる。さらには、署長を追い落として自分がとって変わろうと画策しているDeputy Chiefに対抗するための所内抗争自陣強化策としての場合もあろう。


  市警察署の警察官は署長も含めて、市の職員(「公務員」、civil service, civil servant)であるが、一般的な市警警察官採用(若年定期採用。巡査から始まって、巡査部長、基部補、警部というように上がっていくコースでの採用)との対比における「特別職」としての採用ということになるのであろう。

 そこで、最後に、このdeputy chiefとしてのルーカスを、(政治的配慮/考慮でもって)誰が任命したのかという問題が残る。署長なのか、市長なのか。町の実力者からルーカスの罷免を迫られて
Rose Marie Roux(ローズ・マリ・ルー)という署長が、「いえ、辞めさせません」と拒否するシーンがある(第7作目の"Mind Prey")。そのことから推測すると、署長が任命したと考えてよいようにも思えるが、おそらく、「署長が任命するのだが、市長の承認を要件とする」ということではないか。
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◆◆◆◆◆◆◆◆
 さて、ということだが、演じる役者はマーク・ハーモン(Mark Harmon)だという。
■Certain Prey/サーテン・プレイ(「確実な獲物」の意)-USA Network社製作、2011年11月6日封切予定
  予告編

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■こういう役者なのだが、果たして、原作小説で描かれているルーカスのイメージと合っているか。アメリカ本国では圧倒的人気を誇るといわれるシリーズ、警察官にも人気が高いとされるシリーズの愛読者が心に抱いてきたイメージと合っているか。
 下に判断材料を掲げて、読者各位の、この記事を読んでくれている読者だが、その判断に委ねよう。

(一)人物像概説    
        <<<ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenportの人物像>>>
この第10作の時点で、年齢は46-7歳あたり。
父母ともにいない。父親は小学5年生のときに心臓発作で、母親は、ルーカスが大学を卒業した後、しばらくして乳がんで亡くなった。
色黒、四角い顔にたくましい顎、濃いブルーの瞳、細身、身長6フィート2、3インチ(185-7cm)。ミネソタ大学では4年間アイスホッケー選手として鳴らした。学校には5年在籍。
ポリス・アカデミーをクラス首席で、おそらくは全校でも首席級で卒業。
女好きで女にもてる。喧嘩好き。
ミネアポリス市警察で、パトロール3年を経て刑事畑を歩き、難事件を次々と解決した。規則を捻じ曲げることがままあるなど、型破りの一匹狼型凄腕警部補刑事として名を売る。
若いころからずっと上司的な存在であった男が警察署長となり、その下で働いてきたが、ある事件においてその署長が犯した重大犯罪的失態の秘密を握ったことから、いわば、辞職を余儀なくされる結果となる(第3作、"Eyes of Prey")。
ゲーム創作の才能があり、当初は、趣味で制作していた戦争軍事展開などのゲーム、コンピュータ化してからは、警察緊急時対処や展開戦術に関するシミュレーションその他のソフトウェアが商業ベースで売れることにより、かなりの金を稼いでいた。その後、その関係のソフトウェア開発企業を興し、短期間で軌道に乗せた。会社設立6年後にその会社のIPO(新規株式公開)で税引き後利益1,000万ドルを手にする。
その後、件の警察署長が替わり、新署長による政治的配慮任命によって、特別犯罪捜査/諜報担当副署長(部長、deputy chief)として署に戻った。
その後、さらに進むと、ミネソタ州公安局傘下の犯罪捜査部(Minnesota Department of Public Safety's 、Bureau of Criminal Apprehension; BCA)というところで、政治的に微妙な事件について州知事の特命を受けて犯罪を解決する捜査官となる。
 ただし、それは、ここで取り上げている第10作より後のことである(第14作Naked Preyから)。
この第10作までに、7-8人の犯人を射殺している。
黒のポルシェ911を乗り回す。
ものすごくおしゃれで、服に金をかける。
詩を読む。ロックを聴く。自分なりの「ロック100選」をこさえ、その妥当性について同僚などとあれこれ論じたりする。
飛行機に乗るのを極度に怖がる。
幼稚園時代からの幼馴染で、現在修道尼、所属修道院の系列大学で心理学教授をしている無二の親友がいる。初恋の人だ。お互いに心を許し合い、難事件に遭遇した際に犯人像プロファイリングなどについて助言を受けることがある。
時に重度のウツ(鬱)状態に陥ることがあるが、シュリンク(精神科医)の治療には頑として応じない。一年ほど前に、同棲婚約者女医との仲が結婚式寸前に破綻したことによって、かなりのウツ状態に陥っていたが、殺人課女性刑事/巡査部長マーシー・シェリル(Marcy Sherill)との「愛慾と論争の40日」によって、すっかり恢復した(第9作)。

(二)人物描写の例
ルーカスは、セントポールの馴染みの本屋で競馬予想紙とエミリー・ディキンソン(Emilly Dickinson)の詩集を買って、ミネアポリスに戻った。詩集は、店の出口の安売り陳列台で見つけたものだ。幸運だった。市庁舎(City Hall)の通りを隔てた斜め前にある公共立体駐車場に車を停めて、古い赤褐色花崗岩の外壁をぐるっと廻って、通りを横切り、プールの横を通ってヘネピン郡庁舎(Hennepin County Government Center)に入った。エスカレーターでカフェテリアに降りて、自動販売機でリンゴを買い、地上に戻って、敷地の外れにある芝生にきた。8月の暖かい日差しの下で、二本の白樺の木の間に腰をおろし、リンゴをかじりながら詩集を読み始めた。

***********************
……but no man moved me till the tide
Went past my simple shoe
And past apron and my belt
And past my bodice too,
And made as he would eat me up
As wholly as a dew
Upon a dandelion's sleeve
And then I started too.


・・・・・・潮が片方の靴を越えて満ち、
エプロンを越え、
ベルトを越え、
ついにはベストを越えて、
私を飲みこもうとするかのように、
タンポポの柄の袖に神聖な露をこしらえるまで、
誰も私の身体を移そうとしなかった。
 そこで、私も出発した。
   **********************


 ルーカスは微笑んでリンゴにかぶりついた。目を上げたとき、黒髪の若い女性が二人乗り乳母車を押してプラザを横切っているのが目に入った。双子は同じピンクの服に包まれ、母親が押し歩くにつれて、身体を横に揺らしている。
 ママは胸が大きくウェストは細い。黒髪が色白の頬で、カーテンのように前後に揺れる。
プラム色のスカートに、絹のベージュのブラウスを着ている。思わず美しさにみとれて、ルーカスは再度微笑んだ。幸福感が全身を、じわっと包んでいく。

 そして、もう一人。反対方向に歩いていく。ブロンドの髪を、短いパンク調のカットにして、身体の線をぴったりと示すニット・ドレスを着ている。愛きょうのあるけばけばしさだ。

 ルーカスは、白のテニスシャツ、カーキー・スラックスのいでたちで、膝まであるブルーのソックスに、長い革ひものついたスリッポンの靴を履いている。シャツは、拳銃を隠すためにズボンにかぶせている。
 細身で色が黒い。髪の毛は真っ直ぐな黒髪で、こめかみのあたりにグレーが混じっている。鼻が長く、ゆがんだ笑いをみせる。
 上の門歯が一本、上部がかけたままになっている。わざとかぶせようとしないのである。目が青くなければ、インディアンにみられるかもしれない。その目は、暖かく、寛容さを表わしている。寛容さは、額の生え際から垂直に走る白い傷跡によって、ある種、強調されている。傷痕は、右目の瞼に走り、目を飛び越して頬から、口の端まで伸びている。
 傷痕は、いくらか野卑な雰囲気を与えるけれども、その裏に、無邪気さのタッチを残している。いわば、Captain Blood(海賊ブラッド)のErrol Flynn(エロール・フリン)のようだ。


 ルーカスは、若い娘らに、その傷はバーの喧嘩でできたものだと吹聴したい。スービック湾(Subic Bay、ルソン島)のバーの喧嘩で、割った酒瓶をかざしてきた相手と対峙した時にできたものだといいたい。あるいは、バンコクのバーで。しかし、どちらにも行ったことがない。傷は、Croix川で、フライ釣りの道糸が弾けてできたものだ。

 
その目は暖かいが、笑うと印象が一変する。
 ルーカスは、かつて一度、ある女性とナイトクラブに行った。その女性は、動物園の飼育係をしている人であることが後で分かったのだが、その相手と、セントポールのナイトクラブに行った。そこは、地下のトイレで児童相手にコカインを売っているところだ。クラブの駐車場で、ばったり、Kenny McGuinnessと出くわした。てっきり服役中だと考えていた相手である。


オレに構わないでくれ、ダベンポート」。男は後じさりしながらいう。
 駐車場は、突然、感電したように時間が止った。ガムの包み紙から、0.25グラムのコーク袋まで、あらゆるものが針のように鋭く、目に飛び込んできた。
「出てきたこと、知らなかったぜ、おい、こら」。
 笑いを浮かべながら、ルーカスが応じる。

 飼育係は、やりとりを眺めている、驚きに目を大きく開いて。
 ルーカスが男に近寄り、そのシャツのポケットに二本の指を差し込んで、ゆっくりと引きよせる。二人が旧知の友人同士で、お互いに想い出を語ろうとするように。ルーカスが、かすれ声で囁く。
「町を出ろ、ロスアンジェルスに行け。ニューヨークに行け。消えなきゃ、ぶちのめすぞ」。
「仮出獄中だ、州を出るこたできない」、男は叫ぶ。
「なら、Duluthに行け、Rochesterに行け。一週間やろう」、ルーカスが囁く。
「親父に話せ、爺さんに話せ、そして失せろ」。
 ルーカスは飼育係の方に向き直った。笑みを浮かべたままだ。男のことは、もうすっかり忘れ去っているようだ」。


びっくりしたわ、あなたって、恐いのね」、
 クラブに入り、女がいう、
「何のことなの、いったい」。
「奴は、少年をやるんだ。10歳の子どもを相手に、その尻をクラック(コカイン)で買う。
「ああ」
 女はそいう話を聞いたことはあるが、漠然としか考えたことがない。ちょうど、自分がいずれは死ぬ運命にあるということを納得する程度にしか信じていないのである。まだ突き詰めて分析する必要のない、遠くの存在、可能性としか捉えていない。

 しばらく後で、女がいう。
あの微笑、嫌い。あなたの笑い方。動物園の獣みたい」。
「ああ、そう、何の動物だ、キツネザルか」。
 女は下唇を舐めてから、
ウルバリン(クズリ、wolverine)を考えていたんだけど」
こういった。


 氷のような笑みが目の温かさを圧倒することが時としてあるとしても、社会生活上での障害になるほど頻繁に起きるわけではない
 そんなことだが、ルーカスはいま、パンク系のブロンド娘が群庁舎の角を曲がるのを眺めている。そして、視界から消える直前に、娘が振り返って、ルーカスに、ニコッと笑った。
 なんてこった。眺めていることを知っていたのだ。女たちは、常に意識している。立ちあがって、後を追え。一瞬考えたが、そうしなかった。いい女がいっぱいいる、みんないい。ルーカスはため息をついて、草の上で再びねっ転がり、エミリー・ディキンソンの詩集を取り上げた。
  ルーカスは満足を絵にかいたような存在であった。いや、絵どころではない。
  写真だ。

      (Rules of Prey; Berkley Introduction edition, ISBN 978-0-425-20581-5、17-23ページ。第1作である)

市庁舎(City Ha1l、緑屋根の建物、この中に市警察署がある)、ヘネピン郡庁舎l(Hennepin County Government Center、市庁舎と5th Stを挟んで対峙するツインタワーのようなビル)、駐車場(右隅の、格子組のような構造になっている建物)そして、ルーカスが座り込んで詩集を読んだ芝生。円形に植え込まれた芝生がそれであろう。
3                                (画像はGoogle地図から)  

                       海賊ブラッドのエロール・フリン
Photo_3                                                  (画像はYoutubeの画面から)


                   ウルバリン(クズリ) 画像はWikipediaから
Photo_2

ルーカスは、背の高い、厳しい顔つきの、肩幅の広い男で、日焼けの跡を残している。片方の眉毛から頬にかけて、細い傷痕が走っている。釣りの道糸のような傷だ。喉にも傷が横に走っている。それは、ある友人がジャックナイフで、とっさの気管切開手術をした跡だ。
  黒髪で、老いの兆しのグレーがいく筋か混じっている。目は、ちょっと考えられないほどの濃いブルーだ。黒の絹セーターシャツを着ており、フレンチ・ブルーの シャツの襟が覗いている。ジーンズを履き、その下には、ズボン内部装着型リグに0.45インチ拳銃を帯びている。皮ジャケットを腕に抱えている。
  
     Lucas was a tall man, hard-faced, broad-shouldered, showing the remnants of a summer tan. A thin line of a scar dropped through one eyebrow onto a cheek, like a piece of fishing line. Another scar slashed across his throat, where a friend had done a tracheotomy with a jackknife.
     His hair was dark, touched by the first few flecks of gray, and his eyes were an unexpectedly intense blue. He was wearing a black silk sweatshirts showing the collar of a French-blue shirt beneath it, jeans, and a 0.45 in an inside-the-pants rig. He carries a leather jacket.

      ("Secret Prey", John Sandford; Berkley international edition, February 1999, ISBN: 0-425-17077-2、15ページ。第9作)
***********************

「注」
 ここでは、喉に大きな傷跡ができている。先に掲げた第1作時の描写にはなかった傷だ。
 第5作、"Winter Prey"において、喉に撃ちこまれた0.25口径拳銃の弾丸を、アーミーナイフ(多機能折りたたみナイフ)の切っ先でえぐり出した傷である。銃弾が気管内に留まって窒息しかけていたところを、現場に居合わせた女性外科医が、とっさの機転でそうしたのである。傍にいた保安官補が携帯しているスイス製アーミーナイフで。
 ルーカスはこの女医に惚れ、やがて婚約し同棲する。相思相愛アツアツで過ごしていくが、結婚を目前にして仲が壊れ、ひどいウツ状態に陥る(第8作、"Sudden Prey")。
 殺人課巡査部長刑事、マーシー・シェリル(Marcy Sherill)と「愛慾と論争の40日」を過ごした結果(第9作)、ウツは治った。
 そして、現在、第10作"Certain Prey"にいるわけである。

 ルーカスと女医は依然として互いに好き合っており、ぐるぐる回りみたいなことを重ねて時間を無駄にしてしまうけれども、最終的には結婚する。男児ができ、女児ができる。
女医の名は、ウェザー・カーキンネン(Weather Karkinnen)という。
 ウェザーとのあいだの物語については、ここでは触れない。


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