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2013年7月 5日 (金)

♪「ジャズ・スタンダード」(Jazz Standards)とは何か(その2) ― その関係で、Great American Songbook(グレイト・アメリカン・ソングブック、「アメリカ傑作歌曲集」の意)とは何か。

 2013.7.5
 前回記事(2013.6.28)の続編である。
   「いずれ、内容をもっと膨らませよう」、と述べていたのだが、うん、だから、約束に添って膨らませる材料を用意したのだが、その量が多く、そこに埋め込むと記事ボリュームがでかくなりすぎるという事態になってしまった。そこで、独立させることにした。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 さて、仕切り直して、「ジャズ・スタンダード」(*1)とは何か。
 「ジャズ・スタンダード」、英語で"Jazz Standard(s)"とは、「ジャズのスタンダード曲」を意味するのだが、では、その「ジャズ・スタンダード曲」とはどういうものか。
 「ジャズ」音楽の分野で、「よく演奏される曲」、「定番曲」、「よく耳にする曲」、「よく知られている曲」、などなど、なんとなく分かるような気がするが、「では、この曲はスタンダード曲なのか、違うのか」と問われた場合に、明確にイエス、ノーが答えられるのだろうか。
 イエスだとすれば、その基準は何か、その定義は何か。
 このことについて考えてみる。

*1.ここでの、「ジャズ・スタンダード」という日本語表記は、「ジャズ畑でスタンダード曲として一般的に認知されてい る曲」という意味のことばであり――「スタンダード」の概念こそが問題なわけだが、それは後廻し、後述するところに委ねるとして――、その単数形"Jazz Standard"と複数形"Jazz Standards"の両方を表わすものとして使用している。さらには、"Standars"、"Standard"という語を「ジャズ・スタンダード」という日本語で表わすこともある。
 同時に、日本語側では、「ジャズ・スタンダード」を単に「スタンダード」と表わすことがあり、「ジャズ・スタンダード曲」、「スタンダード曲」と「曲」、それは、ほとんどの場合「歌」であるが、それを付けて表わすこともある。

 なお、「ロックのスタンダード(曲)」、「カントリーのスタンダード(曲)」、「ハワイアンの...」、「シャンソンの...」という用法ないし概念も当然存在するであろうが、音楽的な脈絡での話題において、枕詞なしで単に「スタンダード」という場合、一般的に、それは「ジャズの」スタンダード曲を指していることが多い。

一、Jazz Standard(s)/ジャズ・スタンダード(ジャズ・スタンダード曲)とは何か。
 それは、丁寧な言い方をすれば、上の脚注1で述べたように、「ジャズ畑でスタンダード曲として一般的に認知されている曲」ということであるが、では、「どれとどれがそれに当たるのか」、くどいようだが、先に述べたように、
――「では、この曲はスタンダード曲なのか、違うのか」と問われた場合に、明確にイエス、ノーが答えられるのだろうか。イエスだとすれば、その基準は何か、その定義は何か――

 問いに対する答えは、英語版Wikipediaの説明文で言い尽くされていると考えるので、それを掲げる。
  翻訳文は当ブログ主の独自翻訳によるものである(場合により多少「手抜き」しているところがある)。記事末尾に英語原文を掲げておく(脚注番号、webページリンクを削ったもの)。なお、Wikipedia記事であるから、全面的に引用/転載しても許されるであろう。

Wikipediaの記述                     
[ジャズ・スタンダード]
 Jazz Standards(ジャズのスタンダード曲)とは、ジャズ・ミュジシャンたちの演奏レパートリーのなかで、一定の観点から重要なものとして認識され分類される一群の音楽作品のことである。その観点は、次のとおり。
 ①ジャズ・ミュジシャンに広く知られており、
 ②ミュジシャンによって頻繁に演奏され、
 ③レコード化実績が多く、
  かつ、
 ④聴衆によく知られている。

 ジャズ・スタンダード(曲)とはコレコレだとして明確に定義づけられたリストは存在しない。さらには、スタンダードであるとみなされる曲は、時代に連れて変化する。
 しかし、主要なポピュラーソング楽譜集に収録されている曲であるかどうかということと、参考書などジャズ関連著作によって、スタンダード曲とみなされるかどうかということについて、およその指針が導かれる。

 ジャズ・スタンダードは、必ずしもジャズ作曲家の手によるものに限られるというわけではない。
 その多くは、ティン・パン・アレイ(Tin Pan Alley)生れのポピュラーソング、ブロードウェイ劇の劇中曲、ハリウッド・ミュージカル映画曲という起源のものである。すなわち、いわゆるGreat American Songbook(グレート・アメリカン・ソング・ブック/アメリカ傑作歌曲集)として認識される曲である。
 一般的に取り上げられて演奏される曲であっても、ジャズ・ミュジシャンたちのあいだで広く演奏されるものでなければ、ジャズ・スタンダードではない。
 ジャズ・スタンダード曲は、ブルースやポピュラー音楽(pop)のスタンダード曲とある程度重なる。

  1930年代から20年のあいだ(20年間)、過去の録音回数の最も多いジャズスタンダードは、W. C. Handy(WCハンディ)のSt. Louis Blues(セントルイス・ブルース)であった。その後Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)作曲のStardust(スターダスト)がとって代わり、今日では、Johnny Green(ジョニー・グリーン)作曲のBody and Soul となっている。ジャズ・ミュジシャンの作曲によるスタンダード曲で録音回数の最多のものはThelonious Monk(セロニアス・モンク)のRound Midnight(ラウンド・ミッドナイト)である。

◆1920年前
  20世紀に入った時点では、ジャズ(jazz)はダンスのための音楽であると意図されていた。そのことから、初期のジャズ・グループが演奏材料としてとりあげた曲 の選定は、この線に沿うことになる。
 キング・オリバーのクレオール・ジャズバンド(King Oliver's Creole Jazz Band)、ニューオリンズ・リズム・キング(New Orleans Rhythm King)といったバンドは、ティン・パン・アレイ(Tin Pan Alley、マンハッタンの、楽譜出版社が密集していた一画の昔の呼称)の流行歌をレパートリーにいっぱい取り込んでいたし、レコード会社は、多くの場合、影響力を行使して、契約アーティストたちにこれこれの曲を 録音しろと圧力をかけた。

 レコード会社役員その他、吹き込みについての有力者が後押ししたおかげで特定の曲が急激にスタンダード地位を 取得するということもあった。このことは1917年に最初のジャズ録音が行われたときから始まった。すなわち、オリジナル・デキシーランド・ジャズバンド (Original Dixieland Jass Band)によるDarktown Strutters Ball(ダークタウン・ストラッターズ・ボール)とIndiana(インディアナ)の吹き込みである。
 初期ジャズバンドの音楽は、当初は単に「ジャズ」(Jazz)と呼ばれていたが、今日ではデキシーランド・ジャズ(Dixieland Jazz)、ニューオリンズ・ジャズ(New Prleans Jazz)などと呼んで、その後の下位ジャンル(支流)と区別するのが一般である。

  ジャズの起源は20世紀初頭のニュ-オリンズの音楽伝統、すなわち、ブラスバンド音楽、ブルース、ラグタイム(Ragtime)、ニグロ・スピリチュアル (黒人霊歌)といったものに求められる。よく知られている初期スタンダード曲には、こういう流れから来ているものがある。
 Twelfth Street Rag(12番街のラグ)やTiger Rag(タイガーラグ)というラグタイム曲はジャズアーティストによく知られている。ブルース曲のSt. Louis Blues(セントルイス・ブルース)、St. James Infermary(セントジェームス病院)も然り。
 
 ティン・パン・アレイの作詞/作曲者たちもジャズ・スタンダード曲レパートリーに貢献している。インディアナやAfter You've Gone(アフター・ユーブ・ゴーン、君去りし後)などがその例である。
  Some of These Days(サム・オブ・ジーズ・デイズ/「いつか後悔するぜ」の意)やDarktown Strutters' Ball"(ダークタウン・ストラッターズ・ボール)など、ボードビル芸人がもたらしたものもある。
  この時期に最も頻繁に吹きこまれたのは、W. C.ハンディのセントルイス・ブルース、Turner Layton/Henry Creamerによる アフター・ユーブ・ゴーン(君去りし後)、James Hanley/Ballard MacDonaldによるインディアナである。

◆1920年代
 アメリカ合衆国においてJazz Age(ジャズ時代)として知られる時代は、1920年代に始まった。ジャズというものが、国内での人気音楽になった。ただし、年配層には、不道徳な音楽であり旧来からの文化価値への脅威である、と捕えられていた。
 チャールストン(Charleston)やブラックボトム(Black Bottom)など、ダンスというものがこの時代に非常に盛んになり、ジャズバンドは、一般的に7人から12人編成であった。

 ニューヨークでの重要な楽団としては、Fletcher Henderson(フレッチャー・ヘンダーソン)、Paul Whiteman(ポール・ホワイトマン)、Duke Ellington(デューク・エリントン)などがあった。 
  1910年代後半から、大勢のニューオリンズ・ジャズマンたちが仕事を求めてシカゴに移動した。New Orleans Rhythm Kings(ニューオリンズ・リズム・キングズ)、King Oliver's Creole Jazz Band(キング・オリバーズ・クレオール・ジャズバンド)、Jelly Roll Morton(ジェリー・ロール・モートン)などがこの都市で吹き込みを行った。
 しかし、ジャズの中心地としてのシカゴの重要性は、1920年代の終了に向けて、凋落し続け、ニューヨークにその座を渡すようになる。

  ジャズ初期時代、レコード会社は、どの曲を吹き込むか、自分たちで決めたがった。1920年代の人気曲は、Sweet Georgia Brown(スイート・ジョージア・ブラウン)、Dinah(ダイナ)、 Bye Bye Blackbird(バイ・バイ・ブラックバード)などのポピュラー音楽のヒット曲であった。
 曲の選択について自主裁量権を最初に勝ち取ったのは、ルイ・アームストロングであった。ルイのバンドは1920、30年代の初期スタンダード曲を世に流行らせるうえで大きく貢献した。

 ジャズ・アーティストの手による曲がスタンダードになることもある。Fats Waller(ファッツ・ワーラー)のHoneysuckle Rose(ハニーサックル・ローズ) 、Ain't Misbehavin(浮気は止めた)などがそれである。
 1920年代に最も吹き込み回数が多かったのはHoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)作曲Mitchell Parish(ミッチェル・パリッシュ)作詞のStardust(スターダスト、星くず)である。

  1920年代のブロードウェイ作曲者の手による曲がスタンダードになっている例としては、George and Ira Gershwin(ガーシュイン兄弟、ジョージ・ガーシュイン作曲アイラ・ガーシュイン作詞)によるThe Man I Love(ザ・マン・アイラブ) (1924)、 Irving Berlin'(アービング・バーリン)のBlue Skies(ブルースカイ、1927)、Cole Porter(コール・ポーター)作詞作曲のWhat Is This Thing Called Love?(恋とは何でしょう、1929)などがある。
 しかし、ブロードウェイ曲の持つ和声と旋律面での洗練性にミュジシャン達が追いついてレパートリーに取り込むようになるのは、1930年代後半になってからのことであった。

◆1930年代
 ブロードウェイ劇場は、1930年代のスタンダード曲として最も知られたもののいくつかを送り出した。ガーシュイン兄 弟のSummertime(サマータイム、1935)、 Richard Rodgers and Lorenz Hart(リチャード・ロジャース/ロレンツ・ハートのコンビ)によるMy Funny Valentine (マイ・ファニー・バレンタイン、1937)、Jerome Kern and Oscar Hammerstein II(ジェローム・カーンン/オスカー・ハマースタインのコンビ)によるAll the Things You Are (オール・ザ・シングズ・ユーアー、1939)がその例である。
 時代は変遷しても、こういった曲は最多レコード化スタンダード曲順位において依然として高い地位を占めている。1930年代の最も著名なスタンダード曲、Body and Soul(ボディ・アンド・ソール)は、ブロードウェイ劇で世に出た曲だが、1939年のColeman Hawkins( コールマン・ホーキンス)の吹き込みによって猛烈にヒットした。

  1930年代には、スイング・ジャズ(swing jazz)がアメリカ音楽の支配的な地位を占めるようになった。
  デューク・エリントン(Duke Ellington)とバンドのメンバーたちは、スイング時代のヒット曲をいっぱい作り、そのうち多くのものが後々スタンダード曲になった。"It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing) (イット・ドント・ミーンズ・ア・シング、スイングしなけりゃ意味がない、1932)、Sophisticated Lady(ソフィスティケイティッド・レイディ、1933)、Caravan(キャラバン、1936)などがある。
 他に、この時代の影響力の強いバンドリーダーとして、Benny Goodman(ベニー・グッドマン)やCount Basie(カウントベイシー)がいる。

◆1940年代
 スイング時代は1940年代半ばまで続き、デューク・エリントンの"Cotton Tail(コットンテイル、1940) 、Billy Strayhorn'(ビリー・ストレイホーン)のTake the 'A' Train (テイク・ジ・Aトレイン/A列車で行こう、1941)といった人気曲を生みだした。第二次世界大戦が起きてビッグバンドは経営難に陥り、小編成グループ の比重が重くなり始めた。Louis Jordan(ルイ・ジョーダン)など、スイング時代のミュジッシャンのなかには、後年、"rhythm and blues"(リズム・アンド・ブルース)という新種音楽に人気性要素を見出し、それを融合的に取り入れていった者がいる。そういった音楽は、1950年代にロックンロールに発展していった。

 1940年代初期にCharlie Parker(チャーリー・パーカー)、Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピ―)、Thelonious Monk(セロニアウス・モンク)らの主導によってビバップ(bebop)が台頭してくる。専門的嗜好を有するような特定聴衆層には、それまでのジャズ形式よりもこちらの方が魅力的に映った。ビバップは、複雑で洗練された和声と速いテンポという要素を持つものであったが、それに加えて、往々にして楽器奏法についての超絶テク ニックをも伴うものであったからである。
 ビバップ・ミュジシャン達は、レパートリーの一部として1930年代のスタンダード、特にブロードウェイ・ミュジカルからのものを使用することが多かった。

  ビバップ・ミュジシャンの作曲によるスタンダードとしては、ガレスピーのSalt Peanuts(ソールト・ピーナツ、1941)、A Night in Tunisia (チュニジアの夜、1942)、パーカーのAnthropology (アンソロポロジー、1946)、Yardbird Suite (ヤードバード組曲、1946)、 Scrapple from the Apple (スクラップル・フロム・ジ・アップル、1947)、モンクの'Round Midnight (ラウンド・ミッドナイト、1944)がある。
 ラウンド・ミッドナイトは、現時点において、ジャズ・ミュジシャン作曲のもののなかで、吹き込み回数が最も多い曲である。

◆1950年代以降
 1950年代には、マイルス・デビスのKind of Blue(カインド・オブ・ブルー)のようなモーダル・ジャズ(モード・ジャズ)吹き込みが盛んになった。
  モーダル・ジャズのスタンダード曲として著名なものとしてはマイルスのAll Blues、 So What (共に1959)、John Coltrane(ジョン・コルトレーン)のImpressions (1963)、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)のMaiden Voyage(処女航海、1965).がある。
 マイルスはその後、第2期の偉大なクイ ンテットで、それはサキソフォンにWayne Shorter(ウェイン・ショーター)、ピアノにHerbie Hancock(ハビー・ハンコック)を擁するものだが、このバンドで、1960年の半ばから末にかけて、非常に高い評判をとった一連のアルバムを出し た,
 これらのセッションからスタンダード曲になったものに、ショーターのFootprints (1966)やEddie Harris(エディ・ハリス)のFreedom Jazz Dance (1966)などがある。

  1950年の後半に、ブラジルで、ボサノバ(bossa nova)と呼ばれる新しい音楽が発展してきた。ブラジル風サンバとジャズが融合したものである。ボサノバの筆頭的アー ティストとして、Joao Gilberto(ジョアン・ジルベルト)、Antonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)、Luiz Bonfa(ルイス・ボンファ)などがいる。
 ジルベルトは Stan Getz(スタン・ゲッツ)とともに1963年のGetz/Gilbertoというアルバムでアメリカ中をボサノバで湧きかえらせた。このジャンルの曲で現在スタンダード曲とみなされているものに、ボンファのManha de Carnaval (カーニバルの朝、黒いオルフェ、1959)やMarcos Valle(マルコス・ヴァーリ)のSummer Samba (サマー・サンバ、1966)のほか、Desafinado (デサフィナード1959)、The Girl from Ipanema (イパネパの娘、1962)、Corcovado (コルコバド、1962)など、数多くのジョビンの曲がある。
  その後、Edu Lobo(エドゥ・ロボ)とEgberto Gismonti(エグベルト・ジスモンチ)が、Casa Forte、Frevo Rasgado、Loroといった曲でブラジルのジャズ・レパートリーに大きく貢献した。

  ジャズのフュージョン化(融合化)という現象が起きて、ジャズを他の音楽スタイルに融合させた。その最たるものはファンクとロックである。そのゴールデン・エイジ、最盛期は、1960年代後半から1970年代半ばであった。Weather Report(ウェザーリポート)、Chick Corea(チック・コリア)、Return to Forever(リターン・トゥ・フォーエヴァー)、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)、The Headhunters(ザ・ヘッドハンターズ)、Mahavishnu Orchestra(マハヴィシュヌ・オーケストラ)といったフュージョン界のトップ・アーティストたちは、クロスオーバー人気を獲得した。しかし、このジャンルに対する大衆の人気は 1980年代の折り返し地点で薄れていった。
 フュージョンの最大ヒットとして、コリアのSpain(スペイン、1971)、ハンコックの Chameleon(カメレオン、1973)、Joe Zawinul(ジョー・ザヴィヌル)のBirdland(バードランド、1977)があり、これらの曲はその後、他のアーティストによって吹きこまれており、モダンジャズ・スタンダード曲とみなされている。

二、Great American Songbook(グレイト・アメリカン・ソングブック)とは、どいう「本」か。
■Wikipedia記事
[Great American Songbook]
 グレイト・アメリカン・ソングブック(「アメリカ傑作歌曲集」の意)は、20世紀のアメリカ・ポピュラーソングのうち、きわめて重要で、きわめて影響力の強い(有力な)ものはどれかという決定を下すうえでの基準(規範)、ないし、基準として示された曲集リストである。 (ブログ主「注」―"Songbook"とあるが、それは、実在する本ではなく架空の概念である)
 リストは、1920年から1950年にかけて現れた曲のうち、主としてブロードウェイ劇、ミュージカル、ハリウッド・ミュージカル映画からのものを対象に行われている。リストには、人気を持続し続けている曲がいっぱい含まれている(*2)。

*2.以前の記事では、「架空の概念である」と表現されていた。その後この表現を修正しているが、そのままの方がよかったのではないか。概念が把握しやすい。
[以前の記述]
  Great American Songbook(「アメリカ傑作歌曲集」の意)は、20世紀におけるアメリカ歌唱曲の傑作を表わそうとする架空の構成概念である。
 The Great American Songbook is a hypothetical construct that seeks to represent the best American songs of the 20th century
........

[定義]
American_popular_songs_3   1972年に、ソングライター兼音楽評論家のアレック・ワイルダー(Alec Wilder)は、"American Popular Song: The Great Innovators, 1900-1950"(「アメリカのポピュラーソング ― 代表的な革新的作曲者たち、1900-1950」)という「基準」(規範/標準)調査を行い
(誰がそれに該当するかという基準/規範/標準の調査研究)、Great American Songbook(アメリカ傑作歌曲集)基準に属すると思慮するアーティストのリストを発表した。同時に、相対的価値観点からの、自分なりの順位づけを行った。自ら作曲者であるので、ワイルダーは、作曲者選びと各自の創造的努力の分析に評価の重点を置いた。

ワイルダーは、次の6人については一章ずつ割り当てて記している。
   Jerome Kern(ジェローム・カーン)
    Irving Berlin(アービン・バーリン)
    George Gershwin(ジョージ・ガーシュイン)
    Richard Rodgers(リチャード・ロジャース)
    Cole Porter(コール・ポーター)
    Harold Arlen(ハロルド・アレン)

この人たちについては、二人で一章。
   Vincent Youmans(ビンセント・ヨーマンズ)
   Arthur Schwartz(アーサー・シュワルツ)

この人らは、三人で一章。
    Burton Lane(バートン・レーン)
    Hugh Martin(ヒュー・マーチン)
    Vernon Duke(バーノン・デューク)

「優れた職人」(Great Crafsmen)とみなすソングライターについて一章。
   Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)
  Walter Donaldson(ウォルター・ドナルドソン)
  Harry Warren(ハリー・ウォーレン)
  Isham Jones(アイシャム・ジョーンズ)
  Jimmy McHugh(ジミー・マクヒュー)
  Duke Ellington(デユーク・エリントン)
  Fred Ahlert(フレッド・アルハート)
  Richard A. Whiting(リチャード A. ホワイティング)
  Ray Noble(レイ・ノーブル)
  John Green(ジョン・グリーン)
  Rube Bloom(ルーブ・ブルーム)
  Jimmy Van Heusen(ジミー・ヴァン・ヒューゼン)

 最後の章(
第11章?)は、67ページにわたるものである。
 「Outstanding Individual Songs: 1920 to 1950」(1920年から1950年までの個性的傑作歌曲)(*3) という表題になっている。
 前章までに触れた曲以外の曲で、ワイルダーが記憶すべきと考えるものを挙げている。

 さて、そういうことであるが、20世紀後半のソングライターたちがGreat American Songbook基準を充足するかどうか決定することは難しい。
 多くの者にとって、Great American Songbookの時代はロックンロールと共に終了した。ワイルダーは1950年で打ちきっている。ラジオ司会者でありGreat American Songbookの帰依者(
熱烈な信奉者)であるJonathan Schwartzは、回顧録において、この概念(Great American Songbook)のことを「アメリカの古典音楽」(America's classical music)と表現している。

*3."Individual"の意味が定かでない。「個性的な」としたが、次のようなことを表わしているのかもしれない。
  ・「個人的好みで選んだ」。
  ・作曲家の評価とセットで選んだものではなく、「個別に選んだ」。


◆作詞/作曲家たちと曲
  その者の作品がGreat American Songbookに該当する(
構成する、構成要素となる)とみなされるミュジシャンや作詞家の名を列挙することについて、定義的に決定的なものは存在しない。
しかし、以下に掲げる作詞/作曲家と曲は、一般的にそのリストに含まれると考えてよい。

Harold Arlen(ハロルド・アレン)
  [E.Y. Harburg]による作詞
  Over the Rainbow 、"It's Only a Paper Moon
  [Ted Koehler]による作詞
  I've Got the World on a String、I Gotta Right to Sing the Blues、Let's Fall in Love
  [Johnny Mercer]による作詞
  Blues in the Night、That Old Black Magic、One for My Baby、Come Rain or Come Shine、
   Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive、
  [Ira Gershwin」による作詞
  The Man that Got Away


Irving Berlin(アーヴィング・バーリン)
 Alexander's Ragtime Band、When I Lost You、How Deep Is the Ocean、God Bless America、White Christmas、Always、A Pretty Girl is Like a Melody、Blue Skies、Cheek to Cheek、Puttin' on the Ritz"、Let's Face the Music and Dance、There's No Business Like Show Business、I've Got My Love to Keep Me Warm 



Nacio Herb Brown(ナシオ・ハーブ・ブラウン)
 作詞家Arthur Freed
  "All I Do Is Dream of You", "Broadway Melody", "Pagan Love Song", "Paradise", "Singin' in the Rain", "Temptation", "You Stepped Out of a Dream", "You Were Meant for Me", "Good Morning"


Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)
  "Stardust"、 "Georgia on My Mind"、"Lazy River"、"The Nearness of You"、"Skylark"


Walter Donaldson(ウォルター・ドナルドソン)
   ほとんがGus Kahnによる作詞
    "My Baby Just Cares For Me、My Blue Heaven、Love Me Or Leave Me、Carolina in the Morning、My Mammy、What Can I Say After I Say I'm Sorry?、Yes Sir, That's My Baby、Makin' Whoopee、You're Driving Me Crazy、Little White Lies、


Vernon Duke(バーノン・デューク)
   April In Paris、Autumn In New York、I Can't Get Started、Taking A Chance On Love


Duke Ellington(デューク・エリントン)
 "In a Sentimental Mood、It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)、Satin Doll (Billy Strayhornと共作)、Mood Indigo、Sophisticated Lady、Take the 'A' Train、I'm Beginning to See the Light


Sammy Fain(サミー・フェーン)
  I'll Be Seeing You、That Old Feeling、Love Is a Many-Splendored Thing、April Love、Tender is the Night


George and Ira Gershwin(ジョージ/アイラ・ガーシュイン兄弟)
Someone to Watch Over Me、'S Wonderful"、Summertime、A Foggy Day、But Not For Me、Embraceable You、I Got Rhythm、Fascinating Rhythm、The Man I Love、They Can't Take That Away from Me、Love Is Here to Stay、Strike Up the Band


Ray Henderson(レイ・ヘンダーソン)
 Bye Bye Blackbird、I'm Sitting On Top Of The World、The Birth of the Blues、The Thrill Is Gone、The Best Things In Life Are Free、Sonny Boy、You're the Cream in My Coffee


Herman Hupfeld(ハーマン・ハップフェルド)
  As Time Goes By、Let's Put Out the Lights (and Go to Sleep)


Bart Howard(バート・ハワード)
   Fly Me To the Moon


Isham Jones(アイシャム・ジョーンズ)
  Gus Kahn作詞  It Had to Be You、I'll See You in My Dreams


Jerome Kern(ジェローム・カーン)
  Dorothy Fields作詞
  A Fine Romance、Pick Yourself Up、The Way You Look Tonight
  Ira Gershwin作詞
   Long Ago (and Far Away)")
   Oscar Hammerstein II作詞
   All the Things You Are、The Folks Who Live On the Hill、Ol' Man River、The Song Is You
  Otto Harbach作詞
    Smoke Gets in Your Eyes、Yesterdays


Frank Loesser(フランク・ルーザー)
  If I Were A Bell、On A Slow Boat To China、Standing On The Corner、Baby, It's Cold Outside、 "Luck Be A Lady


Jimmy McHugh (ジミー・マクヒュー)
  I Can't Give You Anything But Love, Baby、I'm in the Mood for Love、Don't Blame Me、On the Sunny Side of the Street、Exactly Like You、It's a Most Unusual Day


Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)
(作詞部門アカデミー賞4回受賞作詞家)
  On the Atchison、Topeka and the Santa Fe、In The Cool, Cool, Cool Of The Evening、
  Moon River(Henry Mancini共作)、Days of Wine and Roses
[作詞作曲];
   Dream、Something's Gotta Give、I Wanna Be Around、
[作詞]
  Midnight Sun、Day In, Day Out、Laura、I Remember You


Cole Porter(コール・ポーター)
 Night and Day、I've Got You Under My Skin、Begin the Beguine、Let's Do It、 Let's Fall in Love、What Is This Thing Called Love、Too Darn Hot、Love for Sale、You're the Top、Just One of Those Things、All of You、I Get a Kick Out of You、Ev'ry Time We Say Goodbye、In the Still of the Night、It's De-Lovely、My Heart Belongs to Daddy、I Concentrate on You、You'd Be So Nice to Come Home To、So in Love、Anything Goes、You Do Something to Me


Rodgers and Hart(ロジャース・ハート)
作曲家リチャード・ロジャース(Richard Rodgers, 1902-1979)と作詞家ロレンツ・ハート(Lorenz Hart, 1895-1943)の作詞作曲コンビ    
Photo_2                                              
(ロジャースとハート、1936年、ココから)
 Slaughter On 10th Avenue (ballet)、Bewitched、Bothered and Bewildered、With A Song In My Heart"、Falling In Love With Love、My Romance、Have You Met Miss Jones、My Funny Valentine、Blue Moon、Blue Room、I Could Write a Book、It's Easy To Remember、It Never Entered My Mind、Manhattan、The Lady Is a Tramp、Little Girl Blue、Mimi、My Heart Stood Still、pring Is Here、A Ship Without a Sail、Thou Swell、Lover、The Most Beautiful Girl In The World、I Didn't Know What Time It Was、Isn't It Romantic?、Where or When、Glad to Be Unhappy、You Took Advantage of Me、This Can't Be Love、Mountain Greenery


Rodgers and Hammerstein(ロジャース・アンド・ハマースタイン)
Photo  リチャード・ロジャース、1902 - 1979)とOscar Hammerstein II(オスカーハマースタインII ,1895 - 1960)は、著名な作詞作曲二人組である。通常、ロジャース・アンド・ハマースタインと呼ばれる。二人は1940、50年代、ブロードウェイ・ミュージカルのゴールデンエイジと呼ばれる時期に、一連の人気曲を生みだした。ロジャースの作曲ハマースタインの作詞による作品のなかで、5本の劇、すなわちOklahoma!(オクラホマ!)、 Carousel(回転木馬)、South Pacific(南太平洋)、The King and I(王様と私)、The Sound of Music(ザ・サウンド・オブ・ミュジック)は傑出した成功であった。二人によるショウ(およびその映画版)が獲得した称賛は枚挙にいとまがないが、その代表的なものを挙げると、トニー(Tony Awards)34回、アカデミー賞15回、ピューリツァ賞、グラミー賞2回を受賞している。

      [↑画像、ロジャース(左)とハマースタイン(右)がアービング・バーリン(中)、Helen Tamiris(後列)と共にオーディションを見る。セント・ジェイムス劇場(St. James Theatre、1948年。ココから]

You'll Never Walk Alone、Hello, Young Lovers、Younger Than Springtime、Oh What a Beautiful Mornin'、People Will Say We're in Love、It Might as Well Be Spring、If I Loved You、Happy Talk、 Some Enchanted Evening、The Surrey With The Fringe On Top、I Have Dreamed、Shall We Dance?、 My Favorite Things、Something Wonderful、Climb Every Mountain、Edelweiss、I Enjoy Being A Gir、The Sound Of Music、A Wonderful Guy"
                     
Rodgers (left) and Hammerstein (right), with Irving Berlin (middle) and Helen Tamiris, watching auditions at the St. James Theatre in 1948


Harry Ruby and Bert Kalmar (ハリー・ルビーとバートカルマ―)
  Who's Sorry Now?、Thinking of You、I Wanna Be Loved by You、Three Little Words、 Nevertheless、A Kiss to Build a Dream On


Arthur Schwartz and Howard Dietz(アーサー・シュワルツ、ハワード・ディエッツ)
 Dancing in the Dark、You and the Night and the Music、I Guess I'll Have to Change My Plan、Alone Together、Haunted Heart、That's Entertainment!


Jule Styne(ジュール・スタイン)
  Time After Time、Guess I'll Hang My Tears Out to Dry、I Fall In Love Too Easily、
Diamonds Are a Girl's Best Friend、Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!、People、Don't Rain on My Parade、Just In Time、Saturday Night (Is the Loneliest Night of the Week


Jimmy Van Heusen(ジミー・バン・ヒューセン)
   [ほとんどが、作詞家Johnny BurkeまたはSammy Cahnとのコンビ]  
All the Way、Swinging on a Star、Darn That Dream、Polka Dots and Moonbeams、But Beautiful、 Come Fly with Me、Imagination、Like Someone in Love、Call Me Irresponsible、I Thought About You、Here's That Rainy Day、It Could Happen To You、Love Is The Tender Trap、Ain't That a Kick in the Head


Harry Warren(ハリー・ウォーレン)
 At Last、There Will Never Be Another You、An Affair To Remember、I Had The Craziest Dream、 The More I See You、Forty-Second Street、Boulevard Of Broken Dreams、Lullaby of Broadway、 You're Getting to Be a Habit with Me、I Only Have Eyes For You、This Is Always、Jeepers Creepers、You Must Have Been A Beautiful Baby、September In The Rain、Lulu's Back In Town、 You're My Everything、Chattanooga Choo Choo、On the Atchison、Topeka and the Santa Fe、This Heart of Mine、You'll Never Know、My Dream Is Yours、I Wish I Knew、Serenade In Blue、 Nagasaki(I've Got a Gal In) Kalamazoo、That's Amore、Innamorata


Richard Whiting(リチャード・ホワイティング)
  Till We Meet Again、The Japanese Sandman、Ain't We Got Fun、Hooray for Hollywood、 Beyond the Blue Horizon、On the Good Ship Lollipop、Too Marvelous for Words


Jack Yellen with Milton Ager
 (作詞ジャック・エーレン、作曲ミルトン・エイジャー)
  Ain't She Sweet、Happy Days Are Here Again、Big Bad Bill (Is Sweet William Now)、
Glad Rag Doll、Hard Hearted Hannah (The Vamp of Savannah)、Louisville Lou (That Vampin' Lady)、
 [作詞作曲、
ただし、作曲はLew Pollackと共同作曲]
 My Yiddishe Momme


Vincent Youmans(ビンセント・ユーマンズ))
  Tea For Two、Time On My Hands、More Than You Know、(The) Carioca、Sometimes I'm Happy、Without A Song、I Want to Be Happy


Victor Young(ビクター・ヤング)
  I Don't Stand a Ghost of a Chance with You、Stella by Starlight、Love Letters、My Foolish Heart、When I Fall in Love、Around the World

◆スタイルと構造
[スタイル]
 事の趣旨からして歌の題材(
作詞作曲の目的として設定される話題)とムード(情緒/情感面での状況設定)は相対的に狭い範囲のものに限定されることになるのであるが(訳者「注」、恋の歌、なかんずくトーチソングなどに)、そういうなかで、多くの曲では、Great American Songbook基準に該当する秀逸な作詞家たちは、ウイットに富んだ歌詞、洗練された歌詞を、からかっていると感じられるほど意表を突く「韻踏み」を添えて作る専門家である。
 ソングライターたちは、そういった歌詞に、記憶すべき印象的なメロディーを添える。メロディは、ペンタトニック
(5音音階)から――その例は"I Got Rhythm"のようなガーシュインの音楽にみられるが、そのようなものから、コールポーターの多くの曲にみられるような複雑なクロマティック、あるいは、精妙な和声学手法、その良い例はカーンの、らせん状の転調を駆使するAll the Things You Areであるが(見よ、この過去記事)、そういったものまで、千差万別である。

[構造]
 Great American Songbookの曲の多くは32小節形式のものである。その大多数はミュジカル用に作曲されたものであるが、そのなかには、導入部としてのバースを置いているものもある。
 コーラス部と区分されたバースは、音楽上の導入部であり、一般的にいうと、自由な音楽構造をもつ。すなわち、語りかけているようなリズム、ルバート(rubato、自由リズム)などである。
  区分バースは劇の現実的な周辺環境(状況設定)から歌の人工的な世界へ導くことを狙うものであり、多くの場合、その歌を書いた目的であるミュージカルのプロット(話の筋)に沿った内容の、プロットへの言及を含ませた歌詞を有している。

 歌そのものは通常32小節のAABAまたはABACであり、歌詞は、これまた通常は、普遍的な、特定の時代に限定しない状況設定とテーマを描くものである。その卑近な例は、「恋の変転」である。
 この、普遍性を大きく持たせるということによって、歌をショウに入れたり抜いたりすることや、別のショウで復活使用することが容易になる。

 区分された導入部バースを持つものとして書かれた歌には、ほとんど常にその導入部バース付きで演奏されるものがある。しかし、そのような区分導入部バースは、元来の劇や映画の脈絡で演奏される場合を除き、省略されることが多い。
 そのようなバースを唄うかどうかは、その歌の内容と、唄う人物との関係で決まる。例えば、フランクシナトラは、In Other Words(
*Fly Me To The Moon、フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン)のレコーディングにおいてバース付きで唄ったことはないが、トニー.ベネットはそこを唄う。

[歌手]
[初期]
 1930年代以降大勢の歌手たちがGreat American Songbookの多くの部分を(該当する多くの歌を)舞台で唄ったりレコードに吹きこんだりしてきた。.
 エラ・フィッツジェラルドが1950年代にVerve社から出した「Songbook」シリーズは、人気の高い、影響力の強いものであるが、Songbookから252曲を収めている。

 早い時代におけるGreat American Songbookの通訳には(*
該当曲を意識的にとりあげて唄った歌手)には、他に次のような歌手たちがいる。

 Fred Astaire, Shirley Bassey, Tony Bennett, Pat Boone, June Christy, Rosemary Clooney, Nat "King" Cole, Barbara Cook, Perry Como, Bing Crosby, Vic Damone, Bobby Darin, Sammy Davis, Jr., Doris Day, Jo Stafford, Blossom Dearie, The Four Freshmen, Judy Garland, Eydie Gorme, Johnny Hartman, Billie Holiday, Al Jolson, Jack Jones, Cleo Laine, Frankie Laine, Steve Lawrence, Peggy Lee, Julie London, Dean Martin, Johnny Mathis, Carmen McRae, Helen Merrill, Wayne Newton, Dinah Shore, Bobby Short, Nina Simone, Frank Sinatra, Barbra Streisand
(特に初期の仕事), Mel Torm?, Sarah Vaughan, Dinah Washington, and Andy Williams.

[現代歌手]
 この数十年間、現代歌手がSongbookをとりあげて唄うというリバイバルが起きている。
 1970年には、リンゴ・スター(Ringo Starr)がSentimental Journey(センチメンタル・ジャーニー)というアルバムを出した。スタンダード曲を12曲収めたものであり、編曲は様々なミュジッシャンによっている。
 1973年には、グラミー賞受賞シンガーソングライターであるハリー・二ルソン(Harry Nilsson)が12曲の古典スタンダードを収めたアルバム、A Little Touch of Schmilsson n the Nightを出して、批評家かなどから良い評価を受けている。編曲はGordon Jenkinsである。
 このレコードは、収録曲をスタンダード18曲に増やして、1988年にCDで再発売された。
 
 同じく1973年に、Roxy Music殿堂入りのBryan FerryがThese Foolish Thingsというアルバムを出した。それに続いて、同じようなアルバムをいくつか出している。

  1978年には、カントリー歌手のWillie Nelson(ウイリー・ネルソン)が"Stardust"(スターダスト)という題の人気スタンダード集アルバムを出した。Hoagy Carmichael、George Gershwin、Irving Berlinといった有名な作曲者による曲を収録している。発売当時は売れ行きが危ぶまれたが、あにはからんや、当人のアルバムで最も長続きしているものになっている。

 1983年に、人気ロック歌手のLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)がWhat's New(
ウォッツ・ニュー)を出した。後に当人はスタンダード曲集アルバム3部作を完成させるに至るが、その最初のものである。
 ニューヨーク・タイムズのStephen Holdenは次のように書いている。

-----<<<"What's New"は、ロック歌手がポピュラー音楽の黄金時代に対して敬意を払って出すアルバムとして、初めてのものではない。しかし、そのようなもののなかで最良のものであり、1960年代にビートルマニア(Beatlemania、ビートルズ狂)や、ティーンエイジャー向けのロックLP大量販売によって追いやられていたポピュラー音楽の音楽性を復活させようとする試みのうえで、最も真剣なものである。
 ビートルズ狂に至る前10年間に、1940年代、50年代の有名バンドの歌手や低音流行歌手たちは、半世紀に及ぶアメリカ・ポピュラー音楽スタンダード曲を、自らの数十枚のアルバムに集大成することに努めてきたが、その多くは、久しく廃盤になっている>>>---


  1991年にNatalie Cole(ナタリー・コール)が"Unforgrtable…with Love"を出し、非常な成功を収めた。このアルバムは、
Unforgetable(アンフォアゲッタブル、曲名)をTop 40まで押し上げるに至った。その歌唱は父親、ナット「キング」コールとの仮装デュエットである。続いて、Take a Lookなどの後続アルバムを出したが、それも成功している。

  1980年代以降、Michael Feinstein、Harry Connick, Jr.、Michael Buble、Diana Krall、John Pizzarelli、Ann Hampton Callawayといった歌手たちは、自己の芸歴を通じてSongbookの曲をとりあげて唄い、人気を博している。
 世に受け入れられている。
 特にMichael Feinsteinは、1970年代以降、熱心な擁護者、保存図書館員、信仰復興推進者、遺産保存主義者となっている。

[その他の歌手]
 1980年以降、Songbookとは関係のないジャンルにおいて地位を確立している歌手たちがSongbookの歌を唄って成功するという例もみられるようになっている。
 Rod Stuart(ロッド・スチュアート)は、2002年を出発点として、Songbook曲を対象にした一連のスタジオ録音アルバム作りに専念してきている。実際に、「Great American Songbook」という表題を明確に打ち出している。"

 ロック畑やポピュラー音楽畑のアーティストでSongbook曲を扱っている者には、このほか次のような人々がいる。.
 Keith Richards、 Carly Simon、Bette Midler、Barry Manilow、Caetano Veloso、Pia Zadora、 Queen Latifah、Joni Mitchell、Boz Scaggs、Robbie Williams、Sting、Ray Reach、Pat Benatar、 Morrissey、Rufus Wainwright

 2012年には、ポール・マッカートニー卿(Sir Paul McCartney)がこのリストに身を連ねた。すなわち、Kisses on the Bottomというアルバムを出したのである(
見よ、この過去記事)
 2004年度のAmerican Idol番組で覇を競ったJohn Stevensもこのトレンドに身を置いている。
 Steve TyrellもGreat American Songbookの曲を唄うことによって、ソロ活動において成功を収めている。Tyrellが映画、Father of the Bride (1991)のために唄ったThe Way You Look Tonightは、その映画の主役スターSteve Martinの強い主張によって映画の中でも使用された。そのことがきっかけになって、TyrellはA New Standard、Standard Time、Bach to Bacharachといった後続アルバムを出している。

◆ラジオ
 イギリスのラジオ放送司会者Michael Parkinsonは、BBC Radio2の自分の番組において、このジャンルの音楽を流し続けた。番組名はParkinson's Sunday Supplementで、1996年から2007年まで続いた。

三、ジャズ・スタンダード曲リスト。
 A-Zリストを別稿として掲げる予定である。


[追記] 2013.7.21―A-Zリストを2013.7.11記事として掲げた(ココ)

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