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2013年3月

2013年3月27日 (水)

♪Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る、"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む。うーん、なあ・・・そこで、The Nearness of Youの 歌詞と日本語訳を掲げる。

2013.3.27
 前2回記事(2013.3.192013.3.23)との関係で、この曲の歌詞翻訳を載せることにした。
 曲はメロディもコード進行も、そして歌詞も「平凡な直球」みたいな、まあ、こういっちゃ怒られるかもしれないが、そういう感じのものだけどね。
   
 <<<三度目の正直ならず、そして、四度目も、わあ、悔しい>>>
  このバージル・フラワーズ
(Virgil Flowers)を慰労するためである。

                                   ♪参考資料[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]
◆◆◆◆◆◆◆◆
      

       The Nearness of You

                                                (w)Ned Washington (m)Hoagy Carmichel、1940
(Verse)
Why do I just wither and forget all resistance
  when you and your magic pass by?
My heart's in a dither, dear, when you're at a distance
  but when you are near, oh, my!


(Chorus)
It's not the pale moon that excites me,
That thrills and delights me.
Oh, no,
It's just the nearness of you.

It isn't your sweet conversation
That brings this sensation.
Oh, no,
It's just the nearness of you

When you're in my arms and I feel you so close to me,
All my wildest dreams came true.

I need no soft lights to enchant me
If you would only grant me the right
to hold you ever so tight
And to feel in the night
The nearness of you.


              ザ・ニアネス・オブ・ユー-
(バース)
  君が魔力に満ちて通り過ぎると、
 僕の気力は萎え、抵抗心が消え失せる。
 なぜだい。
 君が遠くにいるとね、心が落ち込んでしまう。
 それが、どう、身近にいるときは、
 こうなる、こうだよ。

(コーラス)
心が騒ぎ、沸き立ち、喜んでいる。
それは、だけど、白く輝いているあの月のせいではない。
違うんだ、
理由はひとつ、君が身近にいるからだ。

身体に、ゾクッと戦慄が走る。
それは、でも、君が、話し上手だからではない
違うんだ、
理由はひとつ、君が身近にいるからだ。

この腕の中に君がいて、
身も心もぴったり、そう感じ取れるとき、
熱望した夢、あの夢が完璧に実現する。

元気づけの、魔法の光にはもう用はない。
君が、ぼくに権利を与えてくれさえすれば。
君を、ずっと抱きしめ続けて行く権利を、
夜という時のなかで、君が身近にいることを、
感じさせてくれる権利を。

■Nora Jones - The Nearness of You
.

-----------------------------------
  女はNorah Jones(ノラ・ジョーンズ)のCDをセットして、浴室に向い、戻った。バージルは女の腰に手を置いていう、「踊ろう」。
Rough_country_2 Come Away With MeOne Flight DownThe Nearness of You.........、二人は踊る。「ああっ、バージル」、女が呻き、バージルの耳を噛んだ。女を壁に押し付けて・・・・・・。
 ジョン・サンドフォード(John Sandford)のバージル・フラワーズ・シリーズ(Virgil Flowers series)第3作"Rough Country"(2009)の一幕だ。

  
Rough Country、by John Sandford, 2009
          Berkley International版ペイパーバック。
          ISBN:978-0-425-23762-5

 

 

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2013年3月23日 (土)

バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その7-2。Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る。"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む(後編-1)。

2013.3.23

                                                          <<<[関連記事一覧表](相互リンク機能を付しているので適宜参照されたい)>>> 
  前回記事(前編)の続きである。
 つながりを示すために前編の末尾を掲げてから始めることにしよう。

◆◆◆◆◆◆◆◆
-----------前編末尾---------

V.三度チャンスを逃す
1. 一回目のチャンス
 シグと出会った翌日のことだ。この日、希少種犬の繁殖を商売にしている男の農場、それは歌手ウェンディの父親だが、その農場に行って男から事情聴取をするなど、一連の捜査活動をしてモーテルに戻った。
 部屋の電話が鳴る。
 しゃべる必要のある相手なら、携帯の番号を知っているはずなんだが、まあ、しかし、受話器を取った。シグからだ。
 「宅配ピザを頼んだんだけど、あいにくビールを切らしてしまっった、買ってきてもらえないか」、こういう要請だ。
 とっさに、「20分で行くから」と答えていた。
 「わあ・・・・・・」、
 まあ、驚くことでもないか。先に会ったとき、初対面のときに「バチバチ」と火花が散ったんだよな、お互いに。
 ところで、シグは、料理にはあまり情熱を示さない人なのだ。
------------
He got up, brushed his teeth and shaved, thought about it for three seconds, then jumped in the shower and scrubbed down with Old Spice body wash.
      (Rough Country, by John Sandford; Berkley International Edition: ISBN 978-0-425-23762-5、124ページ)
 ベッドから起きて、歯を磨き、髭をそり、3秒間熟考した結果、シャワーに飛び込み、Old Spiceボディ・ウォッシュで、そこらを、どこだかわかるだろ、そこらをこすった、洗った。

 ハハ、せわしいね。

 夜になっても外はまだ暑かった。昨日訪れた際に出してくれたビールの銘柄がNegra Modeloだったので、その6本パックを買った。道に迷ったので電話して訊いた。
 シグはドアの外で待っていた。ピザが届くのを待つあいだ、少し離れた場所にある東屋で過ごした。ビールを飲みながらあれこれと話をする。いい調子、雰囲気だ。
  バージルは、ピザを食べにやってきたのだが、その夕べを、「ブーツを脱いで終える」ことになるのではないかと、かなり強く感じていた。
 シグは魅力的な女性であり、強いられている孤閨の拷問に苦しんでいることは明らかに見てとれる。
  もし今宵今夜のうちに期待通りにならなくても、すなわち、浮気を決心するのは少なくとも相手を知るための3時間の交流を経てからのことにしなければいけな いのが一般であるというのが中西部の礼儀作法だとされているので、その拘束からして期待が実現できなくても、その頂上を責め落とす橋頭保を築いておくこと はできるであろう。
 そう感じていた。
 ところが、とんでもないことが起きた。

 その後の、母屋に戻ってのピザを食べながらの会話のなかで、シグが重大な情報を伝えたのである。
 居間で、シグの腕の温かみを感じるほど寄り添って座り、ピザを半分ほど食べ終わって、「もう次の一切れは食べずにおこうかな、どうしょうか」と考えながら語りあっていた。
 グランド・ラピッズという町のこと、学校、シグの友人について。イーグル・ネスト山荘のこと、ワイルド・グーズ、ウェンディとバーニーのこと、ズーのこと、などなど。
 シグがいう。
---------------
"Actually, I have a piece of information for you -- I thought of it one second ago. I don't know if it'll mean anything to you, or not. Because, I don't know. . . . "
"I accept all information." Virgil said.
She said, "Erica McDill wasn't the first lesbian who was murdered after messing around with Wendy's band. Or who stayed at the Eagle Nest,
"

Virgil forgot about the pizza, "What?" (上掲書127ページ)
 「あのね、あなたに教えたいことがあるのよ。さっき思いついたばかりなんだけど、役に立つのかどうか分からないんだけど、よくわかんないんだけど」 、シグがいう。
  「どんな情報でも大歓迎だよ」、バージルが受ける。
 「ウェンディのバンドとレスビアン・セックス関係を持ったために殺された人、というか、イーグル・ネストに滞在したことがあるお客さんのなかでその後に殺された人というか、そういう人は、エリカ・マックディルが初めてじゃないの」、シグがいう。
 バージルの頭から、ピザのことが飛び去った。
「なんだって!」

--------------
 二年前に、Constance(コンスタンス)なんとかという年配の女が殺されたのだという。
 女はアイオワ州のなんとかという町からやっ てきてイーグルズ・ネスト山荘に滞在し、ワイルド・グーズでウェンディのバンドを、――そのときはまだハウス・バンドではなかったが、一週間公演で出演し ていたバンドを聴いた。女は彼の地でレストランを経営しているというのだが、ウィンディを大いに称賛し、カントリー音楽業界の大物みたいな存在のナ イトクラブ経営者とコネがあるから紹介すると約束した。ウェンディは喜んだ。
 しかし、夢は実現しなかった。女がアイオワの地元で殺されたことが伝わってきた。

 「なんで知ってるの」。
 「ズーから聞いたの、ズーはウェンディから聞いて。マーガリーも知ってるわ、コンスタンスはイーグル・ネスト山荘の滞在客だったから。コンスタンスはレズビアンだった」。
 「ズーはなぜオレに話をしなかったんだろう」。
  「さあ、なぜだかわかんないけど、おそらく、向こう、アイオワで殺されたから、誰も正確なことは知らないし- - - - - - 2年も前のことだし。それに、今度の事件とは関係がなさそうだから、向こうは強盗で殺されたっていうから、まあ、その点ははっきりしないんだけど」。
「関係大ありだよ、なにいってんだ、シグ、オレはズーを怒鳴りつけることになるぞ」。     
 バージルは携帯を取り出してズーに電話する。
「なぜ、コンスタンス、コンスタンスなんとかが殺されたことを隠していたんだ」。
「Oh, God.」、とズー。
「すぐに行くから待ってろ!」。
「帰るの?」、シグが問う。
「行かなきゃ・・・・・・」。
 シグが顔を上に向けていう。
「いいわよ、行きなさいよ、いろいろ話ができて、楽しかったわ」。
 親しくしたがっていることは明らかだ。バージルは、じわっと動いてもっと身を寄せ、いう。
「おれもだ・・・ああ、つまり、話をして楽しかった。だけど、くそっ、シグ、もっと・・・・・・」。
「分かってるわ」、シグがいう。目が、諦めを語っている。
「事件解決が先だもの、だから、ね、ほら、今度・・・・・・」


 バージルはさらに身を寄せて。屈みこんで女の唇にキスをした。
 相手も強く身を寄せて応じた。それは、尻を掴んでもいいという許可にほかならない。だから、そうした、掴んだ、尻を。ああ、なんてうれしい褒美だ・・・・・・。
 シグがバージルを押しのける。
「バカね、行きなさいよ・・・そうね、明日電話して・・・もしよければ」。
「する、する、絶対する」。
 バージルはあたりを見回して、ズーの家に行かなくてすむ言い訳が空中を飛んでいないか、何か掴みとれないか、探した。
 何もなかった。

 シグの唇は、口紅の甘い味がした。身体からは、香水が軽く匂っていた。
 ズーの家にむかう道中、距離の半分ぐらい行くまで、味と匂いがバージルの身に残っていた。
-----------------------
 かくて一度目のチャンスは実らなかった。

----------------前編末尾再掲終わり----------------

◆◆◆◆◆◆◆◆
 さて、今日はここから。
2.二回目のチャンス
 バージルはズーから情報を聴き取って、ズーもあまり詳しいことは知らなかったのだが、とにかく、黙っていたことを責めながら事情を聴取して、翌調、飛行機でアイオワ州Cedar Rapids(セダーラピッズ)に飛んだ。
 ズー尋問の後で、BCA本部のルーカスに連絡して自家用機を手配してもらい、その出発地ミネアポリスに車を飛ばして午前1時に到着し、ミネソタ大学近くのモーテルに泊まり、同7時に馴染みのパイロットのセスナで離陸したのだ。
 パイロット、Waneは、過般の連続殺人事件で
バージルが犯人のベトナム人数名を射殺したことについて、捜査陣を、というよりもバージルを、大いに讃えた。人々は誇りに思っていると。
"Man, people was so proud of you guys," Wane said. "Nobody was talking about anything else. Fucking North Vietnamese commandos, man, and you guys took them down."

 「なあ、みんな、あんたたちのことを誇りに思っている。みんな、あの事件のことでもちきりだ。クソッタレ北ベトナム兵どもが・・・、そう、あんたらが、みんな、ぶち殺してくれた」。
"Didn't feel proud at the time," Virgil said. "Still don't. And we nissed their main operatopr."
 
「その時点では、誇らしいなんて、感じなかったんだが」、バージルはいう、
 「いまでもそんな風には考えていないが、それに、主犯格を逃がしちゃってるしな」。

"That Chick. Yeah. But man, that was something . . . "
 
「ああ、あの女か。だけど、とにかく、でかしたぜ・・・」。

 バージルは飛行機から現地Johnson County(ジョンソン郡)の保安官事務所に電話して、訪問するために向かっている旨を伝えた。保安官は休暇を取ってミネソタ州に釣りにでかけているの だという。Will Sedlacekという保安官補から種々の手配の約束をとりつけた。
 2時間の晴天飛行を経て、現地に着いた。
 さて、話が長くなるので圧縮するが、バージルは、保安官事務所で事件の捜査一件書類を見せてもらった後に、保安官補に案内してもらって、カントリー・ウェスタン業界での影の実力者みたいな存在だというJud Windrow(ウインドロー)という男に会った。予め面会の手配をしてくれていたのである。
 男は、Ceder Rapidsのやや南方の町Iowa City(アイオワ・シティ)でSpodee-Odeeというライブ・バーをやっている。その店は、新人グループの全国登竜門のような存在に位置付けられているのだという。男は、ウインドローは、殺された女コンスタンスと幼少時から隣り合わせで育った幼馴染であるという。
 コンスタンスは、ウェンディに対して、このウィンドローの線から、出世の可能性を示唆したのであった。
 ウインドローは、コンスタンスの妹、Prudence Bauerを同席するように、店に呼んでいた。Bauerは姉がやっていたレストランを継いでいるのだという。

 さて、端折ろう、端折ろう。
--------------------
 アイオワでの調査活動中に、ミネソタ州グランド・ラピッ ズでもう一人女が銃撃されたという電話が入った。まだ死んではいないが、命が危ぶまれているという。電話は鑑識課のMapesという男からのものであり、 その女は、イーグルズ・ネスト山荘殺人事件の被害者McDill殺害に使用された銃と同じ銃で撃たれているというのだ。
 バージルは、調査を終えてセントポールに戻る。
 暗くなる前にセントポールに到着した。BCA本部に行ってダベンポートの事務所に寄り、当人も秘書も、すでに引き上げて不在なのだが、バージルからの事前の依頼によって秘書が準備してあった情報書類を手にする。
 その場にShrake(シュレイク)とJenjins(ジェンキンス)という同僚がおり、二人ともゴリラみたいなマッチョ存在なんだが、バージルを、酒の肴にするみたいにからかう。 

  I-35(州連結35号線)を北上してグランドラピッズのモーテルに戻った。途中で軽食をとり、22:10分に着いた。留守電が入っている。シグからだ。 ズーから電話があり、話をするなかで、銃撃された女、Jan Washingtonという名前だが、そのワシントンがどういう人物かということについてルーカスがシグに訊きたがるかもしれないといった。そこで、自分 は12時ぐらいまでは起きているから、そうしたければ来てよい。
 こういうメッセージだ。
 
 どうするか、しばらく考えた。疲れている、しかし、疲れすぎてはいない。
 そこで、出掛けた。途中でスーパーマーケットに立ち寄って、丸ごとローストチキンとビール6本入りパックを買った。
 車寄せに停めたとき、窓に人影がちらつき、やがてシグがドアを開けて出てきた照れくさそうな笑いを浮かべている。スーパーマーケットの袋に目を遣った。
"Oh, you brought me roses. You shouldn't have."
「あれ、バラをもってきてくれたの、そんなことしなくてよかったのに」。
 「バラなんかよりもっといいものだ、ローストチキンを買ってきた」。
  バージルは、玄関を入り、そういう。
「私が飢えながらじっと座って過ごしていると思ってるのね」。
 「いや、だけど、あんたは料理にあまり興味がない人のように思える」、バージルはいう、
  「ジョーが出て行ったのはそのせいじゃないか、彼は、ポークチョップが食べたかった」。
「まあ、そうかもね」、シグは認め、チキンの包装を開ける。匂いが充満する。
「あんたがチキンを切る役、私はビールを開ける役」、シグがいう。 

  二人は小さなテーブルで向かい合って食べ、話をする。撃たれたワシントンがどういう人物か、バージルが家に出入りしているために、ズーと同じようにシグも 犯人から狙われるかもしれないので気をつけなければいけない、銃は持っているか、ショットガンをベッドの下に置いてあることなどなど。
 食べ終わり、バージルは流しで手と顔を洗い、居間のカウチに座る。シグがビールを片手にやってきて隣に座った。その肩に手を廻した。
「窓はかなり頑丈だし・・・窓の下にビールの空き缶を置いておこうかしら、倒れて音がするから・・・・・・」。
 「携帯と悲鳴を手に、ベッドルームで気をつけて過ごすんだな」。
「そうね・・・・・・」。

バージルは女の髪をなで、相手が身を寄せてきた。
バージルがキスをし、事態が一挙に展開していった。そのどこかで、バージルは女のブラ ジャーの留め金を外して、胸に手を入れた。そこは、おっぱいの世界だった、だが、小さい部類に属する。しかし、バージルはそれでいい。母親の友達の何人も が38Cから38だったのを見ている。細身の乳には、そんな問題は起きない。
 He'd seen more than one of his mother's friends go from 38C to 38 Long, and that was not a problem with the slender ones.(前掲書156ページ)

Photo_2           こういうのだそうだ。上が[38C]、下が [38 Long]。Long (longline bra)とはコルセットの機能を一部兼ねているブラのことだという。
          
なんか、驚くほどは大きくないね。ネット上のとある説明によると、「程度サイズ」だという。
      画像はココココから。無断転載ごめんなさいだが、読者啓蒙のためだと詫びておこう。


"Mmmm."
「ウーン」
 二人の息遣いが激しくなっており、バージルが親指と人差し指の間に乳首を挟んで、ブルーベリーの実を摘み取るときのように挟んで、シグが男のベルトを外そうとバックルに手を掛けた、ちょうどその瞬間に、バージルの携帯が鳴り響いた。
 シグは飛び上がった!
She jumped and said, "Virgil . . . For God's sakes, you left your phone on?"
「バージル、なにやってんの! あんた、スイッチ入れっ放しにしてたのね!」

 警官をやってることの呪いだ。起きたのは、これが初めてではない。
 バージルは呻き、放っておこうかと考えた。しかし、誰からか、ということが先に立った。携帯をポケットから取り出した。保安官からだ。再度呻く。
「だれから」、シグが訊く。
 「保安官だ」、とバージル。
「そう・・・出なさいよ、何の用だったか、後からあれこれ気に病むよりましだわ」。
 バージルがクリックし、サンダース保安官がいう、
「どこにいるんだい」。
 「ガスを入れているところだ。そこに立ち寄ろうとしてたところだ」、嘘をつく。
「病院から連絡があった、保安官補の一人から2分前に電話があって、ワシントンが麻酔から覚め、話をしているそうだ。
「話をした方がいいんじゃないのかい、万一のことを考えて」。
 「万一ってなんだい」。
「死んでしまうことだ」。
 「ああ、もちろん」、バージルがいう。

 バージルは電話を切り、シグをしばらく見つめていう、
「どうしょうもないや」。シグに事情を説明する。シグが立ちあがりいう。
「なら、絶体に行かなきゃいけないわよ、ほら、起きなさい」。
 二人は玄関ドアに歩いていったが、シグはシャツとブラジャーが上半身にこんがらかって直せないでいる。バージルは立ち止まって別れのキスをしようとする。
「もう、どうしょうもないわね、これ」、シグはシャツとブラジャーを直すのを止め、単に脱いで放り投げた。
 「わあー、なんだ、そんな、見せつけちゃって」、
 バージルは女をドアと壁の間に押し付ける。
 しばらくそのままいたが、シグがバージルを押しやっていう。
「バカね、そんなにみたいなら、ほら、よく見なさい、そして出ていきなさい」。
He got out. 
Preceded by what he believed to be the most substantial erction he'd had since junior high.
                  
(前掲書157ページ)
バージルは出ていった。
中学生時代この方、最も激しい勃起を疼(うず)かせながら。

---------------------

 かくて、第二回目のチャンスも実らなかった。

◆◆◆◆◆◆◆◆
  女はNorah Jones(ノラ・ジョーンズ)のCDをセットして、浴室に向い、戻った。バージルは女の腰に手を置いていう、「踊ろう」。
Rough_country_2 Come Away With MeOne Flight DownThe Nearness of You.........、二人は踊る。「ああっ、バージル」、女が呻き、バージルの耳を噛んだ。女を壁に押し付けて・・・・・・。
 ジョン・サンドフォード(John Sandford)のバージル・フラワーズ・シリーズ(Virgil Flowers series)第3作"Rough Country"(2009)の一幕だ。

   Rough Country、by John Sandford, 2009
          Berkley International版ペイパーバック。
          ISBN:978-0-425-23762-5





■Norah Jones - Come Away With Me 
 ノラ・ジョーンズ―カム・アウェイ・ウイズ・

       こういう人だという。


  [→関連記事一覧] ジョン・サンドフォード(John Sandford)記事一覧表 ― Preyシリーズ(Lucas Davenport物)とVirgil Flowersシリーズ。

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―― 仕掛り、未完 (「三回目のチャンス」をまだ書いていない)――

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2013年3月19日 (火)

バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その7。Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る。"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む(前編)

2013.3.19
                                                          <<<[関連記事一覧表](相互リンク機能を付しているので適宜参照されたい)>>>
 女はNorah Jones(ノラ・ジョーンズ)のCDをセットして、浴室に向い、戻った。バージルは女の腰に手を置いていう、「踊ろう」。
Rough_country_2 Come Away With MeOne Flight DownThe Nearness of You.........、二人は踊る。「ああっ、バージル」女が呻き、バージルの耳を噛んだ。女を壁に押し付けて・・・・・・。
 ジョン・サンドフォード(John Sandford)のバージル・フラワーズ・シリーズ(Virgil Flowers series)第3作"Rough Country"(2009)の一幕だ。

   Rough Country、by John Sandford, 2009
          Berkley International版ペイパーバック。
          ISBN:978-0-425-23762-5

◆◆◆◆◆◆◆◆
I.怪魚マスキーLake Vermilionで釣り大会
 季節は8月、バージルは州北部にあるLake Vermilion(レイク・バーミリオン。一帯に散在する複数の湖の総称か、あるいは、地名か)にやってきた。釣り競技会に参加する。学生時代からの親友、「釣り友」、Johnson Johnson(ジョンソン・ジョンソン)と一緒だ、ハハ、みんな笑うけど、この名前には。
 
Photo_2[画像説明] 下段右端の画像がLake Vermilionの航空写真。その左の画像は、ミネソタ州全体を表わしたものであるが、州北部にあるこの湖(地域)の位置を、ツイン・シティ(ミネアポリス/セントポールを合わせて表わす呼称。図の下側のマーク)との対比で示している。
 でかい魚はマスキー(masky, muskie)。全面笑みのオバハンがぶら下げているのは、おそらく、ブラックバス。上段真ん中の画像では、何かの催しで人が大勢集まり、湖面にボートがいっぱい出ている。ここで述べている釣り大会も、こんな感じだったのであろう。画像はココから。


  「マスキーのでかいのを一発・・・・・・」
 朝マズメに(まずめ = 日の出前後30-60分程度の時間帯を表わす釣り人用語)、ルアーを放る。引いては投げ、引いては投げ・・・。
 オレンジ色ブレードの"double cowgirl"(ダブル・カウガール)だ。
 「最初の5分で釣れるなんてこた、まずないからな」なんて、負け惜しみみたいなことをいいながら。
     ("You ain't gonna get one in the first five minutes." )
 月が沈み太陽が顔を出す。少し風が出て、さざ波が立ってきた。湖上に出てから2時間が過ぎようとしている。さてと・・・。
Double_cowgirl                                                    ("double cowgirl" ルアー。ココから)
[マスキー(muskie, musky)]
 
正式には、muskellunge( muskelunge, muscallonge, milliganong, maskinongeとも)。
  北米に生息する大型の淡水魚で"
pike"族(パイク、カワカマス)に属する。名称は、"ugly pike"(醜いパイク)という意味の土着言語(Ojibwa 語)からきている(Wikipediaから)(画像)。

 ボートが高速でやってきて、減速して脇を通過しようとする。男女のペアだ。その二人がバージルの顔を眺め、誰であるかを確かめたとみるや、さらに速度を落として、転回し、エンジンを止め弧を描きながら惰力で船を寄せてきた。大会委員長のRoyと妻Arnieだ。

"Morning Virgil, Johnson." Roy reached out and caught their gunwale and pulled the boats close.
"Morning, Roy," Johnson said. "Arnie, how you doing?"
Arnie nodded and ejected a stream of tobacco jice into the lake.
Roy, who looked like ......................., said "Virgil, a guy named Lucas Davenport is trying to get you."
  "You tell him to get fuck himself?"
Roy grinned, "I was going to, until he said who he was. He told me to break into your cabin and get your cell phone, since you wouldn't have it with you. He was right about that." He fished virgil's cell phone out of his shirt pocket and passed it across. "Sorry."
"Goldarnit, Roy," Johnson said
  "Probably got no reception," Virgil said. He punched up the phone and got four bars and Roy waggled his eyebrows at him.
"I tell you what, Virgil, there ain't many things more important to me than this tornament, so I know how you feel," Roy said. "But Davebport said there's a murderd woman over at Stone Lake and you need to look at her, That seemed more important."
   "You know her?" Johnson asked.
"No, I don't," Roy said.   
"Then how in the heck could she be more important?"
Johnson asked. "People die all the time. You worry about all of them?"
"Kinda wondered about that myself," Arnie said to Roy: "We're loosing a lot of fishing time, man."

                       (上に写真を掲げたBerkley International版8ページ)

「おはよう、バージル、ジョンソン」。
   ロイは身を乗り出してこちらのボートの舷縁をつかみ、二隻を引き寄せた。
「おはよう、ロイ」、「アーニィ、どう、元気」、とジョンソン。
 アーニィは頷いて、噛み煙草の唾をドバッと湖水に吐きだした。
 ロイは................中略............いう。

「バージル、ルーカス・ダベンポートという人からあんた宛に電話がかかってきた」。
 「くそくらえ、っていってくれたか。
 ロイはニヤっとしていう、
「そういおうとしたんだが、公安局特捜部の人だっていうからな、そうもいかん」、それで、
「あんたの小屋に押し入ってな、携帯を持ち出してくれっていうんだ、あんたはどうせ身につけていないだろうからってな」、
「そのとおりだった」。
 そういって、シャツのポケットからバージルの携帯を取り出して、手渡し、いう、
「すまんな」。

 「しょうがねーな、おい、ロイ」、ジョンソンが鼻を鳴らす。
 「まあ、電波が届かないだろうって」、バージルがいい、パチと電源を押す。
 感度良好の4本線が表示された。ロイがそれを見て眉毛を揺すった。

「なあ、バージル、俺にとって、この釣り大会より大事なものはあまりない。だから、気持ちはよくわかる」、
 「だけどダベンポートがいうには、ストーン・レイクで女の人が殺されたので、あんたが現場に行かなきゃいけないそうだ。だから、大会より重要なことのようだ」。

 「その女の人、あんたの知り合いかい」、ジョンソンが問う。
「いあや、知らない」、ロイが答える
 「なら、そっちの方が重要だってことが、どうして分かるんだ」、ジョンソンがいう、
 「人の死は、毎日起きることだ、その都度、逐一気にするのかい」。

「あたしも、そんな風に感じたけどね」、アニィがロイにいう、
「あんた、あたしたち、釣る時間を、ものすごく無駄にしてるわ」。


 かくして、バージルは、大会初日、2時間過ごしただけで場を去らなければならなくなった。愛しの「怪魚マスキーちゃん」には逢えなかった。
         
II.事件現場へと ― 南西に下る
 グランド・ラピッズ(Grand Rapids)付近にあるストーン・レイク(Stone Lake)、その地の「イーグルズ・ネスト」山荘(Eagle's Nest Lodge)で女が銃で撃たれて殺された。
 山荘は女性客限定の別荘施設で、殺された女はミネアポリス本拠大手広告代理店会社のCEO(Chief Executive Officer、最高経営責任者)である。これが民主党支持州組織の大物であることにより、州知事からルーカスに命令が下った。「即解決しろ」と。
 ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)は、ミネソタ州公安局特別犯罪捜査部(BCA: Bureau of Criminal Apprehension)の実質的責任者である。その職務は、政治的に微妙な重要性を帯びる事件について、知事から特命を受けて事件を「うまく」処理することにある。
 こういう事件になると、必ず、"Make that 'fuckin Virgil' take the case."、「あのボケ・バージルにやらせろ」ということになるのだ(「注意」この英文は当ブログ主が勝手に書いたものである)。
 バージルは 、類い稀な事件解決率をあげている男だ。セントポール市警察でも、数年前に移行したこのBCAにおいても。

 バージルは、ジョンソンと共に、というか、ジョンソンにトラックを提供させて、二人で事件現場に向かった。カナダ国境に近い北部から、南西に下ってくる。

Lake_vermilion [↑画像] オレンジの"A"マークがLake Vermilion。中間の手書丸印がGrand Rapids。下の丸印はミネアポリス/セントポール。物語では、事件現場Stone LakeはGrand Rapidsの近くにあるという設定になっている。Stome Lakeという地名(湖)は実在するが、かなり北の、スペリオル湖に近い場所にある。作者サンドフォードは、「実在する地名を使用するが、実際とは異なった場所に設定する」という手法を多用する。

III.「レズビアンの巣」山荘
 到着してみると、女性客限定山荘Eagle's Nest Lodge(「鷲の巣山荘」の意)は、「レズビアンの巣」ともいうべき場所であった。
 滞在客全員がそうだというわけではないが、全体的傾向として、それを売り物にした施設という趣きが濃い。連れだってやってくる、あるいは現地で相手を探すという関係が、場合によって三人四人という乱交的関係を伴いながら進行している。しかも、それが、カントリーミュージック女性バンドのメンバーを巻き込んで、さらにはハイティーン男子アルバイト大学生の売春を、つまり女が若い子を買うわけだが、そういう関係をも絡めながら、ドロドロと進行している。
 バンドとは、グランド・ラピッズ北方1マイルほどのところにある人気カントリー・ミュージック・バー、Wild Gooseのハウス・バンドである。そのリーダー、リードボーカル歌手は、上手く売り出せば全国ヒットを飛ばすほどの才能の持ち主である。

  Wendy(ウェンディ)というこの歌手はレズビアンである。バンドのドラマーBernit(バーニー)と長く関係をもち、同棲している。バーニーはウェンディに心の底から入れ揚げており、相手が浮気すると荒れる。ヤマネコみたいに荒々しく「荒れる」。そのドラマーとしての力量は劣り、お荷物的存在になっている。ただし、容姿は悪くなく、特にその乳は男客に、場合によっては女客にもだが、ウケルこと間違いなしの偉大なものだ。

IV.シグという女、Sig、Signy.
 「女」なんていうと、「女性」群から蔑称だとして怒られるかもしれないので、一言断っておこう。すなわち、ここでの「女」という表現は、「筆者自身は、心では『女性』といっているのだが、種々の理由によって、その理由は事の趣旨からして公にできないのだが、残念だが、とにかくそういうことで「女」と表現しているだけのことである。悪しからず。
 そこで話を戻すが、この女、Sigはこういう人だ

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 ズー・タル(Zoe Tull)lの姉の家は、実生活上の家というより、山小屋というべきもので、Fifty-Dollar Lake(湖)沿いの薄黒い未舗装道路を辿っていった先の、水深の浅い湾の際に建っていた。場所の位置をZoe(ズ―)から携帯で聞いていたのだが、ズ―は前庭に立って待っていた。
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ズ―とは、イーグルズ・ネスト山荘経営者Magery Stanhope(スタンホープ)と公私にわたって密接な関係を維持している顧問公認会計士のことである。
 
三十歳代、小柄、髪はとび色(赤茶)、ちんまりとしたそばかす鼻の美人だ。
 もしジョンソンが目の前にすれば、酒を喰らって酔っ払って、愛でる詩を長々と吟じる、――奴は詩というものを知る人物なんだが――、そういうタイプだ。
 実は、バージルも初対面の場で、「ころっ」といかれかけたんだよな、次のような
会話に発展するまでは。
    "Are you the Virgil Flowers who was involved in that massacre up in International Falls?"
  「インタナショナル・フォールズ(International Falls)であの虐殺をやったバージル・フラワーズ、その人ですか」。
  「虐殺なんかじゃなかったんだが・・・・・・」。
 「虐殺だと思えたわ」。
    「ズー、お黙り」、 スタンホープが制した。

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 こういう女でもある。
 バージルは、スタンホープに会いに山荘事務所にやってきた。
Zoe, the woman who thought Virgil had perpetrated a massacre, was sitting at a computer, wearing a pair of black librarian glasses, which meant that Virgil would almost certainly fall in love with her, the near-sighted intellectual look did him in every time, If she'd had an overbite, he would have proposed.

  (上掲書35ページ)
 
ズー、バージルのことを虐殺犯とみなした女が、コンピュータの前に座っている。
 黒ぶちの「図書館司書」眼鏡をかけている。バージルはこのタイプに弱い。あのやりとりさえなければ、まちがいなく一目惚れに陥ったことだろう。知的な顔つきの近眼女性、バージルは、出会うたびに惚れるのである。もし、それにオーバーバイト( 被蓋咬合)が加わったなら、求婚にまで発展する。

   
 (被蓋咬合=上の歯が下の歯を大きく超えて異常にはりだす不正咬合)
Photo                             
   (こんな感じかい。ココから)
 ただ、まあ、レズなんだよな。
 「寝てあげてもいいわよ」みたいなことをいってバージルをからかってみせたりはするけど。
 先の歌手ウェンディとしばらく関係をもっていた。バーニーが荒れるので現在は関係を断っているかたちになっているが、できれば撚りを戻したい。
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 さて、前置きが長くなったが、――シグという人物よりズーの説明に陥りそうになってしまったが――シグは、このズーの姉だ。
 先に「前庭に立って待っていた」と述べたが、ズーは姉の家に避難しているのである。
  山荘殺人事件の犯人らしき男が、実際には、犯人は女ではないかと疑わせる事情が存在したりして、男か女かということははっきりしないのだが、とにかく男が深夜にズーの住居に押し入った。気配を感じ取ったズーが、とっさの機転で、「だれ? こっちは、ガンを持ってるわよ」、とっさにこう叫んだので賊は逃げ、事なきを得た。
 事態が落ち着くまでしばらく安全な場所に移る。それが避難の理由だ。
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An older woman pushed out of the house: Zoe's sister. She looked a lot like Zoe, slender but more weatherd, with cool, distant green eyes and a nose that was a bit too long. She was wearing a plaid shirt with the sleeves rolled up over her elbows, and jeans. She looked at Virgil for a moment, nothing shy about it, then looked past him a minute, and said, "Nice rig."
"Works for me," Virgil said.
"You all best come in before the bugs eat you alive, "the sister said.

"My sister, Sig, Signy," Zoe said. And to Signey, "This is Virgil."

 年配の女性がドアを開けて家から出てきた。ズーの姉だ。
 ズーによく似ている。同じく細身だが、野外活動風化色がより強い。透明で、遠くを眺めているような雰囲気の緑の目をしている。鼻は、やや長すぎる。格子柄のシャツにジーンズで、シャツの袖を肘の上までまくりあげている。バージルの目をしばらく見つめた。動じる気配は少しもない。目をバージルの後方に移した。しばらくしていう。
 「いい道具ね」
「よく働いてくれる」、バージルがいう。
 「さあ、二人とも、虫に食われない前に、中に入って」、女がいう。
「姉のシグ、シグニィ」、ズーがバージルにいい、シグニィに対して、
「こちら、バージル」と紹介する。
 
   *いい道具」→バージルのトラックと牽引トレーラーに積んであるボートのことをいっている。バージルは公務中であろうとなかろうと、
     トラックで釣りボートを引っ張って行動する
。場合によっては、州所有物の公務車両トラックでもそれをやる。
     それが、当人のトレードマーク、
愛嬌になっている。ルーカスは頭を痛めているのだが、根治はできない。  

  シグは既婚者なのだが、ジョー(Joe)というその亭主は、ある意味でロマンティストともいべき「人生敗残者」で、放浪癖があり、ふいと旅に出る。現在は、アラスカいるのだという。前回はカナダのどこやらから、やっとのことで家にたどり着いた。今回は、どうも危うい。行き倒れになるのではないか。

 シグは、ミネソタ大学で芸術を専攻したといい、いろいろ話が進むなかで、バージルとほぼ同時期に、バージルは生態学を専攻するかたわら創作著述関連の学科にも手を伸ばしたのだが、同時期に在学していたことが分かった。
 グランド・ラピッズでキルト販売店を営んでいるという。業績は芳しくない。

2 [上画像]
She looked at Virgil for a moment, nothing shy about it, the looked past him for moment, and said, "Nice rig."
いい道具ね
 バージルはこういう格好で活動しているのである。「ボート引っ張ってないだろうな」、ルーカスと電話で話をするとき、年中こういわれている。(画像はココから)

V.三度チャンスを逃す
1. 一回目のチャンス
 シグと出会った翌日のことだ。この日、希少種犬の繁殖を商売にしている男の農場、それは歌手ウェンディの父親だが、その農場に行って男から事情聴取をするなど、一連の捜査活動をしてモーテルに戻った。
 部屋の電話が鳴る。
 しゃべる必要のある相手なら、携帯の番号を知っているはずなんだが、まあ、しかし、受話器を取った。シグからだ。
 「宅配ピザを頼んだんだけど、あいにくビールを切らしてしまっった、買ってきてもらえないか」、こういう要請だ。
 とっさに、「20分で行くから」と答えていた。
 「わあ・・・・・・」、
 まあ、驚くことでもないか。先に会ったとき、初対面のときに「バチバチ」と火花が散ったんだよな、お互いに。
 ところで、シグは、料理にはあまり情熱を示さない人なのだ。
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He got up, brushed his teeth and shaved, thought about it for three seconds, then jumped in the shower and scrubbed down with Old Spice body wash.
 ベッドから起きて、歯を磨き、髭をそり、3秒間熟考した結果、シャワーに飛び込み、Old Spiceボディ・ウォッシュで、そこらを、どこだかわかるだろ、そこらをこすった、洗った。

 ハハ、せわしいね。

 夜になっても外はまだ暑かった。昨日訪れた際に出してくれたビールの銘柄がNegra Modeloだったので、その6本パックを買った。道に迷ったので電話して訊いた。
 シグはドアの外で待っていた。ピザが届くのを待つあいだ、少し離れた場所にある東屋で過ごした。ビールを飲みながらあれこれと話をする。いい調子、雰囲気だ。
  バージルは、ピザを食べにやってきたのだが、その夕べを、「ブーツを脱いで終える」ことになるのではないかと、かなり強く感じていた。
 シグは魅力的な女性であり、強いられている孤閨の拷問に苦しんでいることは明らかに見てとれる。
 もし今宵今夜のうちに期待通りにならなくても、すなわち、浮気を決心するのは少なくとも相手を知るための3時間の交流を経てからのことにしなければいけないのが一般であるというのが中西部の礼儀作法だとされているので、その拘束からして期待が実現できなくても、その頂上を責め落とす橋頭保を築いておくことはできるであろう。
 そう感じていた。
 ところが、とんでもないことが起きた。

 その後の、家に戻ってのピザを食べながらの会話のなかで、シグが重大な情報を伝えたのである。
 居間で、シグの腕の温かみを感じるほど寄り添って座り、ピザを半分ほど食べ終わって、「もう次の一切れは食べずにおこうかな、どうしょうか」と考えながら語りあっていた。
 グランド・ラピッズという町のこと、学校、シグの友人について。イーグル・ネスト山荘のこと、ワイルド・グーズ、ウェンディとバーニーのこと、ズーのこと、などなど。
 シグがいう。
---------------
"Actually, I have a piece of information for you -- I thought of it one second ago. I don't know if it'll mean anything to you, or not. Because, I don't know. . . . "
"I accept all information." Virgil said.
She said, "Erica McDill wasn't the first lesbian who was murdered after messing around with Wendy's band. Or who stayed at the Eagle Nest,
"

Virgil forgot about the pizza, "What?"
 「あのね、あなたに教えたいことがあるのよ。さっき思いついたばかりなんだけど、役に立つのかどうか分からないんだけど、よくわかんないんだけど」 、シグがいう。
  「どんな情報でも大歓迎だよ」、バージルが受ける。
 「ウェンディのバンドとレスビアン・セックス関係を持ったために殺された人、というか、イーグル・ネストに滞在したことがあるお客さんのなかでその後に殺された人というか、そういう人は、エリカ・マックディルが初めてじゃないの」、シグがいう。
 バージルの頭から、ピザのことが飛び去った。
「なんだって!」

--------------

 二年前に、Constance(コンスタンス)なんとかという年配の女が殺されたのだという。
 女はアイオワ州のなんとかという町からやってきてイーグルズ・ネスト山荘に滞在し、ワイルド・グーズでウェンディのバンドを、――そのときはまだハウス・バンドではなかったが、一週間公演で出演していたバンドを聴いた。女は彼の地でレストランを経営しているのだというのだが、ウィンディを大いに称賛し、カントリー音楽業界の大物みたいな存在のナイトクラブ経営者とコネがあるから紹介すると約束した。ウェンディは喜んだ。
 しかし、夢は実現しなかった。女がアイオワの地元で殺されたことが伝わってきた。

 「なんで知ってるの」。
 「ズーから聞いたの、ズーはウェンディから聞いて。マーガリーも知ってるわ、コンスタンスはイーグル・ネスト山荘の滞在客だったから。コンスタンスはレズビアンだった」。
 「ズーはなぜオレに話をしなかったんだろう」。
 「さあ、なぜだかわかんないけど、おそらく、向こう、アイオワで殺されたから、誰も正確なことは知らないし- - - - - - 2年も前のことだし。それに、今度の事件とは関係がなさそうだから、向こうは強盗で殺されたっていうから、まあ、その点ははっきりしないんだけど」。
「関係大ありだよ、なにいってんだ、シグ、オレはズーを怒鳴りつけることになるぞ」。

 バージルは携帯を取り出してズーに電話する。
「なぜ、コンスタンス、コンスタンスなんとかが殺されたことを隠していたんだ」。
「Oh, God.」、とズー。
「すぐに行くから待ってろ!」。
「帰るの?」、シグが問う。
「行かなきゃ・・・・・・」。
 シグが顔を上に向けていう。
「いいわよ、行きなさいよ、いろいろ話ができて、楽しかったわ」。
 親しくしたがっていることは明らかだ。バージルは、じわっと動いてもっと身を寄せ、いう。
「おれもだ・・・ああ、つまり、話をして楽しかった。だけど、くそっ、シグ、もっと・・・・・・」。
「分かってるわ」、シグがいう。目が、諦めを語っている。
「事件解決が先だもの、だから、ね、ほら、今度・・・・・・」


 バージルはさらに身を寄せて。屈みこんで女の唇にキスをした。
 相手も強く身を寄せて応じた。それは、尻を掴んでもいいという許可にほかならない。だから、そうした、掴んだ、尻を。ああ、なんてうれしい褒美だ・・・・・・。
 シグがバージルを押しのける。
「バカね、行きなさいよ・・・そうね、明日電話して・・・もしよければ」。
「する、する、絶対する」。
 バージルはあたりを見回して、ズーの家に行かなくてすむ言い訳が空中を飛んでいないか、何か掴みとれないか、探した。
 何もなかった。

 シグの唇は、口紅の甘い味がした。身体からは、香水が軽く匂っていた。
 ズーの家にむかう道中、距離の半分ぐらい行くまで、味と匂いがバージルの身に残っていた。
-----------------------
 かくて一度目のチャンスは実らなかった。

 ●  [→関連記事一覧] ジョン・サンドフォード(John Sandford)記事一覧表 ― Preyシリーズ(Lucas Davenport物)とVirgil Flowersシリーズ。

  

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2013年3月15日 (金)

♪歌詞翻訳曲目一覧表 ― ジャズ・スタンダード、カントリー、ロック、シャンソン、その他、掲載記事総覧。

2013.3.15
 これまで、折々、ジャズ・スタンダード曲などの歌詞翻訳を試み、その「成果物」と関連調査結果、資料、データなどを記事として載せてきた。
 当ブログ主は、「唄う修行を楽しみながら」生活しているのだが、我がレパートリーに取り込むために「翻訳」、「歌詞解釈」ということをやってきたわけである。歌を唄うには、「上手く」唄うには、その詩の意味を知らなきゃいけないからね。
 あるいは、掲載しようとする記事の題材との絡みで歌詞翻訳に及んだこともある。

  と、まあ、そんなことなんだが、手がけた曲の数が増えてきたので、一覧表を作ることにした。リンクを張って各記事に飛べるようにする。([LK]をクリック)
 曲が増えるたびに表を更新していく。 

[追記]
  なお、
   <<<♪ジャズ・スタンダード(Jazz Standards)とは何か、その1その2その3>>>
 という記事を掲げているので適宜参照されたい。
 「その3」は、ジャズ・スタンダード曲リスト(A - Z、全1089曲)である。

◆◆◆◆◆◆◆◆
                 翻訳曲一覧表 
Ace In The Hole(1909年曲) [LK] 2013.5.22
All Of Me [LK] 2012.4.11
Aint' Misbehavin' [LK] 2012.1.28
Am I Blue [LK] 2010.9.22
April Showers [LK] 201.0.4.6
A-Tisket A-Tasket [LK] 2013.10.9

Backwater Blues [LK] 2010.10.30、[LK]2011.4.8
Blackboard of My Heart [LK] 2012.4.2
Blues My Naughty Sweetie Gives to Me [LK] 2012.3.3
But Not For Me [LK] 2010.8.11
Bye Bye Blackbird [LK] 2012.5.2

Call Me Darlin' [LK] 2012.4.2、[LK] 2012.12.25
Chicago (That Toddlin' Town) [LK] 2011.7.15
Chinatown My Chinatown [LK] 2010.9.29

Darn That Dream [LK]  2013.3.16
Days of Wine and Roses [LK] 2011.4.21
Doctor Jazz [LK] 2011.6.29
Don't Get Around Much Anymore [LK] 2011.6.8
Down by the Riverside [LK] 2010.7.6、[LK] 2012.4.12
Do You Know What It Means to Miss New Orleans [LK] 2012.7.5

Going to Chicago [LK] 2011.5.23、[LK] 2011.5.25

I'll Remember April [LK] 2013.10.15
I'm Gonna Sit Right Down and Write Myself a Letter [LK] 2012.2.17
In the Wee Small Hours of the Morning [LK] 2011.5.25
I Shot the Sheriff [LK] 2011.7.29
It's a Long Way to Tipperary [LK] 2012.4.22
It's Only a Paper Moon [LK] 2012.4.24、[LK]2012.4.27
It's Tight Like That [LK] 2012.3.8
I've Found a New Baby [LK] 2013.6.6
I Want a Little Girl [LK] 2011.5.15

Just Friends [LK] 2012.2.27

Les Feauilles Mortes [LK] 2011.9.19 [LK] 2011.9.21 [LK] 2011.9.25
Lonesome Road, The [LK] 2012.3.26
Lost Highway, The [LK] 2013.4.29
Love Me or Leave Me [LK] 2010.12.16、[LK] 2010.12.21

Mean to Me [LK] 2010.12.15
Menphis Blues [LK] 2011.4.7
My Foolish Heart [LK] 2012.10.29
My Funny Valentine [LK] 2011.2.13, [LK] 2011.2.18, [LK] 2011.2.23, [LK] 2011.2.26, [LK] 2012.2.27, [LK] 2022.3.3
My One And Only Love [LK] 2012.1.5

Nearness of You, The [LK] 2013.3.27
Night and Day [LK] 2013.4.23
Night Has a Southand Eyes, The  [LK] 2012.3.23
Nobody knows you when you down and out. [LK] 2010.5.8 [LK]  2012.1.31
No Moon at All [LK] 2011.6.21

Octpus Garden [LK] 2010.7.16
On a Rainbow [LK] 2012.4.18 (2012年ロンドンOly/Para曲)
On a Slow Boat to China [LK] 2010.9.29 [LK] 2012.3.28
On the Sunny Side of the Street [LK] 2013.8.26

Poor Butterfly
[LK] 2012.2.23

Sharp Dressed Man [LK] 2013.3.6
Singin' the Blues [LK] 2012..2.7
Someday Sweetheart [LK]  2012.4.30
Some of These Days [LK] 2012.7.30
Someday You'll be Sorry [LK] 2012.4.30
Something's Gotta Give [LK]  2012.1.17
Star Dust [LK] 2012.5.19
Sweet Lorrainie [LK] 2012.2.24

Tight Like This [LK] 2012.3.8


What a Wondweful World [LK] 2014.8.24
When It's Sleepy Time Down South
[LK] 2011.1.27

White Christmas (LK] 2014.12.18
Wrap Your Troubles in Dreams [LK] 2010.6.4
Wreck of the Old 97, The [LK]2014.1.17
World is Waiting for the Sunrise, The [LK] 2011.1.1

Yesterdays [LK] 2011.5.3
You Go to My Head [LK ] 2011.1.5、[LK] 2011.5.5
You'd be so Nice to Come Home to [LK] 2012.1.24、 [LK] 2012.12.7

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2013年3月11日 (月)

ジョン・サンドフォード(John Sandford)記事一覧表 ― Preyシリーズ(Lucas Davenport物)とVirgil Flowersシリーズ。

2013.3.11
 ジョン・サンドフォード(John Sandford)の刑事小説、「 Preyシリーズ」(Lucas Davenport/ルーカスダベンポート物)と「Virgil Flowersシリーズ」(バージル・フラワーズ物」。
 これまでに書いた記事の一覧表を作成し、相互参照ができるようにした。
 記事が増えるごとに一覧表に追加していく予定である。

◆◆◆◆◆◆◆◆
                                                       <<<一覧表>>>

■Preyシリーズ(主人公、Lucas Davenport/ルーカス・ダベンポート)
(1).2011.10.19
 マーシー・シェリル(Marcy Sherill)が死んだ。愕然、絶句! なんてことだ!ジョン・サンドフォード(John Sandford)の "Prey"シリーズ(邦題、「獲物」シリーズ、早川書房)最新版、第21作"Buried Prey"
(2)2011.10.20
 シェリル追想―その1。ジョン・サンドフォード(John Sandford)、「**Prey」シリーズ(邦題、「獲物シリーズ」、早川書房)。まずは、ミネアポリス警察署殺人課課長Marcy Sherill警部補を殺した最新作"Buried Prey"の紹介から始めよう。
(3)2011.10.21
 シェリル追想―その2(1)。ジョン・サンドフォード(John Sandford)、"Secret Prey"(「**Prey」シリーズ第9作。邦題は「獲物シリーズ」早川書房)。夜も昼もなく性に溺れた究極の40日その初日を書く。ルーカスに仕掛けるシェリル情慾に素直に生きる、大人の、かわいいシェリル。
(4)2011.10.22
 シェリル追想―その2(2)。ジョン・サンドフォード(John Sandford)、"Secret Prey"(「**Prey」シリーズ第9作。邦題は「獲物シリーズ」早川書房)。夜も昼もなく性に溺れた究極 の40日。その初日。ルーカスに仕掛けるシェリル、情慾に素直に生きる、大人の、かわいいシェリル(後篇)。
(5)2011.10.25
 シェリル追想―その2(3)。ジョン・サンドフォード(John Sandford)、"Secret Prey"(「**Prey」シリーズ第9作、邦題「獲物シリーズ」)。夜も昼もなく性に溺れた究極の40日。連続殺人事件の出張捜査にでかけるルーカスとシェリル。}
(6)2011.1027
 シェリル追想―その2(4)。ジョン・サンドフォード(John Sandford)、"Secret Prey"(「**Prey」シリーズ第9作、邦題「獲物シリーズ」)。夜も昼もなく官能の享楽にふけった究極の40日連続殺人事件の一泊出張捜査、レッドリバー峡谷(Red River Vally)での二人。シェリルにとって、一生忘れ得ぬ至福のときだったであろう。
(7)2011.10.28
 シェリル追想―その2(5)。夜も昼もなく官能の享楽にふけった究極の40日。連続殺人事件の一泊出張捜査、二人はレッドリバー峡谷(Red River Vally)から戻ってくる
(8)2011.10.30
 シェリル追想―その3。シェリルは振り向き、ルーカスを見て、「やあ」・・・・・・恥ずかしそうにいう。夜も昼もなく官能の享楽にふけった究極の40日。だが、二人は納得ずくで関係を絶ったのである。"**Prey"シリーズ第10作、Certain Prey。
(9)2011.10.31
 シェリル追想―その3(2)。そして、エレベーターの扉が開き、シェリルは見た。腹ばいになって、ピストルの狙いをぴったりとシェリルの胸につけているルーカスを
(10)2011.11.1
  第10作Certain Prey映画化
  ジョン・サンドフォード(John Sandford)の"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ)第10作"Certain Prey"、「USA Network社」が映画化し、この11月6日(U.S.時間)に封切される。予告編You Tubeが存在する。眺めてみよう。
(11)2011.11.3
  第10作Certain Prey映画化-2
  ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)とマーク・ハーモン(Mark Harmon) ― USA Network社製作"Certain Prey。ジョン・サンドフォー"**Prey"シリーズ第10作、"Certain Prey"の映画化作品。
(12)2011.11.9
  シェリル追想―その4。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(13)2011.11.15
 シェリル追想―その4(2)。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(14)2011.11.22
 シェリル追想―その4(3)。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(15)2011.11.23
 シェリル追想―その4(4)。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(16)2011.12.2
  シェリル追想―その4(5)。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(17)2011.12.5
  シェリル追想―その4(6)。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(18)2011.12.7
  シェリル追想―その4(7)。シェリル撃たれる。ジョン・サンドフォード、"*** Prey"シリーズ(邦題「獲物」シリーズ、早川書房)第11作、"Easy Prey"
(19)2013.6.10
  John Sandford(ジョン・サンドフォード)の"*Prey"シリーズ最新作(第22作)Stolen Preyを読んだ。落ち目のシリーズをなんとか支えたいとして、新興シリーズ主人公Virgil Flowersを引っ張ってきたが、策は不発で、かえって冗漫作品にしてしまった。


■Virgil Flowersシリーズ(主人公、Virgil Flowers/バージル・フラウワーズ)
(1)2013.1.31
  ジョン・サンドフォードのショック・ウェイブを読んだ(John Sandford's Shock Wave)。Virgil Flowers series(バージル・フラワーズ)シリーズ第5作だ。
(2)2013.2.2
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その1 ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series) 。
  (第5作"Shock Wave"から)
(3)2013.2.4
   バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その2 ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series) 。
  (第1作"Dark of the Moon"から)
(4)2013.2.6
バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その2(後編) ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series) 。
    (第1作"Dark of the Moon"から)
(5)2013.2.9
バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その3 ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series)。
     (第1作"Dark of the Moon"から)
(6)2013.2.12
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その4 ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series) 。
     (第1作"Dark of the Moon"から)
(7)2013.2.18
 バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その5 ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series) 。
     (第2作"Heat Lighting"から)
(8)2013.2.21
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その6 ― ジョン・サンドフォードのシリーズ小説主人公(John Sandford's Virgil Flowers series)。 併せて、「Virgil Flowersシリーズと"**Prey"シリーズとの関係」の考察を試みる。
     (第2作"Heat Lighting"から)
(9)2013.3.19
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その7。Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る。"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む(前編)。
       (第3作"Rough Country"から)
(10)2013.3.23
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その7-2。Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る。"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む(後編-1)。
   (第3作"Rough Country"から)
(11)2013.4.1
バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その7-3Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る。"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む(後編-2)。
    (第3作"Rough Country"から) 
(12)2013.4.3
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その7-4。三回もチャンスを潰したが、「またという日がないじゃなし」、4回目がやってきた、今日は絶対やれる。事件も解決したし、ルンルンで臨む(後編3)。
    (第3作"Rough Country"から)
(13)2013.4.18
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その8 ― バージルは、抑制から解放されて堰を切ったように奔放に振舞う保安官の、顔の――そして、胸の、尻の、両股の圧迫のなかで、窒息から逃れ、生き延びようと必死にもがいた。
       (第4作"Bad Blood"から)
(14)2013.4.25
  バージル・フラワーズ(Virgil Flowers)言行録、その8 (続編)― ①Jesus, Lee, Get your head out of your ass. ②If I pick out a man, that's pretty much it. ③Cool. Interesting. It's kind of like a little landing strip.
       (第4作"Bad Blood"から)
(15)2013.12.11
  ジョン・サンドフォードのマッド・リバーを読んだ
(John Sandford's Mad River)。Virgil Flowers series(バージル・フラワーズ)シリーズ第6作だ。

(16)2015.11.5
 ジョン・サンドフォードの「バージル・フラワーズ・シリーズ」、第7作、Storm Front(ストーム・フロント)を読んだ (John Sandford's "Virgil Flowers" Series, the seventh novel)

■両シリーズ共通
(1)2013.3.4
    「Prey vs Viegil Flowers」両シリーズ作品一覧表と相関関係John Sandford(ジョン・サンドフォード)のPreyシリーズとVirgil Flowersシリーズ、各作品の時系列的相互位置関係を探る。

■間接的に関連する記事

(1)2010.9.9
  ダベンポート・ブルース。ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)、ビックス・バイダ―ベック(Bix Beiderbecke)、そしてダベンポート・ブルース(Davenport Blues)。
(2)2010.10.28
  ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)の名がない。「小説に現れる有名な刑事」として50人も名前を挙げているのに、この男の名がないぞ。え、どうだい、おかしくないか、おまいら、ファンよ。
(3)2010.11.1
「オレなら、9インチのブラットブルストをぶち込んでやるんだが」――マークスは大口を叩くが、実際には女房忠誠一筋の男だ。
(4)2013.3.5
 ポルカドッツ・アンド・ムーンビームズ。"a nose, a bit too big and a little crooked"、 "a pug-nosed dream"、故あって "Polka Dots and Moonbeams"(ポルカドッツ・アンド・ムーンビームズ)、歌詞と日本語訳。
(5)2013.3.6
  「ロック時代トップ100曲」(Best Songs of the Rock Era)第1位、"ZZ Top"の"Sharp Dressed Man"、初めて聴いた。悪くない。ついでだから、歌詞と日本語訳を掲げておく。
(6)2013.3.27
  Come Away With Me、One Flight Down、The Nearness of You・・・二人は踊る、"Oh, God, Virgil"、女が呻きバージルの耳を噛む。うーん、なあ・・・そこで、The Nearness of Youの 歌詞と日本語訳を掲げる。





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2013年3月 6日 (水)

♪「ロック時代トップ100曲」(Best Songs of the Rock Era)第1位、"ZZ Top"の"Sharp Dressed Man"、初めて聴いた。この分野は素人だが、これ、なかなかいいね。ついでだから、歌詞と日本語訳を掲げておく。

                           <<<[関連記事一覧表](相互リンク機能を付しているので適宜参照されたい)>>>
                       ♪参考資料[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]
2013.3.6
 "ZZ Top"とかいうグループの"Sharp Dressed Man"という曲、ジョン・サンドフォード(John Sandford)はこれを"LUCAS DAVENPORT'S Best Songs of the Rock Era"(ロック時代トップ100曲)の第1位に、というか、リストの第一番目に挙げている。まあ、掲げている順番には特別な意味はないと断ってはいるのだ が、まあ、これがベスト、NO.1だと考えていることには間違いない。
   "LUCAS DAVENPORT'S"、「ルーカス・ダベンポートの」とは、サンドフォードの"**Prey"シリーズという人気刑事小説シリーズの主人公、Lucas Davenportが選んだという意味である。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 John Sandfordとは、アメリカ合衆国の刑事/探偵物小説の人気作家である。特に、ミネソタ州を中心に展開する"**Prey "シリーズ("Prey"は「獲物」、「餌食」といった意味)、は超ロングラン・シリーズ作品として知られる。

 この作家名は、1986年度のフィーチャー記事分野ピューリッツァー賞(Pulitzer Prize for Feature Writing)を受賞したJohn (Roswell) Campの別名である。賞は、「大恐慌」以来の農業経営危機に直面した家族の暮らしぶりを描いた5編シリーズ記事に与えられたとされる(セントポールの"Pioneer Press and Dispatch"という新聞にフィーチャー記事記者として執筆)。

*「フィーチャー記事」(フィーチャー著作、feature writing)とは、雑誌の表紙に刷られている目玉記事大見出しや新聞の一面に大見出しが載っている記事のことである。ただし、純粋のいわゆる「ニュース」記事ではなく、ニュース性はもちろんあってもいいのだが、報じる題材について、文化、教養、
人物描分析などの面で執筆者のうんちくを傾けて豊かな内容を盛り込んだ記事のことであり、峻別されるフィーチャー記者とは、そういう記事を書く記者のことをいう。コラム、コラムニストと似ているが、異なる存在であるという。どこが異なるのかということについては、長くなるので触れない。
------------------------
1986:
John Camp, St. Paul Pioneer Press and Dispatch, "for his five-part series examining the life of an American farm family faced with the worst U.S. agricultural crisis since the Depression." (Wikipedia)
----------------------------
Photo                                          ( Preyシリーズ)
          1.Rules of Prey(1989)、2.Shadow Prey(1990)、3.Eyes of Prey(1991)、4.Silent Prey(1992) 5.Winter Prey(1993)、6.Night Prey(1994)、
             7.Mind Prey(1995)、8.Sudden Prey(1996)、9.Secret Prey(1998)、10.Certain Prey(1999)、11.Easy Prey(2000)、12.Chosen Prey(2001)、
             13. Mortal Prey(2002)、14. Naked Prey(2003)、15. Hidden Prey(2004)、16. Broken Prey(2005)、17. Invisible Prey(2007)、18. Phantom Prey(2008)、
             19.Wicked Prey (2009)、20.Storm Prey(2010)、21. Buried Prey(2011)

  さて、この男は、サンドフォードは、そのPreyシリーズ第16作"Broken Prey"(2005)において、「ロック」周辺の曲の「トップ100選」みたいなリストを作成した。
             <<< LUCAS DAVENPORT'S "Best Songs of the Rock Era" >>>

  その第一番目、番号「1」は、ZZ TopSharp Dressed Manだ。
 トップに挙げているものだからね、興味が湧く。グループ名も曲名も、これまで聞いたことはない。「知らないのはアンタだけ」みたいなことなんだろうけど、とにかく、音楽嫌いじゃないしね、どんなものか聴いてみた。
                (ZZ Topとは→Wikipedia、Sharp Dressed Man→Wikipedia)
 「ウーン、なあ、悪くない、だけど、多分に歌詞のおもしろさで売っているようなところもあるな」。こう感じた。そこで、内容を吟味してみた。
 参考までに、歌詞と日本語訳を掲げておこう。

No2                                                         (  シリーズ第16作"Broken Prey")

************************************************
         Sharp Dressed Man
                                  
By, Billy Gibbons, Dusty Hill, Frank Beard.
Clean shirt, new shoes
And I don't know where I am goin' to.
Silk suit, black tie,
I don't need a reason why.
They come runnin' just as fast as they can
Coz' every girl's crazy 'bout a sharp dressed man.

Gold watch, diamond ring,
I ain' missin' not a single thing.
And cufflinks, stick pin,
When I step out I'm gonna do you in.
They come runnin' just as fast as they can
Coz' every girl's crazy 'bout a sharp dressed man.

Top coat, top hat,
I don't worry coz my wallet's fat.
Black shades, white gloves,
Lookin' sharp and lookin' for love.
They come runnin' just as fast as they can
Coz' every girl's crazy 'bout a sharp dressed man.


              ビシッと決めるぜ
 清潔シャツに、おニューの靴だ、
どこにいくのかって、そりゃ、まだだ。
 絹のスーツに黒ネクタイ、
理由なんか必要ない。
 やつら、飛びつくようにやってくる。
ピシッと決まった男が大好きだからな、あいつら、女は。

 純金時計にダイアモンド指輪だ、
見落としなんか絶対ネーヨ、
 ほら、カフスボタンに、スティック・ピンだ。
めかしこんで出かけりゃ、女の子はみんなイチコロよ。
 やつら、飛びつくようにやってくる。
ピシッと決まった男が大好きだからな、あいつら、女は。

 トップコートにトップハットだ、
まかせとけ、へっちゃらよ、
 金は唸るほどある。
黒サングラスに、白の手袋、
 ビシッと決めてな、恋を探す、てか、恋が寄ってくる。
 やつら、飛びつくようにやってくる。
ピシッと決まった男が大好きだからな、あいつら、女は。


   *歌詞(英文)はネットのあちこちに載っているものから引っ張ってきた。無断転載だが、まあ許してもらおう。
    日本訳は独自訳だ。
*********************************************

Photo_4                                                           (スティック・ピン。ココから)  (トップコート→画像、トップハット→画像)
Photo                                               (女はみんなイチコロだぜ。画像はココから)

[英語表現]
When I step out I'm gonna do you in.
(1)  "do you in"----->  "to do someone in" = to kill someone
(2) "step out" = (話)パーティ、デートなどに出かける。(小学館「プログレッシブ英和中辞典」)

  だから、When I step out I'm gonna do you in.の意味は次のようなことだ。
   「めかしこんで出掛けりゃ、女の子はみんなイチコロよ
                                                                                             (このWebページを参考にした)

ZZ Top - Sharp Dressed Man (Live In Texas)
    (グループはテキサス州出身だという。曲は1983リリース)


                               2008年5月アップロード、 12,776,577
 ウァーッツ、驚いたね、え、1,200万人もの人が見ている。桁が違うね。

              <<<トップ100選、順位の基準>>>
------------------------------
In no particular order, except that, as any intelligent person knows, any decent road trip will start with ZZ Top.
 掲げた順番には、特に意味はない。しかし、頭のある人物ならだれでも分かるように、きちんとしたリストであるためには、ZZ Topから始めなければなるまい。

       John  Sandford's "Broken Prey"、  Berkley International版ペイパーバックI、SBN 0-425-21157-6の巻末 LUCAS DAVENPORT'S "Best Songs of the Rock Era"というリスト表題に続く添え書きから。
------------------------------
サンドフォードはこう書いている。なるほど!!

 番付表に興味のある人は、上記ページを見て・・・・・・、といってもそこいらの本屋には在庫はなく、 amazonで買うしかないだろうから・・・・・・、ハハ、ちがう。
 ネットって便利だよね、ちゃんと、あるんだよね、例えばこういうのとか。

頭部分だけ写真で掲げておこうか。
10019                       (上掲書巻末4ページにわたって掲げてある表の第1ページ)

Zztop2
Zztop3_2
Zztop4                                        (画像は上に掲げたテキサス・ライブTubeからの取り込み)

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2013年3月 5日 (火)

♪"a nose, a bit too big and a little crooked"、 "a pug-nosed dream"、故あって "Polka Dots and Moonbeams"(ポルカドッツ・アンド・ムーンビームズ)、歌詞と日本語訳。

 
2013.3.5
  ――小柄だ。だけど、運動選手タイプだ。肩幅が広い。鼻はちょっと太すぎで、少し湾曲、左に曲がっている。頬骨が高い。瞳の色は濃いブルーだ。口は広くてよく動く。「歯に衣着せぬ」タイプか、ルーカスは思う。スラブ系によくみられるような、かすかに東洋系がかったところがある。美人ではないが、強烈に魅力的だ――

  She was small, but athletic with wide shoulders,
 a nose that was a bit too big and a little crooked, bent to the left. She had high cheekbones and dark-blue eyes, a mouth that was wide and mobile. She had just a bit of the brawler about her, Lucas thought, with the vaguely Oriental cast that Slavs often carry. She was not pretty, but she was strikingly attractive.

  ("Winter Prey" by John Sandford; Berkly Novel, ISBN 978-0-425-14123-6、37ページ)
------------------------------------------------------------------

 ルーカス・ダベンポート(Lucas Davenport)のカアチャンだ。
 ウェザー・カーキンネン(Weather Karkinnen)、皮膚移植などを専門にする有能かつ著名な外科医である。
 ルーカスが至近距離から0.22口径ピストルで喉を撃たれて倒れ、9割がた死にかけたとき、物みな凍りつく厳寒の雪氷野原において、とっさに傍にいた警官からひったくったスイス・アーミー・ナイフのごっつい刃で喉を切り開き、命を救った豪肝女傑医師だ。
 名が示すとおり、フィンランド系である。
   二人が初めて出会ったときのことだ。

 ルーカスとは、ジョン・サンドフォード(John Sandford)の長期人気刑事小説シリーズ"**Prey"(Preyは「獲物」とか「餌食」といった意味)の主人公だ。ナイフ手術場面は第5作"Winter Prey"(1993)でのもの。同棲、婚約、結婚寸前まで至りながら別れ(ウェディング・ドレスをクローゼットに置き去り)、数年を経るなど紆余曲折を経たうえで、第12作"Chosen Prey"(2001)において縁りを戻し、また変なことになりやしないかと内心ひやひやしている男に「子どもを作りましょう」」と女が述べるなどして関係を確定させ、結婚する。
  "So why don't we get pregnant?"
    Lucas nearly choked on an olive. "What?"

      (舞台はカフェ、オリーブとは飲み物に入っているそれだ)

 
   [→関連記事一覧] ジョン・サンドフォード(John Sandford)記事一覧表 ― Preyシリーズ(Lucas Davenport物)とVirgil Flowersシリーズ。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 さて、このルーカスのカアチャン、ウェザー・カーネキンの容貌から、「鼻」から、ある曲を連想した。Polka Dots and Moonbeams、ジャズ・スタンダード曲である。
 すなわち、その曲の歌詞に、a(the) pug-nozed dream/獅子鼻(団子っぱな)の可愛い子ちゃんという表現が存在するからである。                              
 このところPreyシリーズに関係する記事を書いてきているんだが、連想はその関係で起きた。

a bit too big and a little crooked, bent to the left. ---->pug-nosed dream  
鼻はちょっと太すぎで、少し湾曲、左に曲がっている--->獅子鼻の可愛い子ちゃん 

Photo                                            (pug-nosed、ココから)


 歌詞の日本語訳を試みたので掲げておく。
                                                                 ♪参考資料[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]

 ポルカドッツ・アンド・ムーンビームズ
    ----------------------------------------------------------------------
             Polka Dots and Moonbeams
                     (w) Johnny Burke (m)Jimmy Van Heusen, 1940

(Verse)
Would you care to hear the strangest story at least it may be strange to you? If you saw it in a moving picture, you would say it wouldn't be true.


(Chorus)
A country dance was being held in a garden,
I felt a bump and heard an "Oh, beg your pardon."
Suddenly I saw polka dots and moonbeams
All around a pug-nosed dream.

The music started and was I the perplexed one,
I held my breath and said "May I have the next one?"
In my frightened arms polka dots and moonbeams
Sparkled on a pug-nosed dream.

There were questions in the eyes of other dancers
As we floated over the floor.
There were questions but my heart knew all the answers,
And perhaps a few things more.
 

Now in a cottage built of lilacs and laughter,
I know the meaning of the words "ever after."
And I'll always see polka dots and moonbeams
When I kiss the pug-nosed dream.
 

            ポルカドッツ・アンド・ムーンビームズ
(バース)
  信じられないような話、聞きたいかい、少なくとも、君にとっては信じ難い話だが。
映画の物語なら、君はおそらく、「そんなこた、あるわけない」っていうだろうな。

(コーラス)
 庭で、野外ダンス会をやっていたんだ。
誰かと腰がぶつかって、「あ、ごめんなさい」という声がした。
 ああ、どうだね、見たんだよ、そこに、ピカピカと戦慄が走って。
ちょっとパグに似た顔の女の子を、全身、水玉模様に包まれた子を、
理想タイプだ、夢だ。

 音楽が始まって、オレは、頭が混乱して、訳が分からないままに、とっさに、
ドキドキ、息を止めて、言っていた。
 「ア、ツギノキョク、オネガイシマ、ア、デキマスデショウカ」。
 そして、おずおずとパグ鼻夢彼女を抱く身に、また、ピカピカと戦慄が走った。

 そう、みんな眺めていたよ、俺たちのことを、怪訝そうな顔で、
二人が、フロアを隅から隅まで浮きたつように踊り動くのをね。
 うん、確かに疑問だったろう、だけど、オレの心は理由を悟っていた、100パーセント。
おそらく、それだけでなく、他にもいくつか要素が、相手もオレのことを、それに・・・。

 まあ、そんなことだったんだが、
ライラックが満開で笑いに包まれたつましい(
倹しい)住宅で、
 二人は幸せに暮らしている。いつまでも幸せに暮らす。
 この先も、ピカピカっと戦慄が走るだろうね。
 あのパグ鼻の理想っ子、そうカアチャンにキスするたびに、必ず。


  ----------------------------------------------------------------------
[翻訳工房]
 三点ついて検討する。相互に関係する要素だ。
1."polka dots and moonbeams"
 「水玉模様と月光」とは何か。まず、何はともあれ、これだ。
2."strangest story"
 なぜ、「奇妙な」話なのか。冒頭、バース(導入部)からいきなりこう述べているんだが、ということは重要な要素として掲げているということなのだろうが、なぜ不思議なのか。
3."questions"
 そして、これ。「疑問に思ったって」、――周りの人たちは怪訝そうな顔で眺めてたっていうんだが――、なぜ怪訝なのか。「2」と関係がありそうだが、どういうストーリィなのか。

 順に見ていこう。
「1」 -水玉模様と月光
 結論から先にいう、二重の意味を持たせたことばだとみる。
  (イ)ドレスの模様としての「水玉模様と月光(線条)」、ないし、それを着ている人物。
  (ロ)「ピカピカ」みたいな戦慄、衝撃。
    「一瞬頭がくらくら、まっ白になった」というあれだ。
         -----?\x?*%?+!!!----
       こうなったわけだ。「ピカピカ」、まっちろ、打たれたんだよね、可愛さに、一目惚れ、ポッとなったわけだ。
 この二つの意味をもたせているのではないか。

  "polkadot(s)"とは水玉模様のことだ。"moon beam(s)"とは、月の光。しかし、ここでは、洋服デザイン模様としての線条、筋(すじ)のことだね、おそらく。つまり、布地に水玉模様が散らばっているんだが、その背景として、あるいは対(つい)の模様として光のスジをあしらっている。こういうドレスを着ていたんだ。バグちゃんは。
 まあ、庭でのcountry danceというから、「水玉模様ドレスに月の光が映えて、走って」みたいなこともあるだろうから、そういうことを描写しているとも考えられるが、つまり、「水玉模様のドレスを着ているバグ鼻ちゃんに、月の光がさっと射してという情景を描いているとも考えられるが、ここでは水玉プラス光線条デザインだとしよう。
   (なお、"country dance"とは、一般的には、英国起源の「地方踊り」、フォークダンス、輪になったり二列になったりして踊るダンスのことを指すんだが、ここでは、いわゆる「社交ダンス」のもののようだから、「野外ダンス会」としている)
 ということで、次のようになる。

   Suddenly I saw polka dots and moonbeams
   All around
a pug-nosed dream.

   (イ)水玉模様と月光をあしらったドレスを着たパグ鼻の可愛い子ちゃんがいた。
   (ロ)そこに、パグ鼻のかわい子ちゃんがいて、オレの身にピカピカっと戦慄が走った。
   And I'll always see polka dots and moonbeams
   When I kiss
the pug-nosed dream.
 
   (イ)この先も、パグ鼻ちゃん、妻にキスするたびに、必ず水玉月光ドレス姿を思い浮かべて
     いくことだろう。
   (ロ)この先も、パグ鼻ちゃん、妻にキスするたびに、必ずピカピカっと戦慄が走るであろう。
   
  当ブログ主としては、この「ロ」で解釈したい。しかし、その場合には、バグ鼻ちゃんがどんな服装をしていたのかということには言及していないことになる。
 だから、まあ、それでもいいんだけど、まあ、中を取って、二重の意味を持たせているのだと逃げておこう。

「注」
 茶色で表わした"a"と"the"だが、"a"は、そこに「パグに似た可愛い子、パグ鼻ちゃん」がいたという意味で不定冠詞、"the"は、「あのときのパグに似た可愛い子、パグ鼻ちゃん、現在はオレのカアチャンになっているあのパグ鼻ちゃん」ということで定冠詞になっているわけである。
この点で、次の処理は解せない。二度目に現れ、「誰を指しているか」ということは確定しているわけだから、"the"とすべきではないのか。 
 In my frightened-----Sparkled on a pug-nosed dream.


「2」 - 何が不思議か
(イ)この男女間に、身分的、階級的、人種的、身体的な隔たりがある。
 王族対庶民、億万長者対「庶民」、あるいは、いわゆる「黒人対白人」みたいな、人種が異なることからくるタブーめいた隔たり、アマゾネス対小男、その逆、巨人男対小女といった隔たりがある。そういう「障壁」を乗り越えて結ばれた。こういうことか。

  *「オレの腕の中で」云々とあるから大女対小男の構図は考えにくいけどね、大木に♂セミが抱きついているようなことだから。巨人男対小女の構図はありうるが。
 同じく、「その後、二人は幸せに暮らしましたとさ、メデタシメデタシ」("ever after")で、つつましい住宅で幸せに暮らしているというから、王族対庶民、億万長者対「庶民」という線も、やや薄くなる。つまり、「玉の輿」ではだめで「庶民に降りてくる」じゃなければならないから。"cottage"には一階建ての小さな住宅、山小屋、別荘という意味があるから、必ずしも倹しい住宅を意味するものではないが、「ライラックの花と笑いで造られた」ものだというから、質素めいた風情のもの、いわば「埴生の宿」のような世界のものと解釈するのが普通であろう。


(ロ)出会ったばっかりで一挙に燃え上がってウェディングまでいった。それが不思議。あるいは、「ドン、とぶつかったことがきっかけで、ピカピカときて、「スキスキ、ワタシモワタシモ」となり、一直線にゴールまで走った、不思議だよねえ、人間って、男女の仲って。
 こういうことか。しかし、そんなこた、よくあることで、別に"strange"でもなんでもない、ましてや、"strangest"においてをや。
 だが、しかし、おそらくこの歌詞は、そこらへんのことを表わしているんだろうね。「軽い」乗りの詩、曲なんだ。
  野外ダンスで、腰がぶつかって、振り向いたらパグ鼻の可愛い子ちゃん、理想タイプ、夢のような子がいて、ピカピカ、クラクラと身に戦慄が走り、一目で惚れて、結ばれて、一直線に結婚。
 まあ、これを、不思議だ、ものすごく不思議、映画の物語なら信じられないような世界だとして、「ねえ、聞いて聞いて」と語っているだけのことなんだ。軽いんだよな。

「3」 - クエッション
 俺たち二人がフアフアと浮くようにフロア中を端から端まで、隅から隅まで踊りまくるのを目にして、周りで踊っている人々は怪訝そうな顔をしたというんだが。
(イ)見ろよオイ、xx王女とあれ、どこそこの誰々だけど、踊ってるぜ、なんか、雰囲気、お安くないな。
(ロ)あの二人、さっき出会ったばっかりのようだけど、あんなアツアツになっちゃって、どうしちゃったんだい。

 上の「2」で述べたことからして、この「ロ」なんだろうね。
---------------------

 以上、あれこれとネット記事を見て(ココココ、ほか)、なるほどなあ、そんなこともあるのかと気付いたことを交えて述べてみた。
 まあ、肩の張らない歌だから好みに解釈して楽しく唄おうや。
 ブロードウェイ劇とか映画とかのために作曲されたものではないというし。

ビーム「ス」- beams ― 発音
 日本語ネット記事、もう、軒並み、「ビーム『ス』」、ビーム『ス』」というから、もう、気持ち悪いってか、なんてか、とにかく「引ける」ね。
 ビーム「ズ」じゃないのかい。
 ネットのどこかだかに「ネイティブ」による発音だとして音を聴かせてくれるところがあった。一人は、男だが、「ズ」と聞こえる。もう一人は、こちらは女性だが、「ス」だね。しかし、「ネイティブ」ってね、どんな人物なんだか、一定の教養のある者なのかどうか、なんか怪しげな感もある。
 とにかく、英語をカタカナで表記する場合は、「文法に忠実に」表してもらいたいね。現実の社会では、必ずしも全員が文法どおりに書いたりしゃべったりしているわけではないけどね。そのことは知っているけどね。
 つまり、「ビーム」と発音する人がいるかもしれないが、表記は「ビーム」でなければならない。

 ただし、「『文法上』はこれを『』と発音するのだ」ということが正しければの話だけどね。
 もし違っていたらアホだね、オレって、ウデウデいって。
まあ、シナトラエラを聴くと二人とも「ズ」だね。下にTubeを掲げておく。

■Frank Sinatra & Tommy Dorsey - Polka dots and moonbeams
    (フランク・シナトラ/トミー・ドーシー楽団)


■Polka Dots and Moonbeams - Ella Fitzgerald

  ちょっと重いね。軽薄モノ、遊び心モノの観点からすればね。 "May I have the next one?"のところなんか、コミック味を付しているんだけどね。まあ、映像のせいもあるのかな。

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2013年3月 4日 (月)

John Sandford(ジョン・サンドフォード)のPreyシリーズとVirgil Flowersシリーズ、各作品の時系列的相互位置関係を探る。

                          <<<[関連記事一覧表](相互リンク機能を付しているので適宜参照されたい)>>>
3013.3.4
  平行して走るVirgil Flowersシリーズ"**Prey"シリーズ。両シリーズの各作品で描かれている物語はいつの時代のものか。相互の時系列的位置関係を探る。
 実は、前回の記事(2013.2.21)でこのことについて書いたのだが、それを「バージル・フラワーズ言行録」関連の記述と一緒に埋め込んだために、全体が重くなりすぎて、ゴチャゴチャ読みにくいものとなってしまった。
 そこで、その部分を切り離して、改めて独立記事として掲げることにする。

◆◆◆◆◆◆◆◆
一、先行"**Prey"シリーズと後発Virgil Flowersシリーズ
 ジョン・サンドフォードの世界、人気"**Prey"シリーズ(以下、"**Prey"を単に"Prey"とする)が長きにわたって走りつづけるなか、2007年に"Virgil Flowers"シリーズというものが誕生した。読んでみると、物語のうえで先行Preyシリーズと密接な関係を持つものであることがわかった。
 すなわち、バージル・フラワーズは、Preyシリーズの主人公ルーカス・ダベン ポート(Lucas Davenport)の部下である。 
  あれ、あれっ、と思っているうちに3冊4冊と刊を重ねてきた。どうなるのか、主役交代みたいなことで後発シリーズに収斂(しゅうれん)させるのかとみていると、先発、本家Preyシリーズも刊を重ねながら平行的に走り続けている。

 同じ部署で働く二人なのに、上司と部下なのに、なぜ別々のシリーズにするのか、別シリーズとして、しかも平行して走らせるのか。
  同じ部署に所属する二人の刑事の活動を別々のシリーズとして展開している理由はなにか。
 こんなことを考えるなかで、両シリーズの物語がそれぞれ時系列的にどのような位置関係に立つのかということを探りたくなった。

二、Preyシリーズ]
 まずは、Preyシリーズの「時代関係」を見てみよう。
                                   Prey Series(Lucas Davenport)
Photo_2                    右端欄、MPD=ミネアポリス市警察、PC=民間人、 BCA=ミネソタ州特別犯罪捜査局。
                        VF=Virgil Flowers( 物語にバージルが登場していることを示す)      
           表は暫定的なものであり、過去作品の読み返し調査が進むに連れ
、修正していく
                
 物語の時代を割り出した根拠など、表についての注記のようなことを述べる。
1.時代確定を可能にした第21作Buried Prey
 実は、これまで主人公の年齢推移みたいなことはあちこちで書いているのだが、物語が実社会のどの時代のものかということを確定させる客観的データは、当ブログ主の知るかぎり、まったく存在しなかった。つまり時代確定は不可能だったのである。
 それが、以下にみるように、第21作Buried Preyで可能になった。

2.第一段階として、Eyes of Preyの時代が確定する。
 
まず、時代を探る作業の第一段階として、第3作Eyes of Preyの時代が確定することになる。物語の時代は2002年、そう割り出した根拠は次のとおり。
(イ)ルーカスがミネアポリス市警の警察官になった年度が判明する。
 第21作Buried Preyで、次のように記されている。
 季節は8月初旬、場面はとり壊し中の住宅の地下室から、コンクリート床の下から(宅地区画整備工事)、プラスチック製梱包に包まれた少女の死体2体が発見されたところである。  
 ルーカスはその現場に来ている。ミネアポリス市警察殺人課課長のマーシー・シェリル(Marcy Sherrill)と話をしている(第9作で「愛慾と口論の40日」を過ごした相手だ)。死体は二十数年を経た古いもので、ルーカスが20代半ば過ぎのときに関与した10代前半少女姉妹二人失踪事件の当事者だ。
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"Man, it seems like it was a month ago. That was the year of Madonna. Everybody listening to Madonna. And Prince was huge. Soul Asylum was coming up. I used to go to the Soul Asylum concerts every time they played Seventh Street Entry. And we'd ride around at night, look at the crack whores, listen to 'Like a Virgin' and 'Crazy for You' and 'Little Red Corvette.'   
  「おい、一月前のことのように思い出すなあ。マドンナの年だった。誰もがマドンナを聴いていた。プリンスはもう大物だった。ソウル・アサイラムが人気を博してきていた。連中がSeventh Street Entryで演奏するときは、毎回コンサートに行ったもんだ。俺たちゃ車で夜間パトロールをやって、ヤク売り売春婦を見張り、'Like a Virgin'(ライク・ア・バージン)、'Crazy for You'(クレイジー・フォア・ユー)、 'Little Red Corvette(リトル・レッド・コルベット)を聴いた。

                                                (Putnum社ペイパーバック、ISBN 978-0-399-15762-2、9ページ)
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Photo_3                               Madonna、Soul Asylum、Prince(画像はそれぞれWikipediaから)
Photo_4          Soul Asylumのコンサートに行ったという  Seventh Street Entry著名な店のようだ(画像はココから)

 さて、この記述から以下のことが推論できる。
 すなち、(a)マドンナのデビューは1982年である。(b)ソール・アサイラムは翌1983年にデビューした。(c)マドンナのLike a Virginは1984年11月に出た曲である、(d)同じくCrazy for Youは1985年3月リリース、(e) プリンスLittle Red Corvetteは1983年リリースの曲である(MadonnaもSoul Asylumもミシガン州出身。後者はミネアポリスで結成されたロックバンド)。
 以上、(a)(b)(c)(d)(e)から、この時点は1985年だとみて、ほぼ間違いない。 
 (上記のPutman社ペイパーバック裏表紙の短評も1985年だとしている。おそらく、同じように推論したのであろう。下にほぼ全文を掲げてある)

 同じく、それは「警官になって3年経過した時点」であるということが書いてある(ポリスアカデミーを終えて3週間パトロール、6ヶ月麻薬取締課勤務後、パトロールに戻った)。3年を過ぎて、刑事になれなければ辞めようかと考えていたときにこの事件が起き、捜査を指揮している警部補(Quentin Daniel)から、それはいずれは署長と目されているやり手の男だが(麻薬課に勤務していた時のボス、その後実際に署長になり長く務めた)、臨時に私服刑事として捜査に協力するように命じられたのである。
 したがって警官になった年度1985-3=1982年ということになる(ポリスアカデミー、警察学校で見習い警官として教育訓練を受け始めた時点を起算時とするそれが何月のことだったかは分からないが、まあ、大学卒業時に進路決定をしてのことだというから、9月か10月ということにしておこう)。

 関連していうと、アカデミーに入ったときの年齢は、大学を5年やったから、便宜上すべて中をとって、誕生日を6月中旬、ポリスアカデミー入学を10月中旬だと仮定すると、23歳4ヶ月ということになる(進学コース制度の異同など諸要素によって異なろうが、あくまで一般的な姿として)。
 5年間在籍したの は、1年留年してアイスホッケー選手生活を続けたためである。すなわち、一年生のときは、もっぱら体重を増やし筋力をつけることに費やし、二年生のときから 4年間花形選手として活躍したのである。 

(ロ)第3作Eyes of Preyの年度
 さて、長くなったが、年代を割り出す要素の第2として、第3作Eyes of Preyでルーカスが「20年勤務後に退職する」ということがある。
 (ルー カスは警部補。署長は上記のQuentin Daniel。これが重大殺人事件の犯罪実行現場にたまたま居合わせ犯人を目撃した、というか、殺された女と情事の最中で犯行時にはたまたま二階でシャワー を浴びており腰にタオルを巻いて階段を降りてきて、犯行終了後の犯人と鉢合わせしたのだが、それを隠し続け、そのことを察知したルーカスを辞めさせるように画策した)。

 そこで、第3作の物語年度は、勤続20年時点、1982+20=2002年ということになる。辞めた季節は雪片が漂っているような("vagrant snowflake drifted past, then another")」ときだから、まあ、10月下旬ぐらいだと想定して(雪が降る期間は10月-3月ぐらいであろうが)、勤続20年ジャスト、年齢は23歳4ヶ月+20年=43歳4ヶ月ということにしよう。

3.年齢に関する記述からの割り出し
 例1、第4作Silent Preyの時代

 ルーカスの年齢に関する記述から一連の作品の年代を割り出すことができる。すなわち、第4作Silent Preyでは、季節は春のようだが、「45歳が近づきつつある(44-45歳の間)」と書いている。
  *..... forty-five coming up. Fifty still below horizon, but you could see the shadow of it ...."
 
*
" Forty-four, coming onto forty-five."
                        (Berklleyペイパーバック ISBN 0425-13756-2、44ページ)
 自宅屋根作業の途中で、ふき替え終えた「こけら板」の熱で暖かく、そよ風にくすぐられながら気持ちよく仰向けに横たわっているところに、ニューヨーク市警の 女性刑事が訪ねてくる。あるいは、ウイスコンシン州の山小屋からポルシェを駆って帰る途中、暖かい日だ"the day was warm")とある、さらには、ニューヨークで(NYPD、ニューヨーク市警の臨時嘱託刑事として活動するのだが)市警の連中とヨット遊びに興じる場面がある。だから、おそら4月-5月初旬ぐらいであろう。そうみると、年齢は44歳10ヶ月であり、年度は2003年、前作の翌年だ。
 
 例2、第21作Buried Preyの時代

   ここでは、「50歳を目前」とある。
   *....with Weather edging into her forties, Lucas looking at fifty.
                        (上記PutnumM社ペイパーバック、185ページ)。
  時期は7月だ(..the July sun burning down)。ということは、2007年の7月、年齢49歳1ヶ月ということになる("looking at"はどんな意味合いなのだろうか、「目前」だとすると49歳5ヶ月以上が望ましいんだが仕方がない。誕生日を6月に設定しないと、他の作品との関係で事がぐちゃぐちゃになる。

4.刊行年と物語年の関係がおかしくなっているが、仕方がない。

 巻数の多いシリーズ物の各作品の時代を現実の世界に埋め込むのは、当初から計画して事に臨む場合でないと、不可能とまではいわなくても、矛盾点が多く生じることが避けられない。つまり、当初二、三冊のつもりが予期せぬロングランとなったような場合、いわば「必然」みたいなかたちで現実の時代推移との齟齬が生じる。
 
三Virgil Flowersシリーズ
 このシリーズの物語年度については、調査が及んでないのでしばらく保留にしておく。年代を割り出せる要素がすでにいくつか見つかっているのだが、まだ読み返しが終わっていない。 バージルの年齢は、第2作Heat Lightningで30代半ば(mid-thirties)である。
                                         Virgil Flowers Series
Photo_3           
四、両シリーズの関係
                Prey Series(Lucas Davenport) vs Virgil Flowers Series  Photo_6                   (表は暫定的なものであり、過去作品の読み返し調査が進むに連れ、修正していく)
                               
[表の説明]
 先に掲げたPreyシリーズの表にVirgil Flowersシリーズ(左側)をくっつけたもの。右端欄に"VF"とあるのは、Virgil Flowersの省略で、その物語にバージルが登場していることを表わす。つまり、バージルは第17作Invisible Preyで初登場している(同時に、その刊行年度からVirgil Flowers Seriesが平行的に走りはじめた)。
 ルーカスもバージルもBCA犯罪捜査官だが、ルーカスは第14作Naked Preyからここに移っている。

 それまでの身分をついでに記しておくと、第1-3作まではミネアポリス市警察で一匹狼的に犯罪捜査に従事する警部補。第3作で事件終了後に退職する。
 第4作(Silent Prey)ではニューヨーク市警察の嘱託刑事として、第5作(Winter Prey)ではニューヨークから戻ってウイスコンシン州山荘に行き、そこで年越えをした年初に郡保安官事務所の臨時保安官補として活動する。
 第6作Night Preyから、ミネアポリス市警察に戻る。すなわち、「政治的配慮によって任命された副署長(politically appointed deputy chief)としていわば特捜部のようなかたちで犯罪捜査を指揮し、活躍する(「副署長」は「部長」とか「本部長」と考えてもよい。署に複数人がいる。パトロール担当副署長、殺人/麻薬担当副署長、内務監査担当副署長というように)。
 (上に掲げてあるPrey Series時系列表の右端欄を参照されたい)

 バージルはセントポール市警察で刑事として働いていたが、在籍8年、仕事にやや飽きはじめていたときに、 BCA(Bureau of Criminal Apprehensionミネソタ州特別犯罪捜査局)に出向してルーカス・ダベンポートの下で犯罪捜査に従事した。それから、連鎖的に関係が深まり、いわば、ルーカスに取り込まれるようなかたちで、セントポール市警察を辞して BCAに移った。
 バージルは、セントポール市警でもBCAでも、驚異的な犯罪解決率(犯人検挙率)を上げている。

 Virgil Flowersシリーズの物語年度については、調査が及んでないので(まだ読み返しが終わっていない。 年代を割り出せる要素がすでにいくつか見つかっているのだが)保留にしておく。

[BCAについて]
 BCA(Bureau of Criminal Apprehension)ミネソタ州特別犯罪捜査局は、Department of Public Safety(DPS)、「ミネソタ州公安局」傘下の部局である。その責任者は、ローズ・マリ(Rose Marie)。マリは、第6作Night Preyにおいて、ルーカスを政治的配慮任命による副署長としてミネアポリス市警(MPD)に呼び戻した新任署長であり、それ以来第13作Mortal Preyまで8作品にわたってルーカスが仕えてきた人物である。現州知事の信任が厚く、その縁で第14作Naked Preyからミネソタ州公安局長(公安委員会委員長)(Minnesota Public Safety Commission)に就任している(市長が交代したので署長を辞めなければならない運命にあった)

  ルーカスは、マリの引きでBCAに移ったのだが(マリの署長失職により、共に地位を失う立場にあった)、公式な肩書きとして、Director, Office of Regional Studies(ORS)、地域問題研究所所長と いう職に就いている。なにやら訳の分からない名称だが、その部署はルーカスが州知事の内命を受けて、ローズ・マリ局長を通じて、場合によっては直接内命を受けて、特別に特定の犯罪捜査に従事するために設置されているものであり、いわば傀儡的な部署名の下にBCAからの独立予算で機密に活動する機動的な独立 特捜部隊である(形式組織上は、マリとルーカスの間に「本部長」クラスの人物がいるが、名目的なものであり、j実質的な口出しはしない)。

◆◆◆◆◆◆◆◆
                                          Prey Series (第1-20)
20_2                       第21作(2011)
Photo_6

                                            Virgil Flowers Series (第1-5)
5

◆◆◆◆◆◆◆◆
[第21作Buried Preyの裏表紙、書評]

***********************
Photo_5  ミネアポリス市環状地帯の縁にあたる一地区で、市街再開発のために、ある区域全体を壊して整地する作業が進んでいた。突然、作業部隊は、地面を掘ってい て、おぞましい驚きにぶち当たった。古い家屋の下から、プラスチックで覆われた少女の死体が二つ現れたのである。様子からして、長年埋められていたように みえる。
 ルーカス・ダベンポート
(Lucas Davenport)は、その年月を正確にいうことができる。

 1985、ダベンポートは若い警官だったが、ちょうど、パトロール隊員から私服刑事に昇進しようとしているときだった。法律や警察官服務規定など諸規則をもて遊ぶことがままある存在として知られていたにもかかわらず、昇進の恵みに預かろうとしていた。
 ダベンポートは、地元アイスホッケーのヒーローであり、女好き、女たらしとして知られ、かつ、優秀な秘密捜査員と評価されかかっていたが、当時、二人の少女の誘拐事件捜査にあたる大捜査陣の一員として動いていたのである。
  捜査は二人を発見することができなかった。生きた状態でも、死体でも。

 最終的に、事件は解決したものとして閉じられた。

 しかし、ダベンポートは納得していなかった。真犯人が別にいると、ずっと疑っていたのである。それが、いま、二人の死体が発見され、誘拐事件の真犯人捜しを最初からやり直すことができることになった。そして、深く探れば探るほど、一つのことが明らかになった。
 ――死体が埋められていただけではなく、真相が埋め隠されていたのである――

 トレードマークとなっている剃刀のような筋書き作りと、サスペンス・フィクション界有数の、おもしろく変化に富む人物像配置。
 
Buried Prey(
埋められた獲物」の意)は、ジョン・スタンフォードがそのやっているゲームのなかで絶頂期にあることを、改めて証明する作品である。
 (
ワシントンポスト紙
/The Washington Post)

   An entire block on the edge of the Minneapolis loop is being torn down for development, when an unpleasant surprise is unearthed: the bodies of two girls, wrapped in plastic, underneath an old house. It looks like they've been down there a long time. Lucas Davenport knows exactly how long.

    In 1985, Davenport was a young cop just about to be promoted out of uniform, despite a reputation for playing fast and loose with the regulations, A local hockey hero, a womanizer, a superb undercover guy, he was part of the massive police effort that followed the kidnapping of two girls who were never found again, dead or alive. Eventually, the case was closed.

  But not for Davenport. Now, with the bodies discovered, he has the chance to investigate the kidnappings all over again, and the deeper he probes, the more one thing becomes clear: It wasn't just the bodies that were buried. It was the truth.

   Filled with his trademark razor-sharp plotting and some of the best characters in suspense fiction, Buried Prey is further proof that "John Sandford is at the top of his game" (The Washington Post)   


[英語表現]
  playing fast and loose
(5行目)
  
 play fast and loose = 無責任(無分別)な行動をする。全くあてにならない。(愛情などを)もてあそぶ(with........)   (小学館プログレッシブ英和中辞典)

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[筋運び― 現在→過去→現在]
 この作品は、上記の書評にあるように、
次のようなストーリー展開になっている。
(イ)民家地下室の床に埋められていた少女二人の遺体が発見される冒頭部分から、(ロ)22年ほど前の誘拐失踪事件当時に遡り(そこでは、精神分裂異常をきたしている浮浪者
が誘拐殺人犯人とされ、下水トンネルに逃げ込んだ当人を追跡中の警官が射殺するという結末で終わる)、
(ハ)再度、真犯人捜しの現在に戻ってくる。

[若いころの姿]
 本書を読んで一番興味深かったのは(女性遍歴がもうなくなってしまっているからねえ)、ルーカスの若いころの姿が詳しく描かれていることであった。第1作から20作まで、うんと若いころに詳しく触れた描写はない。本書では、ミネアポリス警察署の警察官になって3年を経た時代、1985年の姿が活き活きと描かれている。
  「オンナ活躍」の面では、離婚専門亭主持ち女弁護士とよろしくやっている。

 
 [履歴]
  ミネソタ大学を、在籍5年アイスホッケー4年の生活で卒業し、弁護士を目指すかどうか迷った後に、指導教授であったアメリカ研究科(American studies, AmStud)教授に勧められて法執行官(law enforcement、保安官、警官など)の道へ。
 ポリス・アカデミー(警察学校)をクラス首席で、おそらく全クラスでもトップで卒業。パトロールを数週間やり→麻薬取締課6ヶ月→再度パトロールで、現在、ちょうど3年経過したところ。すぐにでも私服刑事に昇進させてくれなければ辞めようと決意していたところにこの事件が起き、臨時に、私服で捜査を手伝うことになった。


[慟哭]
 大事なことを言い忘れるところだったが、シェリルが死んでしまう。作者は
我が愛するMarcy Sherrillを殺してしまった。嘆くのみだ!!

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