音楽/Jazzスタンダード

2014年8月24日 (日)

♪What a Wonderful World (この素晴らしき世界)、歌詞と日本語訳。

 

What a Wonderful World (この素晴らしき世界)を人前で唄うことになった。
 すでに我が持ち曲(レパートリー)に取りこんでいる曲だが、改めて、聴き/唄い、「練習」している。
 歌詞と日本語訳を掲げることにした。
 事情で記事書きが休眠状態になっている。5ヶ月ぶりの投稿だ。

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                                                     ♪参考資料→[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]                         
          What a Wonderful World
                                    
 Bob Thiele(as George Douglas) and George David Weiss, 1967
                                                         (co-written/both lyrics and melody)

I see trees of green,
Red roses too.
I see them bloom,
For me and you.
And I think to myself,
What a wonderful world.
 

I see skies of blue,
And clouds of white.
The bright blessed day,
The dark sacred night.
And I think to myself
What a wonderful world.

The colors of the rainbow,
So pretty in the sky.
Are also on the faces,
Of people going by,

I see friends shaking hands,
Saying, "How do you do?"
They're really saying,
"I love you."

I hear babies cry,
I watch them grow,
They'll learn much more,
Than I'll ever know.
And I think to myself,
What a wonderful world.

Yes, I think to myself,
What a wonderful world.
 

               この素晴らしき世界(独自訳)
木々の葉は、緑に輝き、
赤いバラが、彩りを添える。
花々は、ぼくのために、
君のために咲いているんだ。
 ぼくは独りで想いに浸る・・・
なんて、いい世界なんだ。

空は、青く澄み、
雲の白さが、くっきりと際立つ。
陽光が一日を祝福し、
やがて、闇が夜を清め、疲れを癒す。
 ぼくは独りで想いに浸る・・・
なんて、いい世界なんだ。

空にかかる虹は、くっきりと七色、
なんて、きれいなんだ。
通り過ぎていく人々の顔、顔、顔、
同じく、みんな、美しい。
友達どうしが握手を交わし、
「やあ、こんにちは」、と挨拶している
それは、ほんとは、
「愛してる」って言い合っていることなんだ。

赤ちゃんの泣き声を聞き、
育っていく姿を見続ける。
この幼児たちは、やがて、
無限大の希望を手にしていくだろう。
 ぼくは独りで想いに浸る・・・
なんて、いい世界なんだ。

 そう、独りで想う。
なんて、素晴らしい世界なんだ。      


■Louis Armstrong: What a Wonderful World (Official -1967)    

                      
      

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 作詞/作曲とも、ジョージ・ダグラス/George Douglas(音楽プロデューサー、Bob Thiele/ボブ・シールのペンネーム)とジョージ・デヴィッド・ワイス(George David Weiss)による共作である。ワイスは、Lullaby of Birdland(バードランドの子守唄、1952)などで知られる著名な作詞家。
  Louis Armstrong(ルイ・アームストロング)の歌唱で1967年に初レコーディングされ、シングル盤が出た。
 最初 、トニー・ベネット(Tony Benett)に録音が持ちかけられたがトニーが断ったので、ルイに廻ったのだという(ベネットは3年後に吹き込んでいる。後で触れる)。
 
What_a_wonderful_worldlouisingle_2                              ABC Records社、1967年10月発売シングル盤、裏面はCabaret(キャバレー)。

  アメリカではベトナム戦争(1960 -1975)が泥沼化の気配を見せ、全土に厭世空気が漂うなかの作品で、婉曲的な厭戦/反戦と、人間という存在への信頼、明日への限りない希望を謳っている。アメリカ国内では売れなかったが(発売元ABC Recordsの当時の社長が曲を嫌い、宣伝しなかったといわれる)、翌1968年イギリスで大ヒットし、全英チャート(UK Singles Chart)で1位になった。

 その後、1987年にGood Morning, Vietnam(グッドモーニング, ベトナム)というアメリカ映画が製作され、「現地兵士向け軍放送のディスク・ジョッキーがこのレコードをかけて曲を流す」という場面設定で使用されたほか、全編を通じてのバックグラウンド・ミュージックとして使用された。
 日本では、テレビCM音楽としても広く使用されたこともあり、ファンが多い。
                                                                         (Wikipedia日本語版英語版 から)

Good_morning_vietnam_2   Good Morning, Vietnum/グッドモーニング、ベトナム 1987年Touchstone Pictures社製作。1988年1月一般公開、 映画館用ポスター(Wikipedia)

[トニーベネットの件]
 トニーはその後、1970年10月に出した"Something"というアルバム(Columbia)でこの曲を吹き込んでいる。さらに、2002年、k.d.lang (k.d.ラング)というカナダ出身女性歌手とのコラボ作品として"A Wonderful World"というアルバム(Columbia)出したが、そこでもこの曲をとりあげて収録している。

■Rod Stewart - What A Wonderful World ft. Stevie Wonder
    (ロッド・スチュアート.........スティービー・ワンダーをフィーチャーして)
  ベネットは省略して、こちらを掲げる。

   ロッド・スチュアート。"The Best Of...The Great American Songbook"という2011年.2月発売"J-Records"レーベルCDアルバムに収録されている。
 オブリガートと間奏のハーモニカは、スティービー・ワンダー(Stevie Wonder)。
 

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■Good Morning Vietnam (1987) - Official Trailer(公式予告編)

 

    ―― 完 ――
 

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2013年10月31日 (木)

あのDoris Day(ドリス・デイ)が91歳(???)で生き永らえているというのだが、ここにきて、おざなりみたいな看護/介護の餌食になりかけていることもあり、健康維持が危ぶまれているという。

2013.10.31
  見せかけのような低質の看護/介護のために、超高齢ドリス・デイ(Doris Day)の、――長い隠遁生活のなか、91歳(*1)で生き永らえているというのも驚きだが――、この超弩級ハリウッド女優のさらなる長生きが危ぶまれているという。MailOnline(メイルオンライン)紙が危惧を報じている(2013.10.142013.10.25)。

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Dorisday90yold5                                                                                      (MailOnline紙2013.10.25記事から)
          (画像説明)
          隠遁 ― 2008年7月に撮影された写真で、その後公共の場で写真に撮られたことはない(*2)。

                                     

********************************************************************Dorisday90yold1
MailOnline      News
Terrible twilight of Doris Day: Concerns raised over the beauty who has hidden from the world for 45 years
  ・Day, now 91, is one of Hollywood's greatest legends in Hollywood history
  ・ But the reclusive star has not been photographed since 2008
  ・This week her former housekeeper lifted the lid on her secretive life


By Tom Leonard
PUBLISHED: 23:11 GMT, 25 October 2013 | UPDATED: 11:21 GMT, 26 October 2013
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 ドリスデイの悲惨な終末期。45年にわたって隠遁生活状態を送ってきた「美」女優(*3)に危難が降りかかっているのではないかと危ぶまれている。
・ドリス・デイ、91歳になるドリス・デイは、ハリウッド映画史上における最高の伝説的女優の一人である。
・だが、この隠遁生活スターの姿は、2008年以来、写真に現れていない(*4.)。
・今週、元の家政夫が、デイの秘密に充ちた生活の蓋を開けてみせた。


Tom Leonard 記者
2013.10.2523:11分(グリニッジ標準時)/更新2013.10.26、11.21分
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*1.*5.
一般的データ(Wikipediaや諸々のネット記事)によるかぎり(1924年4月3日生れだとする)、89歳6ヶ月のはずである。なぜ「91歳」としているのか、理由はまったく分からない。
 記事中に「1968年に引退したとき年齢はまだ44歳であった」というくだりがあるが、そこでは一般データどおりの年齢になっている。→見よWikipedia(ドリス・デイ/Doris Day)


*2. あくまでも「公共の場では(in public)」撮られたことはないということであろう。つまり、町を歩いたり買い物をしたりしている姿を撮られたことはないということであり、まったく写真がないということではない。この記事は、全体として、読者を、「写真がないから2008年(4月3日を境に83か 84歳)以後どんな姿をしているのかまったくわからない」という誤解に導くような書き方をしている。
 当人は2011年9月(87歳)にほぼ20年ぶりにアルバムを出したが("My Heart")、 そのCDは、若々しい姿の大写し写真で飾られている。同じく、同月、アルバム発売前にポール・マッカートニー(Paul McCartne)と会ってそのアルバムのことなどを話し合っているが、その対談内容を自ら手記として
2011.9.1のThe Telegraph紙に載せており、当時の 若々しい写真(発売予定CDの販売促進用に撮影されたもの)が紙面を飾っている(この件については、後で改めて触れる)。

*3.ドリス・デイのことを"the beauty"と表わしているが(『「美」女優』とした)、おそらく次のようなことからであろう。すなわち、当人は常々「」(beauty)ということについて語っており、そのことで知られているいるのであろう。
 この関連で、上で触れたポール・マッカートニーとの対談に、次のようなくだりがあるので掲げておく。
PM:
 I think your fans will go crazy with it. It's a nice album with beautiful emotions. Is it true when you sing Joe Cocker's You Are So Beautiful you are singing about the beauty you find in animals?
DD:
 Well I do find the beauty in animals. I find beauty everywhere. I find beauty in my garden.
(マッカートニー)
 あなたのファンは大喜びすることでしょうね。情緒に充ちたすばらしいアルバムです。あなたは、"Joe Cocker作曲のYou Are So Beautifulを唄うとき、動物のなかに見る「」ということについて唄っているといわれていますが、ほんとにそうなんですか。
(デイ)
 そうね、見るわ、私は、動物のなかに「」を見るわ。私は、いたるところに「」を見ます。私の庭に「」を見ます。

                                                                              (2011年.9月1日のThe Telegraph紙)

*4.無造作に断言しているが、「*1」でも述べたとおり、おそらく、誤りである。

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 2013.10.25記事には上記のような見出しの下に、次のようなことが書いてある。
 Mail Online紙から怒られそうだが、以下、概略を転載する。
記事は総体的に、「隠遁生活」、「秘密の生活」、「世に隠れた姿」といったことを過度に強調する点で、バイアスのかかったものになっているようだ。種々のネット記事をみると、隠遁めいてはいるが世界と没交渉ではなく、それなりに活動しているように思える。
 何よりも、89歳6ヶ月のはずの年齢を91歳と報じているのだが、その理由がまったく分からない。単純ミスとみることは、まずできない。なぜ「91歳」としているのか。

  ↓下の画像が記事の全容である。

20131025

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 カリフォルニア州のCarmel Valley。美しいこの地に建つ要塞のような邸宅、ドリスデイの家の巨大な門の前に立っていると、ときたま犬の鳴き声が聞こえる。ハリウッドのスター女優と生活を共にしている連中だ。

 ドリスデイが、――現在91歳だというのだが(*5)、世に隠れて生活していることで知られるこの人物が――、まだ生き永らえていることを知ると人々は驚くであろうが、この人は、かつて、真夜中に家の近辺の町を人目を忍んで動きまわることを(ジョギングなど運動のために)生活習慣にしていた。それから、数年になる。

 野良犬や痩せ猫をみつけては、車で家に連れ帰っていた。50匹もの犬がいたこともある。邸宅の門の外に犬/猫を捨てていく者も現れた。このハリウッド大女優は必ず引き取り、放置することはなかった。
 きびきびした、艶のある若々しい顔つきの、ファン受けのするブロンド女優は、Rock Hudson(ロック・ハドソン画像 )との共演によるPillow Talk(邦題「夜を楽しく)でオスカーを取った。James Stewart(ジェームス・スチュアート画像 )との共演による The Man Who Knew Too Much(邦題「知り過ぎていた男」)で唄ったケセラセラ(Que Sera Sera)でも受賞している(当ブログ主「注」―アカデミー歌曲賞/Best Original Song)。

 しかし、問題まみれの4回の結婚/離婚、――暴力沙汰が絡んだこともあったが――、その出入りの後、男関係とは縁を切った。その後は犬と暮らした。ただ、噛まれやしないか、怪我をしないかと不安を感じてもいたという。友人がそう語っている。
 この、負傷や疾病への不安の問題は、当人がChristian Scientist(クリスチャン・サイエンス、科学者キリスト教会、キリスト科学者)宗教の信者になっていたために、切実なものとなっていた。近代医学に頼るのではなく、祈りによって病を癒すべきであると説く宗教である。

 この理由で、一度、死にかけたことがあった。
  当人が出血を続けていたのに、クリスチャン・サイエンス教信者であった夫が、医者にかかることを数週間にわたって禁じたからである。検査の結果、腸に腫瘍ができていた。子宮摘出手術を受けるはめになった。それから数年後には、その身辺の世話をした友人が語るには、当人自身、この信仰から、アスピリンを飲むことすら嫌がるようになっていた。

  数ヶ月前、当人の介護人の一人が、ハーブ系の(草本)治療薬を買うところを目撃されている。おそらくは、デイの尿感染や腎臓疾患を治療するために使用するものと推測されるが、医師ならば、当人のこの年齢を考えると、そんなものは処方しないであろう。そういう類いのものである。

 当人は病気にかかると神への祈りにすがるという。地元クリスチャン・サイエンス教会の有力者がそう語っている。現在は、かつて熱心に通っていたCarmel所在の教会を訪れることはないというが、「母なる教会」への寄付を依然として続けている。

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 今週になって、かつて当人に献身的に仕えたハウスキーパーとして知られるSydney Wood(シド二ィ・ウッド)が、この崇拝するアイドルの身を心配する声を寄せてきた。ウッド氏はイギリス人であり、20年余にわたって、信頼される相談相手、被使用人として当人に仕えてきた人物であるが、公の場で発言することはこれまでなかった。
 しかし、ここにきて当人の身を案じる懸念を語るとともに、ドリス・デイが数十年にわたって過ごしてきた秘密的な隠遁生活の蓋を初めて開けてみせた。

 ドリス・デイは1968年にハリウッドを引退した。その時、すでに39本の映画を残してこそいたが、齢はまだ44歳だった。それなのに、自らの身に沈黙の壁をめぐらした。
 しばらくのあいだ、あれこれのテレビ番組に出演したが、徐々に公共の目から消えていった。
 ウッド氏は、East Anblia(イギリス東部のNorfolk、Sufforkなど4州を含む地域)で育っていた若者として初めてドリス・デイの唄を聴いてからこの方、ずっとこのスターを崇拝している人物であるが、ここにきて、相手のことを、孤独で弱弱しい存在であると描写している。当人の友人、人間の友人は、そのほとんどが亡くなっており、動物の友人、身を取り巻く犬たちについても、自身ではもはや適切に世話することもできない状態になっているとして。

 かつては、忠実な召使たちによる内部軍団が、スポットライトを避けようとする当人を数十年間よく支えてきたが、その者たちは去ってしまった。
 当人の家族についていえば、最愛の一人息子として愛情を注いできたTerry Melcher(テリー・メルチャー)、ミュージシャン、は2004年に死亡しており、唯一の孫であるRyanは、当人と疎遠になっていることで知られている。

 以前は身辺の世話する適切な人々に囲まれていた。私のような者たちだ。金のためでなく、愛情から働いた者たちだ。ウッド氏はそう語る。
 ウッド氏は7年ほど前に当人との雇用関係から離れたが、当人との連絡をとり続けようと努め、少なくとも、当人のために働いている人物の一人とはずっと連絡を取り続けている。そう語る。
 「連中が彼女の元にいるのは、彼女がスターであるという打算的な理由からのことでしかない。適切に世話をしていないんじゃないか」と心配している。

 かつて、磨かれるように手入れの行き届いていた住居は、今では、だらしのない、ひどい状態に陥っている。紙の皿で料理をだしたりもしている。ウッド氏は語る。「彼女は、住まいをきちんと運用していくことについて、大きなプライドをもっていた」、そう語る。
 清潔さということについて過剰なほど捕われ、自分のベッドルームに洗濯機を置き、アイロンかけも自ら行うほどだった女性は、我が身の肉体外観維持にも気を使っていた。じっと座っていることなんか、まずなかったぐらいだ。しかし、昔の姿はない。今では、家にじっと閉じこもっている。
 実際に、隣人二人はいう。彼女の体調が良くないことは仲間内では知れ渡っている事実だと。これまでは、何人か地元の人々を家に招いたりしていたのに、それもしなくなったと。
 公の場で写真を撮られたのは2008年が最後で(上の脚注4参照)、顔は帽子とサングラスで隠れている

 彼女のファンは、――それは、イギリスからの者が多いのだが――、カーメル(Carmel)にある当人の共同所有となっているホテル(「注」当ブログ主― おそらくココ) に投宿する。そこに行けば、ドリス・デイの姿を見ることができるのではないかと考えてのことだ。しかし、がっかりする。
 当人は、巨大な建物に、住み込み看護婦と二人だけで暮らしている。もちろんペットの動物もいるが、それも、今では二、三匹の犬だけになっている。当人に怪我をさせる虞のあるような大きなペットは追いやられた。
 以前の共演主役男優のなかで今でも生きている者としては、ウッド氏は一人しか想いだせない。James Garner(ジェームス・ガーナー)である。ドリス・デイと2本の映画で共演したスターで、かつて、デイのことを、「ものすごくセクシーな女性だ、だけど、そのことに気付いていない」と評した。

 ドリス・デイは、大勢の昔からのファン層を大切にする気持ちを抱き続けているが、個々のファンレターに返事することは、負担が重くてできない状態になっている。

 シドニー・ウッド氏は現在71歳、メイン州でボーイフレンド、Cliffと生活している。このスタ-女優の回想を語っているが、その内容は、必ずしも、へつらいを述べるだけではない。
 ウッド氏は、サフォーク州とロンドンで育ったが、この胸の豊かな金髪スターがスクリーン上で演じる姿は50年代の意気消沈したロンドンに必要な陽光の炸裂であった、と回想する。
 氏はDoris Day Fan Club in Britain(ドリス・デイ英国ファンクラブ)を設立し、1976年に初めて憧れの人に会った。相手がロンドンのDorchesterホテルに滞在中のことである。
 デイは、ウッドを、カリフォルニアに来て自分のために働くように説得し、1979年にそうなった。ビバリーヒルズにあった旧宅とCarmelの住居(当ブログ主「注」、おそらくココ)の両方で働くという仕事である。

 驚喜のウッド氏は、あらゆることをやった。プール掃除から電話応対まで。氏自身は、無料奉仕同然でも喜んで働く気でいたが、ドリス・デイは、使用人に対してほんの小額の賃上げさえ渋った。ウッド氏はそう回想する。デイは、金銭問題では短気だった。「ワーナーブラザースで働き始めた時、私は、たった週300ドルで働いたのよ」、よく、こういったものだ、ウッド氏はこういい、「だけど、当時はガソリンが10セントだった時代だからね」と苦笑する。
 彼女は「金の問題」については非常に神経をとがらした、ダンサーとして苦労していた頃に貧乏で苦労したからだと思う、ウッド氏はこういう。買い物のときでさえ、クーポン(割引券など)がないかと探しまわり、それを利用した。
 そうしておいて、蓄えた金をペット基金に寄付した。

  引退した後、ショービジネス界との絆を断ち切ろうと努めてはいたが、完全に過去との縁を切ったわけではなかった。有名人が立ち寄ったり、電話をかけてきたりした。ドナルド・レーガン大統領は50年代に共演したボーイフレンドだが、大統領時代にも電話を寄こした。
 ある新聞が、レーガン大統領について、ホワイトハウスで飼うのが面倒になったペット犬を自分のカリフォルニア州牧場に連れてきたと報じた。
 このニュースに対して、ドリス・デイは、ある雑誌の記事において、その犬がちゃんと世話してもらえるように望むという談話を表わした。そうしたら、レーガン大統領から電話がかかってきて、犬は大丈夫だから、心配しなくていいと言って寄こした。
 ウッド氏はこう語っている。

 Paul McCartney(ポール・マッカートニー)が訪れてきたこともある。デイとは初対面であった。ある日の午後、電話をしてきて、ウッド氏が応対した。デイは、どうせ騙り電話だからうっちゃっておけといったが、数日後にマッカートニーが当時の妻、Heather Millsと一緒にやってきた。鉢植えの植物とビスケットを手土産に。マッカートニーは当時ロスアンゼルスに滞在していたのだが、ドリス・デイが主演した映画Calamity Janeの昔からの大ファンだったので、その主役女優に会おうと決心したのだという。
 デイとマッカートニーは現在でも電話で話し合う仲である(*5)。

 野良犬救助など動物への献身的な世話のために、家政は大変だった。缶詰ドッグフードは禁止である。当人は毎朝早く起きてきて、使用人と一緒になって餌作りをした。鶏肉を処理し、骨を取り去って与えるのである。
 ベッドに七ハ匹の犬を上げて一緒に寝ることもあった。
 ドリス・デイは動物福祉基金を設立したが、毎日、午後はその仕事に当てられ、さらなる募金活動をした。
 

*5.マッカートニーとの関係を述べているこのくだりは、ちょっと「おかしい」ような気がする。下に項を改めて記す。

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[ポール・マッカートニーとの関係]
 2011.9.1のThe Telegraph紙に、同日付けのドリス・デイ自らの手記記事が載っているThe Telegraph---注意!!、リンク処理が完全に終わるまでじっくりと待たないと、ハングアウトする危険がある)。その年、カリフォルニア州Camel(カーメル)のデイの自宅でマッカートニーと対談したのだが、その内容を逐次的に記したものである。内容は、87歳になるデイが17年ぶりに出す新アルバム、"My Heart"についての話題が中心である。
 対談でマッカートニーは、冒頭、次のように述べている(マッカートニーは1942.6.18生れ、71歳)。

 <<<60年代に、Calamity Jane(1953映画)を観た後であなたに電話したことを思い出します。最高の映画で、最高の演技だということを伝えたくて電話したことを>>>
   I remember ringing you up after watching Calamity Jane in the Sixties to tell you it was the best film and you were the best character.


 なお、この記事にその当時のデイの写真(発売目前CDの販売促進用に撮影したもの)が載っている。となると、MailOnline紙では先に掲げたように「2008年以後公の場で(in public)写真を撮られたことはない」とか、「だが、この隠遁生活スターの姿は、2008年以来、写真に現れていない(冒頭見出し)」と述べているが、それは誤りであることになる。

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[17年ぶりのニューアルバム"My Heart"]

Myheart                                       アルバム"My Heart"(Wikipediaから)

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2013.10.14 MailOnline紙記事からの若干の補足

Mailonline_2
EXCLUSIVE - My fears for my darling Doris Day: Confidante who spent 40 years with the reclusive Hollywood star, now 91, worries about the hangers-on who now share her home - as he reveals unseen photos of their time together
"    Sydney Wood tells all about life with the Pillow Talk star - and his worries for her now
"    The British caretaker admits: 'Doris isn't what she used to be and she's now confined to her house for much of her days'-
"    He reveals secret visits by Sir Paul McCartney - and phone calls from her ex-love, President Ronald Reagan, from the White House
"    Doris Day has not been pictured in public since 2008


By Chris White
PUBLISHED: 17:39 GMT, 14 October 2013 | UPDATED: 21:58 GMT, 14 October 2013
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独占記事――愛するドリス・デイのことが心配。
 隠遁生活を続けるハリウッド・スター女優、91歳に達した女優を、共に40年以上を過ごしてきた親友が案じている。デイの住居にたかる寄食者らによって害を受けていると嘆いている。共に過ごした往時の未公開写真を開扉しながら。
・Sydney Wood氏が、Pillow Talk(邦題「夜を楽しく」、1959年映画」)主演女優の生活についてすべてを語り、その現状の心配事を明かす。
・Sirポール・マッカートニーが訪れたという秘密を明かし、以前の愛人、ロナルド・レーガンからの電話、ホワイトハウスからの電話を明かす。
・ドリス・デイは2008年以来写真を撮られていない。


Chris White記者
グリニッジ標準時間17:39、2013年10月14日


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 このような見出しから始まる記事であり、上に掲げた2013.10.25記事とかなりの部分が重なる内容のものである。
 10.25記事の補完材料となるような事項などをいくつか掲げておこう。

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 シドニー・ウッド氏はドリス・デイの下で約40年働いてきた。現在71歳。2000年にドリスの家を出た。お互いにお互いの神経に触るようになっていたからである。
 ウッド氏はイギリス、サフォーク州(Suffork)で生まれ育った。ドリス・デイのファンクラブを立ち上げ、手紙や電話で当人とやりとりした。1979年にデイから、自分の下で働いてくれといってきた。

 ドリス・デイは1968年、映画界から引退し、カリフォルニア州カーメルに立地する11エーカーの敷地の住居に移り住んだ。忠誠な使用人たちに助けられて世間の目から逃れる生活を送ることができた。名前をClark Kappelhoffに変えさえした。元来の名前がDoris Mary Ann Kappelhoffだったからである。
 めったにないことであるが、たまに、外に出て、景色のいい自宅周辺一帯を散歩した。メーキャップなしで、つばの広い帽子をかぶり、ジョギングパンツにスニーカーといういでたちで。

 かつては適切な使用人たちに適切に世話されていたが、いまでは異種の人々に囲まれている。連中は当人がドリス・デイというスターだからという打算的な理由で寄食しているだけで、当人の世話をしていない。
 実際、デイは、引退後も最近まで数十年にわたってずっと同じ家事使用人を維持し、その者たちを親しい友達のように扱った。ところが、今はこのざまだ。紙の皿で料理を出したりしている。以前には考えられなかったことだ。きちんとした家事運営に誇りをもっていた人だ。
 きれい好きで、ベッドルームに洗濯機を置き、いつも、自分ほどアイロンかけのうまい人はいないと自慢していた。箒を持たせたら放さない。私が表で掃いていると箒を奪い取ったりするのである。
 ウッド氏はカーメルの住居で、二度働いた。1919から1992と、2000年代の6年間である。

 ビートルズのスター、ポール・マッカートニーが突然電話してきたとき、デイに取り次ぐと、デイは、ウッド氏が冗談をいっているのだと思った。
  「ビートルズ? よしてよ、誰かのいたずら電話よ」。
その後、90分間も話をして、電話を切り、こういった、「ここに来たいっていうのよ、犬たちに会いたいって、私の映画のうちのある一つが気に入っているって、来て、私がやってきた仕事について語りあいたいって」。
 Sirポールは当時の妻と連れだって、鉢植え植物とGirl Scoutクッキーを手土産にやってきて5時間滞在した。ポールは今でも電話してくる。

 ドナルド・レーガン大統領のこと、1950年代初期に二人が共演していたころ、デイはドナルドを愛していた。当人がいうには、レーガンはそのころから政治を語っていた。運命が上手く運んでいれば、大統領夫人になっていたかもしれない。
 レーガンのことを偉大な大統領だと評価していた。デイは根っからの共和党員である。

 ドリスは4月3日に91歳の誕生日を迎えた。
 ウッド氏は、デイがみせる齢を感じさせぬバイタリティについて冗談をいったことを想いだす。
 「いつもいったもんです、『永久に生きるんですね、誰よりも長生きする』と。そうすると彼女は笑い流して、冗談はよしてというのです」。

 (イ)91歳だということと、(ロ)2008年以後写真を撮られたことはない、ということについては、10.25記事と同じである。
 先にも触れたが、なぜそう論じているのか、断じているのか、理由はまったく分からない。一般的見解からすれば「事実と反する」ことを、二度にわたって論じているのだから、何か理由があるはずだ。それは何か。

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↓下の画像が記事の全容である。

Photo
   2                                                                            (MailOnline2013.10.15記事)

{追記]
 続き記事 ― 2013.11.5にこの話題について「続き記事」を載せたので参照されたい。
 関連記事 ― このMailOnline記事をブログ題材にとりあたのには訳があるのだが、そのことについて2011.11.9記事で触れているので参照されたい。

―― 完 ――

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2013年10月15日 (火)

♪I'll Remember April(1942)に取り組んでいる。超絶人気スタンダードだが、変則構成曲で(16x3 or 8x6=48)、曲を覚えることすら難しい。歌詞と日本語訳を掲げておく。

2013.10.15
  いつまでもしつこい暑さ、熱さ、異常極まりない天候だったが、それも、やっと終わるか・・・その気配。ああ、よかった、やっとかい。
 それはうれしいんだが、十年一度の凶暴さだという台風が襲ってこようとしている。本土南方を、予想どおりに、25km/hで北上しているらしい、関東に上陸の恐れだって、kuso。
 机を据えた北東角部屋、左耳50センチのところに位置するブリキの雨戸がバラバラ鳴っている。
 まあ、それはそれ、今日の記事、I'll Remember April、アイル・リメンバー・エイプリル(定着邦題「四月の想い出」)を進めよう。
 前回記事(2013.10.09)の、まあ、「続編」みたいな記事だ。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 このI'll Remember April(1942)、もう、あらゆるアーティストが録音している超絶人気スタンダードだが、曲を覚えるのが、全体を頭に入れるのが、えらく難しい。
 友人が練習発表会でこの曲を弾くというので、こちらも、わがレパートリーに取り入れようという気になった。
 しかし、難しい。 
            ----------------前回記事から-----------------
 しかし、ところが、この曲、二回、三回と聴いても、その全体像を掴むのは難しい。そう、黙ってて、つまり、何度か聴いているうちに自然に、頭に入る曲、覚えられる曲ではない。
 ラララ、ラララリ、ラーララリ・・・。最初の4小節は、なぜかしらん、これ、頭にこびりつく。覚えようとしなくても。ラリリ、ラララリ、ラー、次の4小節も二度三度聴くうちに、まあ、記憶される。
 だが、その後は難しい。その後何度聴いても、意識的に覚えようとしない限り、頭に入らない。すなわち、「この後、どうだったかな」ということの繰り返しになる。


 曲は、特異な[ABA']の16x3=48小節であり(あるいは、[ABCDAB'、8x6=48)、一般にみる[AABA、32小節](8+8=16+サビ8+8)といった馴染みものではない。つまり、そういった(標準的な)流れを前提にして、というか流れに沿って旋律を構想したものではない。そういう、「こうきたから、次はこうだろう」といった、いわば「予測できる」旋律構成にはなっていない。
 歌を覚えるには、あるいは、曲が吹けるようになるには、意識的に覚える、何度も繰り返して覚え込む「練習」が必要だ

                            --------------記事引用終わり--------------

 歌詞と日本語訳を掲げ、周辺事情などについて語ってみよう。
 まずは、どんな曲なのか、歌を聴いてから。

■ Frank Sinatra - I'll Remember April
  元来意図されているテンポより(おそらく)遅く、ゆっくりと唄っている。

◆◆◆◆◆◆◆◆
■歌詞と日本語訳
                               ♪参考資料[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]
                        I'll remember April
                        
    (w)Patricia Johnston, and Don Raye   (m)Gene DePauland, 1942

This lovely day will lengthen into evening,
We'll sigh good-bye to all we've ever had.
Alone where we have walked together,
I'll remember April and be glad.

I'll be content, you loved me once in April,
Your lips were warm and love
     and spring were new.
But I'm not afraid of autumn, and her sorrow,
     for I'll remember, April and you.

The fire will dwindle into glowing ashes,
For flames and love live such a little while.
I won't forget, but I won't be lonely,
I'll remember April, and I'll smile.

                      四月の想い出  (定着邦題を生かす)    (独自訳)
今日、この最高の日も、やがて、たそがれ、
ぼくらは、ため息で、別れを告げることになる。
 二人で過ごした、あらゆることに。
 ぼくはこの先、あの、一緒に歩いた場所に道に、独りぼっちでたたずみ、
四月を、愛し合った日々を想いだし、うれしく想い出に浸ることになる。

だけど、それでいい、運命に甘んじよう。
 今日の想い出があるもの、君との愛の四月が。
君の唇は暖かく、恋も春も新しく新鮮だった。
秋が、哀愁の秋が来るけど、
 ぼくは恐れはしない、悲哀も感じない。
四月を、君のことを覚えているから。

火の炎も、恋の炎も、やがては衰え、灰の輝きを惜しみつつ、遂には消える。
炎にも、恋にも、宿命があるから、寿命は短いという宿命が。
だけど、ぼくは決して忘れないよ、寂しい気持にもなりはしない
四月を思い出し、微笑むんだ。

 
[翻訳工房]
    (以下、断わりのないかぎり、英語語句に対する日本語訳は、「小学館英和中辞典」による)
1.推測で語ることの断り
 この曲は映画の劇中歌として世に出たものだというのだが、歌詞には、実際に映画を観ていないと、はっきりとした意味がつかめないところがある。すなわち、誰が誰に対して、どのような状況の下で、何を訴えようとして唄ったかとうことを知ることが肝要なのだが、当ブログ主は映画を観ておらず、そこらの事情を充分につかめない。
 したがって、掲げた日本語訳には「おそらくこうであろう」と、推測で物を言っている部分が多い。まず、そのことを断わっておく。

 曲は1942年の"Ride 'Em Cowboy"(邦題「凹凸カウボーイの巻」)(*1)という映画で世に出たものである。ただし、楽譜自体は1941年に、おそらく暮れのことであろうが、出版されたという。翌1942年2月に映画が公開され、3月にWoody Herman and His Orchestra(ウディ・ハーマン楽団)がレコードを出してポップ・チャート23位につけたとされる。(JazzSrandards.comから)

 映画は、当時の超人気喜劇コンビ、" Abbott & Costello(アボット&カステロ)"主演による喜劇映画である。だが、まあ、実質的にはこのコンビが主役なのだが、一応、形式上は、恋物語仕立てとして、主演男優/女優というものが存在する。
 こうだ。
---------------------
 ブロンコ/Bronco Bob Mitchell (男優、Dick Foran)は、超売れっ子西部劇小説作家なのだが、実際には、西部に足を踏み入れたこともない男だ。そのことを新聞記事で暴露され、ファンの抱くイメージを損ねかけている。そこで、ロング・アイランドで開催される慈善ロデオ大会に出演して、いいところを見せて挽回をはかろうと画策する(ロデオ画像 )。
 ところが、馬に乗っているときに、近くで子牛の逃走騒ぎが起こり、馬が暴れて振り落とされてしまう。アン/Anne Shaw (女優、Anne Gwynne),が場に飛びだし、牛を引き倒してブロンコを救う。
 アンはこの救出劇で負傷し、予定していた大会賞金10,000ドルを逃がしてしまう。ブロンコは救助に感謝してはいるものの、アンは、ブロンコの都会っ子的なずる賢さみたいな雰囲気に嫌気がさして、アリゾナに、父親が経営している観光客用牧場に戻る。
 ブロンコは、謝ろうと、アンを追ってアリゾナに行き、本腰を入れてカウボーイ修行にいそしむことになる。(Wikipediaから)
---------------------

 さて、この、ブロンコが、アンに向かって唄うわけである。
        (どういう状況下で唄うのかということが分かればうまいのだが、映画を観ていないのでつかめない)
 ある映画評論家は、次のように語っている(JazzSrandards.comから)。
――I'll Remember Aprilは、狂気渦巻くなかで一瞬正気を取り戻すことのできるオアシスである――

*1."Ride 'Em Cowboy"の直訳的な意味は、「荒馬どもを、全部乗りこなしちゃえ、カウボーイ]というようなことである。「'em」は、"them"のことである。つまり、暴れ馬(かん馬)のこと。

2.語句の意味
(1)This lovely day will lengthen into evening,

(i)"This lovely day"
 まず、"lovery"の意味だが、「よく晴れて気持ちのいい日」みたいな天候のことを表わしているのではなく、恋愛面での「素晴らしい 日」、例えば、「念願の恋が成就した日」、「二人の気持ちがぴったり合わさって、恋が燃え盛った日」といった意味であろう。
次いで、
 
(a)二人が現在身を置いている「今日」のことをいっているのか、つまり、「今日、この素晴らしい日」といっているのか、それとも、   
 (b)「このような素晴らしい日」といっているのか、
  つまり、それは、「今日」のことかもしれないが、そこに重点はなく、いわば、一般的に素晴らしい日」といっているのか。
 「(a)」と解釈した。
(ii)"lengthen into" - (vi)延びて(.........)になる。
   「(i)、(ii)」参照。二人の恋の行方を示しているわけである。
(iii)"evening"
  ここでは"the"は付いていないのだが、 "the evening"で、晩年、(一般に)末期、何々の衰退期、the evening of life=人生のたそがれ、晩年。
 つまり、(i)との相関で、「今日このように燃え盛っている二人の恋も(あるいは、恋は)、やがて勢いを失っていく、いこうとしている」ということを述べているのである。
 いうならば、外形上の「晴れたこの日もやがて夕刻を迎えてたそがれる」という文章によって、二人の恋が進もうとしている方向を暗喩的に示しているのである。

(2)We'll sigh good-bye to all we've ever had.
  "all we've ever had"- これまでに過ごしてきたあらゆること。
  ネットには、「今日一日、これまでやってきたこと、すべて」と解している者がいるが、 おそらく違う。
 その場合には、"all we've had today"といいった表現になるはずである。ここでは、"ever had"となっている。
  知り合ってからこれまで、というよりも、多分に「恋中に」なってからこれまで二人でやってきた様々なこと、こういうことだ。

(3).I'll remember April
  "April" - 「四月」って、語っている今は、四月なのか。
   "this April"とか"the April"となっていないので、抽象的に「『四月』というもの」といった意味にもとれる。おそらく、ブロンコが唄っている現時点は、「四月のある一日」なのであろう。そして、その日は、上記(1)で述べたように、「恋が燃え盛った」日なのである。
 二人の関係は止もうとしているが(なんらかの原因で)、この日、「燃え盛った日」のことを忘れない、想いだすということを訴えているのである。
 その日のことを"April"、「l四月」で表わしているのである。
 こう解釈した。
---------------
Raye’s and Johnston’s narrative relates how two parted lovers will remember the past, a similar theme to the one employed by Dorothy Fields in 1936’s “The Way You Look Tonight.”
  RayeとJohnstonによる歌詞は、別れ行こうとしている恋人どうしが、将来において過去のことを回想する様(
愛しく想いだす)、ということに関係する。ちょうど、1936年の曲"The Way You Look Tonight."において作詞家 Dorothy Fieldsがその歌詞で狙ったテーマと同じである。       (JazzSrandards.comから)
------------------
  まあ、とにかく、映画を見ておれば一発で解決できる問題なんだけどね。


◆◆◆◆◆◆◆◆
                                  (左)Ride "Em Cowboy                   (右)William "Bud" Abbott and Lou Costello

Photo                     Dick ForanAnne Gwynne
            この1940年代活躍女優は、第二次世界大戦中の人気ピンアップであったそうだ(画像)。

■Ride 'Em Cowboy Official Trailer #1 - Lou Costello Movie (1942)

  (映画予告編)


2  
これって、アリゾナまでロデオ娘を("cowgirl"、カウガール)追っかけていって、再び結ばれた後の場面かい。男は、娘の指導によりカウボーイ生活を学び、乗馬技術その他を習得して真のカウボーイとなり、娘率いるロデオ・チームの一員として州チャンピオンを決めるロデオ大会に出場し、優勝したりするんだけどね。

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2013年8月26日 (月)

♪On The Sunny Side of the Streetの歌詞と日本語 ―"This Rover, crossed over."― James Ellroy(ジェイムス・エルロイ)のBlood's a Rover(2009)を読んだ。"Rover"・・・・・・ウム。

2013.8.26
 James Ellroy(ジェイムズ・エルロイ)のBlood's a Rover(2009作品)を読んだ(*1)。 その題名の意味、含意についていろいろと考察しているなかで、ある曲を、ジャズ・スタンダードを連想した。
 On The Sunny Side of the Streetである。歌詞に、"This Rover, Crossed over"というくだりがある。それが連想を引き起こした理由だ。
 そこで、事のついでに、その歌の歌詞と日本語訳を記事にして載せることにした。
 語っている物語というか、描いている世界というか、相互に全く関係ないんだけどね。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 記事投稿を一ヶ月も空けてしまったんだが、――暑くて暑くて、熱くて、もう、ドロドロ、ネトネトで、死にかけていたからだが ―― 、やっと涼気の気配、とにかく、なんでもいいから、とにかく、一つ記事を乗せて、再開の呼び水にしなきゃいけないということもある。そこで、手っ取り早く済むもので、ということで、この記事だ。

*1.James Ellroy/Blood's a Rover
                                   (脚注だがm普通サイズで記す)
 
犯罪/暗黒小説で知られるアメリカ人作家。
(a)その猟奇的ともいえるほど奇異な生い立ち、
(b)作品題材として1940年から70年代にかけてのアメリカ裏社会の政治面、社会面、経済面での陰謀の暴露を粘着質的ともいえるほどしつこく追っかけているという姿勢(ケネディ兄弟、キング牧師暗殺に潜むマフィアの暗躍、フーバーFBI長官による赤思想弾圧、黒人解放運動破壊工作など)、
(c)特異な文体(主語や動詞を省略して、ボーンと放り投げるような、ぶっちぎったような文章、電話会話/電報通信文体、日記モノローグを通じて筋を語っていく手法を多用する構成)
  などの点から異彩を放ち、その風貌ともあいまって、異色的存在である。
 「アメリカ文学界の狂犬(mad dog of American Letters) ― 自らそう名乗っているという。

  作品群の中に、①American Tabloid(1995)、②The Cold Six Thousand(2001)、③Blood's a Rover(2009)というのがあり(↓画像)、登場人物、背景社会、描かれている事件、時系列的時代推移などにおいて相互に密接な関連性をもっていることから、俗に、Underworld USA Trilogy(「アメリカの暗黒世界をえぐる三部作」の意)と総称されている。
 "Blood's a Rover"は三部作の最終作である。
    ----------------------脚注(1)終わり----------------------

Bloods                             (Under World USA Trilogy、
アメリカの暗黒世界三部作)

 エルロイを知ったのは、いつのことだったか、偶然、"White Jazz"という当人の1992年作品(↓画像)を書店の棚から抜き取って手にしたことに始まる。昔のことで記憶が薄らいだが、確か、そうだった。それを手にしたのは、単に"Jazz"という文字に目を惹かれただけのことによるものであった。探偵物というかスリラーというか、そういうものでジャズを題材にしたものはないかと、いろいろ探していたのである。

 伊勢佐木町(横浜)有隣堂でのことであったか。
 まだ4階洋書コーナーが、どんと威張って構えていたころのことだ。
 確か、Nelson DeMilleについてであったか、こちらが「その本はないか」みたいな質問をして、返ってきた答えから、その女性店員さんの、「うんちく」、洋書/海外作家についての深い知識を感知し、驚いたころのことだ。

 そういう人がいた。正社員かパートか知らぬが、そいうい「人材」、「専門職みたいな「店員」さんを配置することが書店としての、大型洋書コーナーを設けるだけの書店としての、一流書店としての務めであるとする職業倫理、見識、矜持がまだ実効性を有していた時代だった。
  (よかったねえ、あのころ。「労働法」、「労働問題」、人間社会の根元的な問題追及みたいなことが、この世から消え去ろうとしていた、ぎりぎりのときだったけど)

 以降、本屋に寄る度に、まあ、伊勢崎町有隣堂だが、「エルロイ、ないか、ないか」と探して、苦労しながら追ってきた。
 "amazon"なんてものは存在しなかった時代だ。そうやって見つけるしか、すべはなかった。

 この三部作3冊は、「とにかく手に入れたい」という想いから、amazonで買った。つまり、書店洋書コーナーでの、「探しに探して探し当てた興奮」だの、「思いもかけず、いきなり出くわした幸運の喜び」といったものに出会うことのありうる愉しみを「犠牲にして」、「新自由主義横行の象徴」みたいな"amazon"から買った。

 ただし、三冊買ったんだが、第一作は飛ばして、第二作から読み始めた(つまり、American Tabloidはまだ読んでいない)。そのせいで、第二作、"Cold Six Thousand"、読み始めてしばらくは、話の脈絡がつかめないところがあり、とまどい、筋を追うのに苦労した。やたら、登場人物が多いので、進んだり戻ったり、ノートにメモを取りながら読まないと何がなんだかわけが分からなくなる、ということの追い打ちが苦労に拍車をかけた(最初のうちは、余白に人物メモを書きこんだりしていたんだが、それでは追いつかなくなった)。


La2                                                                     
(White Jazz)

  右端が"White Jazz"。この、The Black Dahlia(1987)、The Big Nowhere(1988)、L.A. Confidential(1990)、White Jazz(1992)を、俗に、L.A. Quartet(L.A.四部作)と総称する(L.A.は、いうまでもないが、ロスアンゼルスルのこと)

◆◆◆◆◆◆◆◆
■■■さて、歌詞/日本語訳に移ろう。
                          ♪参考資料[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]

                On the sunny side of the street
                                       
(w) Dorothy Fields (m)Jimmy McHugh, 1930
[Verse]
Walked with no-one, and talked with no-one,
       and I had nothing but shadows.
Then one morning you passed and I brightened at last.

Now I greet the day,
      and complete the day with the sun in my heart..
All my worry blew away.
When you taught me how to say: 


[Chorus]
Grab your coat and get your hat,
  (and) leave your worries on the doorstep.
Just direct your feet to
 the sunny side of the street.

Can't you hear a pitter-pat?
 And that happy tune is your step.
Life can be so sweet
 on the sunny side of the street.

I used to walk in the shade
      with the blues on parade.
But I'm not afraid,
   (because) this Rover, crossed over.
If I never have a cent I'll be rich as Rockefeller,
   (with) gold dust at my feet on the sunny side of the street.

             オン・ザ・サニーサイド・オブ・ザ・ストリート

         (「明るい表通りで」、「明るい街角で」
―この二種の邦題が浸透している)

(バース)
 歩くときはいつも独りぼっち、話し相手もいなかった、ずっと。
 あるのは、陰気な暗がり、憂鬱だけ。
ところが、ある朝、君が通りかかり、ぼくの心が晴れた。
 やった! ついに!

 いまでは、張り切って毎日を迎え、心に太陽を宿して日を終える。
憂鬱は吹っ飛んだ、霧散した、
君から歌を教わったときに。
そう、次のように心に言いきかせて唄うようにと。

(コーラス)
 さあ、上着を掴んで、帽子をかぶり、外に出よう。
悩み事なんか、戸口の階段にうっちゃっておけ。
足を、通りの、陽の当たる側に向けさえすればいいんだ。

 パタパタという音が、ほら、聞こえるだろう、
楽しそうな音が、あれ、アンタの足音だよ。
な、日の当たる側を歩けば、人生は楽しいものになる。

 これまで、ずっと日陰、裏通り歩いてきた、暗い人生を。
あれやこれや、陰気に憂鬱をいっぱい抱え込んで。
だけど、オレはもう負けないぞ、
なぜって、オレはそんな流浪者だったけど、
 もう、通りの向こう側に渡ったから、生き方を変えたから。

 一文無しでも、気持ちは、ロックフェラーだ。
足元には、砂金があふれているもの。
 土には金(きん)の価値がある、
明るく表通りを歩く人生ではね。


一、曲について ( 由来など)
(1)1930年のブロードウェイ・ミュージカル、"Lew Leslie's International Revue"(単に、"The International Revue"ともいう)の劇中曲として世に出た(Wikipedia)。

 ジャズスタンダード曲を唄う場合、それがブロードウェイ・ミュジカルなど劇中の歌である場合には、劇中のどのような場面で、どのような状況設定で唄われるのか知ることが重要である。歌解釈との関係で重要である。
 誰が誰に向かって唄うのか、口説いているのか、心離れを詰っているのか、隠れた恋心を切なく訴えているのか、などなど。
 その元の劇において、その歌がどういう意図で、どういう効果をあげるために挿入されたのかを知ることが大切だ。
 
 その当初の「目的」どおりに唄えといっているわけではない。つまり、曲解釈、歌詞解釈、歌唱表現検討において、そのことに絶対的に捕われる必要はない。
 そうではないが、――「歌詞解釈の変遷」ということがありうるのだが、そのことについては、何度も記事に取り上げてきているのでここでは繰り返さないが――、とにかく、なんであれ、当初の、歌の登場時の状況設定を知ることは、歌解釈の「出発点」として大事なことである。

 だが、ここでは、それを知ることはできなかった。
 どのような劇なのか、ネットを探したが、興行年度や出演者など、表面的素要だけを示したものはあるが、どのような物語なのかを(「物語」が存在するとすればのことだが)教えてくれる記事を見つけることはできなかった(Lew Leslieという人物については、ココと、画像ココを見よ)
 ただひとつ、劇中に、(i)ワルツ舞踏、(ii)ベッドルームでのお笑い劇、(iii)ロシアバレー練達者による、目まぐるしく飛び跳ねるバレー舞踏が存在するということを示唆している記事があったが("TIME magazine"記事)、劇の筋書きには触れていない。
 (このTime magazine記事のURLは<(http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,752398,00.html>である。参考までに掲げておくが、接続が円滑にいかず、ハングアウトを引き起こすかもしれない。その危険があることを断わっておく) 

(2)バースがあるなんて、知らなかった。
  これまで、いろんな演奏を聴いたが、耳にしたことがない。今後も、おそらく現れないだろう。
  この記事を書くために歌詞を確認しようとして全音楽譜出版社「スタンダード・ジャズのすべて」②を見たのだが、そこで、バースの存在を初めて知った。
  まあ、唄うとすれば、この部分はゆっくりとルバートで唄いコーラスにつなげるということにしなきゃいけないだろうね。

  バースとコーラスの関係は次のようになっている。
---------------------------------
(バース)
 君に出会って心が晴れた、次のように心に念じながら暮らせと教わってから。すなわち、こうだ・・・
(コーラス)
 ウジウジ悩まず、明るく生きよう、楽天、楽観、能天気・・・明るい表通りを歩こう。
----------------------------------
 こういう関係だから、いうならば、「コーラスだけ唄えば充分、バースの重要度は薄い」ということになる。
 バースを唄う歌手が皆無なのは、この故ではないか。
 まあ、そういう曲は、バースが死んでいる曲は、これに限らず、他にもいっぱいあるんだけどね。

 この関係で笑ったのは、オランダでの「年寄り歌唱コンクール」みたいな催しで( "Senior Song Contest 2007" in Amsterdam)、ひとり、おっさんがこれを、バースを唄っていることだ。YouTubeの場にある。

 このWebページでそれを知った。
  (ずらずらとリンク・リストが掲げられているなかの、「Ferry Verschuyl sings with the verse*. 2007」)というのがそれ。バース文言記述のすぐ上にある。
  それにしてもすごいね、このページ。この曲についてこれまでに存在するインスト/ボーカル録音を、YouTubeの世界でのことだが、探しに探しまくって、網羅的に掲げている。敬服の至り、感服する。CDの紹介もある)。

 さて、話を戻して、おっさんだが、死滅しているバースを、なぜ唄ったのだろうか。
  <<<バースがあるんだよ、アンタら知らないだろ、Jazzを唄うときにゃ、いろいろと研究しなきゃいけない。バースというものがある場合には、コーラス部分しか唄わなくても、――いいかい、それしか唄わない場合でも――、バースとの関連性を一応は知っておかなければいけない。知ったうえで歌詞解釈をしなきゃいけない。「レンディッション」ということを、しなきゃいけない。とにかく、俺はバースを唄う>>>。
 ハハ、そんなことはいってないか。
 上位入賞を果たすための工夫であろう。奇をてらって、まあ、それではことばが悪すぎだが、珍奇性、珍しさを売り物に、入賞への推進ロケットにしようとしたのであろう。

(3)作曲者、作詞者については(Jimmy McHughDorothy Fields)詳 しは触れないが、この劇から、もう一つ、Exactly Like Youがスタンダード化しており、他に、このコンビによる曲として、I Can't Give You Anything but Love(1928)、I'm in the Mood for Love(1935)がある。

二、翻訳工房
(1)"But I'm not afraid, (because) this Rover, crossed over."
(i) 全音楽譜出版社「スタンダード・ジャズのすべて②」では、次のようになっている。つまり、途中にカンマも何もない。これが原歌詞か、おそらく違う。
      
      But I'm not afraid this Rover crossed over.
                 
 向こうの人は、これで意味がつかめるのだろうか。判断しかねるが、次のように考えてよいのではないか。
(イ)印刷文字を目にする場合は、意味をつかむこと自体はできようが、前後の脈絡からして何を述べているのか推測することはできようが、一瞬とまどう。たじろぐ。そして、「何だこりゃ」と、記述の不作法、文法無視に腹を立てる。
 すなわち、次のようにしなければならないと指摘するのである。
       (x)But I'm not afraid, this Rover, crossed over.

       (y)But I'm not afraid. This Rover, crossed over.
(ロ耳から聴く場合には(唄うのを)、意味がつかめる。
        But I'm not afraid ///this Rover///crossed over.

 といように[///]の部分に間を置くからである。
すなわち、上の(x)や(y)と同じことになるからである。

(ii)ここで、"afraid"の用法」に触れておこう。上記議論の基礎になる事項だから。
   [恐がって]
          I'm afraid of.....
   [心配して、気がかりで]
          I'm afraid about(for, of)......
 これが用法である。「恐れる」対象、「気がかりな」対象は、必ず、of, about, for, ofという前置詞を置いて表わさなければならない。だから、ここでは、下に見るように、「何々を」恐れていない、「何々を」心配していない、という「何々」が省略されているのである。
        But I'm not afraid (of.....), this Rover, crossed over.
               But I'm not afraid (about, for, of.....), this Rover, crossed over.
  言い換えれば、[But I'm not afraid]で文章は終わっているのである。だから、afraidの後にカンマかピリオドを打つ必要がある。
       But I'm not afraid this Rover crossed over.
        こんな表わし方は許されない。
   ("afraid this Rover"― 「this Roverがafraidの対象」、なんて考えてはいけない)
  
(iii)以上、長くなったが、とにかく、この文章は意味が分かりにくい。
 そこで"because"を挿入することが行われるようになった。そのように唄っている歌手が多い。
         But I'm not afraid, because, this Rover, crossed over.
            (カンマはあってもなくてもいい)

(2)"Rover"
(i)まず、"rover"という語句の意味。
 元来は、「流浪者」、「漂流者」ということだが、ネクラ(根暗、ねくら)思想の、ネクラ人生を送っている者」、あるいは、「陰気に悩みをいっぱい抱え込んでネクラに暮らしている生活ぶり」といったことを指している。
(ii) "this Rover"
   "Rover"と大文字になっているのは、「この流浪者」と、自分のこと(または、自分の生活ぶり、これまでやってきたネクラ生活)を指しているからである。
 「オレはもう生き方を変えたんだから」と、特定性を持たせるために大文字にしているのである。

 ネットの歌詞紹介ページには、"this rover"と小文字にしているところがあるが、勝手に変えてもらっちゃ困るね。まあ、バースで述べているような「流浪人生」、「根暗人生」を指しているということが、分かるには分かるが、そこにたどりつくのに時間がかかる。大文字になっている場合には、「あ、そうか」とすぐにひらめく。「すぐに」ではなくても、比較的短時間で閃く。

■サッチモ vs. ティガーデン、巨人同士のバトル

  Loui Armstrong vs. Jack Teagerden


(1)初めてこれを聴く人は、演奏に、ルイの歌唱に驚くであろう。
    「あれ、遅い! これって、あの曲?」
  驚きが持続し、やがて1コーラスが終わり、ルイが、そのゆっくりしたテンポで、ゆったりと、フェイクで唱に入っていく(原旋律そのものではなく、ジャズ的に崩した旋律で入る)、いくらか沈んだ口調で、そのなかにも後方から明るさが射してきているような口調で。
 他に類をみないレンディッションだ。

  「アレッ」、「この人、歌、間違えてる」、「いや、いや、違う、そうじゃない」・・・意表を突かれ・・・聴き、しばらく聴き・・・、そして、感動がやってくる、涙ぐむ感動が。
 これぞ、「ジャズ」歌唱、その真髄だ。
 これじゃなきゃな、「ジャズボーカル」というものは。
 調子のいい、アップテンポの、行進曲みたいな歌――100人が100人、この曲につてそのイメージしか持っていなかったなかで、これだ、1947年のことだ。
 Luis、46歳、Jack、42歳。

(2)インスト演奏面でも白眉(はくび)。
 ティガーデンの偉大さを天下に知らしめた演奏である。
   トロンボーン。
   注目して、よく聴いて。
 「アンサンブル」での秀逸な「からみ(絡み)」、そして、ルイの唱になってからの歌唱につけていくオブリガート、これがすごい。そして、そして、そして、唱が終わって、おもむろにソロ。

 場内はルイの歌唱に興奮して、感動して、大拍手を送っている、ぱちぱち、バチバチバチバチ、興奮のるつぼ、総立ちだ、スタンディング・オベイション.....しかし、「ウン?」、「アレ?」 、トロンボーンが・・・・・・。

 --- 静まり返る。どうだね、これ、ジャクティの血を吐くようなソロ、このソロ、一世一代のソロ・・・、もう涙なくしては聴けないね。
 涙もろいようなことばっかりいっているが、さっきから。

 .まさに、巨人、天才ならではのものだ。
 ある意味、この演奏は、ルイの秀逸演奏としてよりも、ジャクティーの名演奏として、見事な「アンサンブル」を創り出す奏者として、傑出したソロ奏者として、その偉大さを示すものとして知られる向きもある。

(3)世紀の名演奏といえる。

(4)からみ(絡み)、アンサンブル
 ニューオリンズ・ジャズ/デキシーランド・ジャズ(New Orleans Jazz/Dixieland Jazz)では、「三管のアンサンブル」ということを重視する(*2)。
 どういうことかというと、ジャズ発祥時ニューオリンズで初期から聴かれた標準的編成バンド、すなわち、トランペット、クラリネット、トロンボーンの3管、プラス、バンジョー、チューバ、大太鼓、小太鼓、ピアノ(場合により)というバンド(あるいは、「ブラスバンド」)においては(*3)、次のような「美しさ」が、なんともいえぬ「味」が、「よさ」、「感動」がみられた。

  <<<トランペットがテーマを吹き、トロンボーンが和音進行を低音部で示しながら、同時に、曲に、演奏にリズム感を与えていく。強力に与えて行く。「タタタッタッタ」のごとし。
 これに、クラリネットが、そのなかを縫うように、泳ぐように、あるいはアルペジオを奏で、あるいは「ピーッ」と高音を長く伸すなどして、色彩をつけ、明るく、暗く色彩を付し、オブリガートでラッパ(トランペット)に応じるなどして三管が奏でる全体音、音楽に幅を与え、層を豊かにしていく>>>

 こういう奏法というか演奏様相のことを「絡み」(3菅が相互に「絡んでいく」様)といい、あるいは、全体としてのその様、ないし、出力としての成果物音楽、音楽的効果を、「アンサンブルと称した。
 もちろん、演ってる連中がそんなことをいったわけではなく、「そんな、小難しいこた、こちとら知らぬ、どうでもいいことだ、自然にやっているだけだ」ということだから、いったわけではなく、その後になんだかしらんが湧くように現れてきた「評論家」たちがいいはじめたことだ。 (まあ、しばらく時代を経ると、奏者自体も意識するようになるんだけどね)
 評論家連中は、この「絡み」、「アンサンブル」の善し悪しを演奏評価の絶対的要素としてきた。
 楽器操縦の上手い下手はあまり関係ないんだよね。多少メロディを間違えても、「ピー」だの「プー」だの「ガー」だの、「ズボ」だの変な音が混じっても、「アンサンブルが秀逸だ」なんて宣うて、その演奏、レコードに五つ星をつける。

 うん、ついつい長くなったが、上の「(2)」で述べたことは、このことに関係する。いわば専門的議論なので、ここで一言しておく。

*2.デキシーランド・ジャズ/Dixieland Jazz
 「デキシーランド・ジャズ」ということばは、場合によって、次のよう、異なる意味で使用される。
(1)
トランペット、クラリネット、トロンボーンの3管、プラス、バンジョー、チューバ、大太鼓、小太鼓という標準編成楽団によるジャズ音楽がニューオリンズで興り、育ったわけだが、それはやがて、シカゴへ、ニューヨークへ、西海岸へ、全国へ、あるいはヨーロッパへと浸透していった。
 世界各地で演奏されるこの種のジャズ音楽を総称的に指す。
 チューバに代わってコントラバスが、バンジョーに代わってギターが入ったり、太鼓陣に各種シンバルが加わったり、ピアノが加わったりという変容はあるが、とにかく、この6、7人編成による伝統的形式のジャズ音楽のことをいう。
 さらには、シカゴにおいて当地の若手白人を中心とする集団によって「シカゴ・スタイル」、「シカゴ・ジャズ」という派が生まれ、発展していったということがあるが、その派も含めて表わす総称である。

(2)上で述べたこの種の音楽には、やがて、浅薄なもの、軽薄/浮薄なハッピー性だけを狙ったもの、商業性に堕した音楽/派が現れてくる。愛好者の一部や批評家などからそう批判される派が現れてくる。
 ニューオリンズでの発祥当時からの、黒人音楽としての伝統的な美しさ、味わい、よさ、みたいなものを大切にする派は、「デキシーランド・ジャズ」という名のもとに、自分たちがそういう浮薄音楽といっしょくたに(一緒くた)に語られることを嫌い、そのようなニューオリンズ伝統を温存するジャズ音楽を区別して表わすものとして、別途、「ニューオリンズ・ジャズ」という呼称を使用するようになる。
 そこで、上記「(1)」のデキシーランド・ジャズ概念からこの「ニューオリンズ・ジャズ」を除いた概念としての「デキシーランド・ジャズ」というものが観念される。

(3)上記「(2)」の概念中の、「
浅薄なもの、軽薄/浮薄なハッピー性だけを狙ったもの、商業性に堕した音楽/派」のことを指す概念として使用されることがある。
 すなわち、上記標準6-7人編成の、カンカン帽にストライプ・スーツ姿の連中による、軽薄ハッピー音楽、伝統的演奏形式には拠っているものの、その中身は、浅薄、軽薄、浮薄な商業的ハッピィ音楽(として堕落したものにすぎない。こういう概念である。
 軽蔑的色彩をもって語られる概念である。
縮めて「デキシー」と呼ばれるときは、この概念が観念されていることが多い。

(4)上記「(2)」からさらに(3)を差し引いた概念が観念される。
 言い換えれば、「(1)」から「ニューオリンズ・ジャズ」と「「3」の浮薄ハッピーものを差し引いたものである。

*3.ブラスバンド
 どこどこ自衛隊ブラスバンド、どこどこ消防隊ブラスバンド、全国高校ブラスバ ンド競技会みたいなことをイメージしてはいけない。そんな形式ばったものではなく、ここでいう「ブラスバンド」は、お祭り、祝い事、葬式といった催しが あるときに町に繰り出す、あるいは街角で演奏する、多分に楽器を手におっとり刀で駆けつける人たちの集団のような(もちろん、事前にきちんと「編成」され ている集団である場合もありうる)「楽団」のことである。
 いわば、「楽団」というイメージで連想してほしい。

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2013年7月11日 (木)

♪ ジャズ・スタンダード曲リスト(A-Z、1,089) ― ジャズ・スタンダード(Jazz Standards)とは何か(その3)

2013.7.11
 ♪ジャズ・スタンダード(Jazz Standards)とは何か、その1その2に続く「その3」、最終編である。
 その概念、定義付けのようなことについて触れてきたが、最後に、「ジャズ・スタンダード(曲)」とみなされる、あるいはみなしうる曲のリストを掲げて、一連記事を完結させることにする。

◆◆◆◆◆◆◆◆
ジャズスタンダード曲リスト(A-Z)
                                               前書/説明
1.出典
(1)ここに掲げるリストは、Wikipediaに(A-Z)リストとして載っている内容と(全678曲)、全音楽譜出版社「スタンダード・ジャズのすべて①、②」の掲載曲(全799曲)を合わせたものである。すなわち、下記(イ)(ロ)(ハ)であり、合計1,089曲ある。

(イ)両方に載っているもの(388)
(ロ)Wikiには載っているが、全音にはないもの(290)
(ハ)全音には載っているが、Wikiにはないもの(411)

(2)Wikipediaリストについて
  リストでは(ココ)、前書(まえがき)で次のように述べている。
--------------------------------------------------
List of jazz standards
  An A-Z list of jazz standards. This list is intended to be as comprehensive a list of jazz standards as possible, including those pop standards and film song classics which have been sung or performed in jazz on numerous occasions and are considered part of the jazz repertoire. ―以下省略―

  ジャズ・スタンダード曲の「A-Z」のリストである。
可能なかぎり包括的なリストであることを意図しているものである。ポピュラー音楽畑のスタンダード曲や映画曲として古典となっているもののうち、何度も何度もジャズ演奏としてとりあげられジャズのレパートリー(上演目録、上演可能なもののリスト)の一部とみなされているものも含まれている。
  (省略部分は、「周辺データ付の年代別リストにつき、右側の表を見よ」という指示見よ)
--------------------------------------------------

  「包括的」リスト」を目指したというんだが、どうみても、それはいただけない。嘘だ。何かの勘違い、ミスが関係しているようだ。素人的に考えても、「スタンダード中のスタンダード」みたいな曲で載っていないものがいくつもある。それなのに、なんで「包括的」なんていっているのか、齟齬(そご)があまりにもひどすぎて、というか、バカ単純すぎて、理由が解せないが、とにかく、そうなっている。読者も、下に掲げているその実物にちょっと目を通せば、すぐにそのことに気付くであろう。

2.リストの見方、凡例
(i)色分けしている。がWikiリスト、茶が上記の「ハ」、全音には載っているがWikiにはないもの。
(ii)Wikiリスト中の"NIA"は、上記の「ロ」、Wikiには載っているが全音にはないもの。
(iii)「A,B,C....」というアルファベット見出し行の表示、略語など。
  [例]
  A (60) +(13) = 73   [Wiki=60、BOT=30 NIA=30、NIW=13, Total=73  ]
(a)「A (60) +(13) = 73」→Wikiリスト60曲() +全音には載っているがWikiniはないもの13曲、合計73曲。
(b)「BOT」は、上記「イ」、Wikiと全音の両方に載っている曲。
  「NIA」は、上記「ロ」、Wikiには載っているが全音には載っていないもの。
  「NIWは」全音には載っているがWikiには載ってない曲()。
  「Total」は、[Wikiリスト+全音リスト]、つまり、[BOT+NIA+NIW]。

 なお、Wikiリスト総数を678曲としているが、実際に当該Wikipediaページで記載している曲の数は688である。重複を削るなどの処理で678とした。例えば、"The Ballad of Mack the Knife"(B欄)と"Mack the Knife"(M欄)が重複しているなど。

(iV)曲名表示を10曲ずつで区切っているが、数えやすくするために施したものであり、他の意味はない。

3.著作権侵害問題

 「スタンダード・ジャズのすべて①、②」に収録されてい曲目を示しているわけだから、「『ジャズ・スタンダード』としてどのような曲を収録しているか(していないか)」というノウハウを曝したことになり、全音楽譜出版社に対する著作権侵害にあたるのではないか」。こういう問題が生じる。然り、侵害にあたろう。だが、まあ、「書物紹介」と考えてもらう余地もある。前向きに、明るく考えてもらって、トガは不問にしてもらおう。
 これが、その本だ、ハハ(現在では、何度か改版を経たものになっていよう)。

2
4.曲調査のヒント
(1)至れり尽くせりのWebページがある  → <<<JazzStandards.com>>>
 作品年度? 作曲者は? 作詞者は? ブロードウェイ曲?  映画曲? 演奏者、歌手、ヒット状況、主要レコード、関連文献、などなど周辺情報を調べることができる。しかも、楽しくやれる、楽しめる。主要アーティスト録音の視聴もいっぱいできるし。

Com2 
  ――JazzStandards.com ――  という表題のすぐ下の段に
            Home   Overview   Songs   Biographies   History .....
    というタブ項目が並んでいる。
    その[Song]をクリックするとこの画面になる。
Rank Year Title
1  1930  Body abd Soul
2  1939  All The Things You Are
3  1935  Summertime
4  1944 'Round Midnight
5  1935 I Can't Get Started(with you)
           - - - - -
Rank(順位)、Year(年度)、Title(曲名)
[Year]をクリックすると曲リストが年代順に表示される(1818年頃から)
[Title]をクリックすると曲リストがABC順に表示される。
 曲名をクリックすると、年度、作詞、作曲者など詳しい周辺情報が記載されたページに移る。
 (順位というのはこのサイトが独自に実施した人気投票のそれである)

 例えば、↓下画像は、Love Me or Leave Meをクリックして現れる画像である。
右側CD視聴欄に現れているのは、Jane Monheitとかいう歌手の2004年吹き込みだそうだ。 この他にも、Billie Holiday, Miles Davis All Stars、Pres and Teddy、Count Basie、Nina Simone、などなどいっぱい現れる。

Com

(2)Wikipediaの"List of jazz standards"ページも("Jazz Standards"ページの下位ページ)、もちろん有力な調査手段だ。
なお、一言触れておくと、このWikipediaリストは、上記のJazzStandards.comの(A-Z)リストをそっくりそのまま転載したものである。曲周辺情報についても、全面的にJazzStandards.comに負っているようだ。



◆◆◆◆◆◆◆◆
                    ――♪♪♪  リス ト ♪♪♪――

                                   * このうち、数十曲について歌詞/日本語訳を載せているので、適宜参照されたい(ココ)。
                     
A    (60) +(13) = 73   [Wiki=60、BOT=30 NIA=30、NIW=13, Total=73 ]
    A Kiss to Build a Dream On(*NIA)
    An Affair to Remember (*NIA)
    Afro Blue (*NIA)
    After Hours
    After I Say I'm Sorry(*NIA)
    After You've Gone
    Afternoon in Paris
    Air Mail Special
    Ain't Misbehavin'
    Ain't Nobody's Business(*NIA)
   
    Ain't She Sweet
    Airegin
    Alexander's Ragtime Band (*NIA)
    Alfie
    Algo Bueno (*NIA)
    All Alone (*NIA)
    All Blues
    All By Myself (*NIA)
    All God's Chillun Got Rhythm(*NIA)
    All My Life
   
    All of Me
    All of You
    All or Nothing At All
    All the Clouds'll Roll Away(*NIA)
    All the Things You Are
    All the Way
    All Through the Night
    All Too Soon
    Allen's Alley (*NIA)
    Alligator Crawl (*NIA)
   
    Almost Like Being in Love
    Alone Together
    Always (*NIA)
    Am I Blue?
    Amazing Grace (*NIA)
    And the Angels Sing (*NIA)
    And Her Tears Flowed Like Wine (*NIA)
    Angel Eyes (*NIA)
    Anthropology
    Any Old Time (*NIA)

    Anything for You (*NIA)
    Anything Goes
    April in Paris
    Aquellos Ojos Verdes (*NIA)
    As Long As I Have You (*NIA)
    As Long as I Live
    As Time Goes By
    Ask Me Now (*NIA)
    At Last (*NIA)
    At Long Last Love

    At Sundown (*NIA)
    At the Jazz Band Ball (*NIA)
    A-Tisket, A-Tasket
    Au Privave
    Auld Lang Syne (*NIA)
    Aunt Hagar's Blues (*NIA)
    Autumn Leaves
    Autumn in New York (*NIA)
    Avalon
    Azure (*NIA)     

-----------------
    Actual Proof
    Again
    Agua De Beber
    Ah-Leu-Cha
    Alabamy Bound
    Alice In Wonderland
    All Night Long
    All This And Heaven Too
    Alright, Okay, You Win
    Among My Souvenirs
    Antonio's Song
    April Showers

   
Autumn Nocturne


B    (73) +13 = 86   [Wiki =73, BOT=37, NIA=36 , NIW=13, Total=86]
    Baby Face(*NIA)
    Baby Won't You Please Come Home
       *Back Home Again in Indiana(→Indiana)
    Back in Your Own Backyard(*NIA)
    Back Water Blues (*NIA)
    Bad and the Beautiful (*NIA)
    Bags' Groove
    Bahia (*NIA)
        *Ballad of Mack the Knife, The(→Mack The Knife) 
    Ballin' the Jack(*NIA)

    Barbados
    Basin Street Blues
    Baubles, Bangles and Beads
    Beale Street Blues
    Beautiful Love
    Bedouin
    Begin the Beguine
    Bei Mir Bist Du Schoen
    Bemsha Swing(*NIA)
    Be-Bop(*NIA)

    Be My Love
    Bernie's Tune
    Besame Mucho (*NIA)
    Bess, You Is My Woman Now(*NIA)
    Best Is Yet to Come, The(*NIA)
    Best Thing for You, The(*NIA)
    Best Things in Life Are Free, The(*NIA)
    Between the Devil and the Deep Blue Sea
    Bewitched, Bothered, and Bewildered
    Big Butter and Egg Man(*NIA)

    Big Foot(*NIA)
    Bill Bailey, Won't You Please Come Home
    Billie's Bounce
    Birk's Works (*NIA)
    Birth of the Blues, The (*NIA)
    Bird Gets the Worm(*NIA)
    Birdland
    Black and Blue
    Black and Tan Fantasy
    Black Coffee

    Blame It on My Youth
    Blood Count(*NIA)
    Bloomdido
    Blue and Sentimental
    Blue Bossa(*NIA)
    Blues for Alice(*NIA)
    Blue in Green
    Blue Lou (*NIA)
    Blue Monk
    Blue Moon

    Blue 'N' Boogie(*NIA)
    Blue Rondo ? la Turk(*NIA)
    Blue Room
    Blue Skies(*NIA)
    Bluesette(*NIA)
    Blue Train(*NIA)
    Blue Turning Grey Over You(*NIA)
    Blueberry Hill(*NIA)
    Blues in My Heart(*NIA)
    Blues in the Closet(*NIA)

    Blues in the Night
    Body and Soul
    Bohemia After Dark(*NIA)
    Born to Be Blue
    Bouncin' with Bud
    Brazil (*NIA)
    The Breeze and I(*NIA)
    Broadway (*NIA)
    Bugle Call Rag
    But Beautiful (*NIA)

    But Not for Me
    By Myself
    Bye Bye Blackbird
    Bye Bye Blues

-------------------
  Baltimore Oriole
   Be Anything
   Birth Of The Blues, The
   Black Nile
   Blowin' The Blues Away
   Blue Haze
   Blue Minor
   Blue Sand
   Blue Seven
   Blues March
   Blues On The Corner
   Boogie Woogie Bugle Boy
   Butterfly


C   (48) + 12 = 60  [Wiki= 48, BOT=31, NIA=17, NIW=12, Total=60]
    C Jam Blues
    Cabin in the Sky
    Canadian Sunset (*NIA)
    Candy (*NIA)
    Can't Help Lovin' Dat Gal (*NIA)
    Can't Help Lovin' Dat Man (*NIA)
    Can't We Be Friends
    Caravan
    Careless Love
    Carioca

    Centerpiece (*NIA)
    Chameleon
    Change Partners (*NIA)
    Charleston (*NIA)
    Chasin' the Bird(*NIA)
    Chattanooga Choo Choo (*NIA)
    Cheek to Cheek (Cheek to Cheek)
    Chelsea Bridge (*NIA)
    Cherokee
    Cherry
    Cheryl
    Chicago (That Toddlin' Town)
    Child Is Born, A
    China Boy
    Chinatown My Chinatown
    Chloe
    Christmas Song, The (*NIA)
    Christopher Columbus
    Close Enough for Love (*NIA)
    Close Your Eyes

    Cocktails for Two
    Come Rain or Come Shine
    Come Sunday
    Comes Love
    Con Alma
    Conception (*NIA)
    Confessin' (*NIA)
    Confirmation
    The Continental
    Coquette (*NIA)

    Corcovado (Quiet Nights of Quiet Stars)(*NIA)
    Corner Pocket
    Cottage for Sale, A
    Cotton Tail
    Crazy He Calls Me
    Crazy Rhythm
    Creole Love Call(*NIA)
    Cry Me a River

-------------------------
    Call Me
    Call Me Irresponsible
    Captain Caribe
    Cat Walk, The
    Chanson D'Orphee, La
    Chelsea Bridge
    Chi Chi
    Chove Chuva (Constant Rain, The)
    Cleopatra's Dream
    Come On-A My House
    Comein' Home Baby
    C.T.A.


D    (54) +8 =62   [Wiki=54, BOT=25, NIA=29, NIW=8, Total=58  ]
    Daahoud
    Darktown Strutters' Ball(*NIA)
    Dancing in the Dark
    Dancing on the Ceiling
    Danny Boy (*NIA)
    Dark Eyes (*NIA)
    Darn That Dream
    Davenport Blues (*NIA)
    Day by Day
    Day Dream (*Day Dream)

    Day In, Day Out
    Days of Wine and Roses
    Dear Old Southland(*NIA)
    Dear Old Stockholm
    Dedicated to You(*NIA)
    Dearly Beloved(*NIA)
    'Deed I Do (*NIA)
    Deep in a Dream
    Deep Night(*NIA)
    Deep Purple

    Deep River(*NIA)
    Desafinado
    Detour Ahead(*NIA)
    Dexterity(*NIA)
    Dinah
    Dindi (*NIA)
    Dipper Mouth Blues(*NIA)
    Dizzy Atmosphere(*NIA)
    Dizzy's Business(*NIA)
    Django

    Do It Again(*NIA)
    Do Nothin' Till You Hear from Me
    Do You Know What It Means to Miss New Orleans(*NIA)
    Doggin' Around(*NIA)
    Dolphin Dance
    Donna Lee
    Don't Be That Way
    Don't Blame Me
    Don't Explain
    Don't Get Around Much Anymore

    Don't Go to Strangers(*NIA)
    Don't Take Your Love from Me
    Don't Worry About Me(Don't Worry 'Bout Me)(*NIA)
    Don't You Know I Care?(*NIA)
    Down By The Riverside
    Doxy
    Dream
    Dream A Little Dream Of Me(*NIA)
    Dream Dancing(*NIA)
    Dream of You(*NIA)

    Drifting on a Reed(*NIA)
    Drop Me Off in Harlem(*NIA)
    Duke, The(*NIA)
    Duke's Place(*NIA)

---------------------------------------------
    Dardanella
    Dat Dere
    Dig
    Diga Diga Doo
    Don't Fence Me In
    Don't Let The Stars Get In Your Eyes
    Down In the Depths
    Dry Bones



E     (29) +8 = 37  [Wiki=29, BOT=11, NIA=18, NIW=8, Totral=37]
    Early Autumn(*NIA)
    East of the Sun (and West of the Moon)
    Easter Parade
    Easy Does It(*NIA)
    Easy Living
    Easy to Love
    Echoes of Harlem(*NIA)
    El Manicero(El Manisero)(*NIA)
    Embraceable You

    Emily(*NIA)
    End of a Love Affair, The(*NIA)
    Epistrophy
    Equinox(*NiA)
    Estate(*NIA)
    Every Day I Have the Blues(*NIA)
    Ev'ry Time We Say Goodbye(*NIA)
    Every Tub(*NIA
    Everybody Loves My Baby(*NIA)
    Everything but You(*NIA)

    Everything Happens to Me
    Everything I Have Is Yours
    Ev'rything I Love(*NIA)
    Everything I've Got (Belongs to You)(*NIA)
    Everything Must Change
    Evidence(*NIA)
    Ev'ry Time We Say Goodbye
    Ev'rything I've Got (Belongs to You)(*NIA)
    Exactly Like You
    Exodus(*NIA)

----------------
    E.S.P
    Easy to Love
    Eclypso
    Entertainer, The
    Epilogue
    Evening in Paris
    Everybody Loves Somebody
    Eye Of The Hurricane, The


F   (32) +8 = 40   [Wiki=32, BOT=15, NIA=17, NIW=8, Total=40]
    Falling in Love with Love
    Farewell Blues(*NIA)
    Fascinating Rhythm
    Fat Girl(*NIA
    Felicidade, A(*NIA)
    Fever
    Fidgety Feet)*NIA)
    Fine and Dandy
    Fine and Mellow
    Fine Romance, A

    Five Foot Two, Eyes of Blue aka Has Anybody Seen My Gal?(*NIA)
    Five O'clock Whistle(*NIA)
    Flamingo
    Flat Foot Floogie, The(*NIA)
    Flower Is a Lovesome Thing, A(*NIA)
    Flying Home
    Foggy Day, A/Foggy Day in London Town, A (*NIA)
    Folks Who Live On the Hill, The(*NIA)
    Fools Rush In (Where Angels Fear to Tread)
    Footprints(*NIA)

    For All We Know
    For Heaven's Sake(**NIA)
    For Sentimental Reasons(*NIA)
    For You
    Four
    Four Brothers
    Four or Five Times(*NIA)
    Frankie and Johnny(*NIA)
    Freddie Freeloader(*NIA)
    Freedom Jazz Dance

    Frenesi(*NIA)
    From This Moment On

--------------------------------------
    Feeling Good
    52th Street Theme
    Five Pennies, The
    Five Spot After Dark
    Fly Me to the Moon
    Forest Flower
    For Lena and Lenny
    For Once In My Life


G    (26) +10 =36     [Wiki=26, BOT=16, NIA=10, NIW=10, Total=36 ]
    Gal in Calico, A(*NIA)
    Gee Baby Ain't I Good to You
    Georgia on My Mind
    Get Happy
    Get Out of Town
    Ghost of a Chance, A (I Don't Stand)
    Giant Steps
    The Girl from Ipanema(*NIA)
    Girl Talk
    Glad to Be Unhappy

    Gloomy Sunday(*NIA)
    The Glory of Love(*NIA)
    God Bless the Child
    Goin' Out of My Head
    Goin' to Chicago Blues/Going to Chicago (*NIA)
    Gone with the Wind
    Good Bait
    The Good Life(*NIA)
    Good Morning Heartache
    Goodbye

    Goodbye Pork Pie Hat(*NIA))
    Goodnight My Love(*NIA)
    Green Eyes (Aquellos Ojos Verdes)(*NIA)
    Greensleeves
    Groovin' High
    Guilty(*NIA)

----------------------------------
    Garota De Ipanema(Girl From Ipanema)
    Gentle Thoughts
    Get Out And Get Ander The Moon
    Give Me The Simple Life
    Golden Earrings
    Good Man Is Hard To Find, A
    Goodnight Sweetheart
    Goody-Goody
    Guess Who I Saw Today
    Guy Is a Guy, A


H    (33) + 8 = 41    [Wiki=33, BOT= 13, NIA=20, NIW=8, Total=41]
    Half Nelson
    Hallelujah (I Love Him/Her So)
    Happiness Is a Thing Called Joe(*NIA)
    Hard Hearted Hannah(*NIA)
    Harlem Nocturne(*NIA)
    Harvard Blues(*NIA)
    Haunted Heart(*NIA)
    Have You Met Miss Jones?
    Have Yourself a Merry Little Christmas(*NIA)
    Havin' a Heat Wave(*NIA)

    Heart and Soul
    Heat Wave(*NIA)
    Hello, Dolly!(*NIA)
    Hello Young Lovers
    Here's That Rainy Day
    He's Funny That Way(*NIA)
    Hey Little Girl(*NIA)
    Hi Fly(*NIA)
    High Society
    Hindustan(*NIA)

    Honeysuckle Rose
    Hour of Parting, The(*NIA)
    Hot House
    House Is Not a Home, A(*NIA)
    How About You
    How Am I to Know?
    How Come You Do Me Like You Do?(*NIA)
    How Deep Is the Ocean?(*NIA)
    How High the Moon
    How Insensitive(*NIA)

    How Long Blues(*NIA)
    How Long Has This Been Going On?
    Humoresque(*NIA)
--------------------------------------
    Handful of Stars, A
    Hang Up Your hang-Ups
    Harbour Lights
    Hard Sock Dance
    Home 
    Honey
    Hornets
    Hush-A-Bye


I    (71) +55 =125    [
Wiki=71, BOT= 48, NIA-23, NIW=55, Total=126 ]
    I Ain't Got Nobody(*NIA)
    I Ain't Got Nothin' But the Blues(*NIA)
    I Believe in You[disambiguation needed](*NIA)
    I Can't Believe That You're In Love With Me(*NIA)
    I Can't Escape from You
    I Can't Get Started
    I Can't Give You Anything but Love
    I Can't Stop Loving You(*NIA)
    I Concentrate on You
    I Could Have Danced All Night

    I Could Write a Book
    I Cover the Waterfront (song)
    I Cried for You
    I Didn't Know About You(*NIA)
    I Didn't Know What Time It Was
    I Don't Know Why (I Love You Like I Do)
    I Don't Stand a Ghost of a Chance with You(→Ghost of a Chance)
    I Don't Want You to Go(*NIA)
    I Fall in Love Too Easily
    I Get Along Without You Very Well

    I Get a Kick Out of You
    I'm Getting Sentimental Over You
    I Got a Crush on You(*NIA)
    I Got a Right to Sing the Blues
    I Got a Woman Crazy for Me(*NIA)
    I Got It Bad (and That Ain't Good)
    I Got Rhythm
    I Guess I'll Have to Change My Plan(*NIA)
    I Hadn't Anyone Till You
    I Happen to Like New York(*NIA)

    I Hear a Rhapsody
    I Hear Music
    I Know That You Know
    I Left My Heart in San Francisco
    I Let a Song Go Out of My Heart
    I Love Paris
    I Love You (Cole Porter song)
    I Love You for Sentimental Reasons(*NIA)
    I Loves You Porgy
    I May Be Wrong

    I Mean You
    I Must Have That Man(*NIA)
    I Never Knew(*NIA)
    I'll Never Smile Again
    I Only Have Eyes for You
    I Wish You Love(*NIA)
    I'll Remember April
    I Remember Clifford
    I Remember You
    I See Your Face Before Me

    I Should Care
    I Surrender Dear
    I Thought About You
    If I Could Be with You (One Hour Tonight)
    If I Had You
    If Love Were All(*NIA)
    If You Could See Me Now
    I'm Just a Lucky So-and-So(*NIA)
    Impressions
    In a Mellow Tone

    In a Mist(*NIA)
    In a Sentimental Mood
       *Indiana(→Back Home Again In Indiana)
    In the Groove(*NIA)
    In the Mood
    In Walked Bud(*NIA)
    In Your Own Sweet Way(*NIA)
    Isfahan (song)(*NIA)
    It Had to Be You
    It Don't Mean a Thing

    It's Easy to Remember (And So Hard to Forget)(*NIA)
    It's Only a Paper Moon
    I've Found a New Baby/I Found a New Baby

------------------
   Ida Lupino
   If I Love Again
   If I Should Lose You
   If I Were a Bell
   If The Moon Turns Green
   If You Were Mine
   I Have a Dream
   I'll Be Seeing You
   I'll Close My Eyes
   I'll Get By

   I'll See You In My Dreams
   I'll String Along With You
   I'll Take Romance
   I'll Walk Alone
   I'll Wind
   I'm a Fool To Want You
   Imagination
   I'm Always Chasing Rainbows
   I'm Beginning To See The Lights
   I'm Glad There Is You

   I'm Gonna Sit Right Down And Write Myself a Letter
   I'm In The Mood For Love
   I'm Thru With Love
   I'm Walkin'
   I'm Your Pal
   I'm Yours
   "In" Crowd, The
          Indiana(Back Home Again in Indiana)
   Indian Love Call
   Indian Summer

   In The Shade Of The Old Apple Tree
   In The Still Of The Night
   Invitation
   Isn't It Romantic?
   Israel
   It A'int Necessarily So
   It Could Happen To You
   It Might As Well Be Spring
   It Never Entered My Mind
   It's All Right With Me

   It's a Sin To Tell a Lie
   It's Been a Long Long Time
   It's D'Lovery
   It's Easy To Remember
   It's Magic
   It's The Talk Of The Town
   It's You Or No One
   I've Got a Crush On You
   I've Got The World On a Spring
   I've Got You Under My Skin

   I Want To Be Happy
   I Want To Talk About You
   I Wished On The Moon
   I Wish I Knew
   I Wonder Who's Kissing Her Now


J    (24) + 6 = 30  [Wiki=24, BOT=14, NIA=10, NIW=6, Total =30]
     Ja-Da
    Jazz Me Blues, The
    Jeepers Creepers
    Jeep Is Jumpin'(*NIA)
    Jersey Bounce
    Jim(*NIA)
    Jingle Bells(*NIA)
    Jitterbug Waltz, The
    Jive At Five(*NIA)
    Johnny Come Lately(*NIA)

    Jordu
    Joy Spring
    Joy(*NIA)
    Jump, Jive an' Wail(*NIA)
    Jumpin' At the Woodside
    Jumpin' with Symphony Sid(*NIA)
    Just A-Sittin' and A-Rockin'(*NIA)
    Just a Closer Walk with Thee(*NIA)
    Just a Gigolo(*NIA)
    Just in Time


     Just Friends
    Just One of Those Things
    Just Squeeze Me (But Please Don't Tease Me)
    Just You, Just Me

-------------------
   Jazz' N Samba
   Jeru
   Jive Samba
   Johnny One Note
   Joker, The
   Jubilation


K   (6) +1 = 7   [Wiki=6, BOT=4, NIA=2, NIW=1, Total=7]
    Kansas City
    Keepin' Out of Mischief Now(*NIA)
    Killer Joe
    King Porter Stomp
    Kiss Me Much)*NIA)
    Ko-Ko

------------------------
    Kiss Me Again

(50) + 19 = 69     [Wiki=50, BOT=28, NIA=22, NIW=19, Total=69]
    La Vie en rose(*NIA)
    Lady Be Good, Oh
    Ladybird
    Lady Is a Tramp, The
    Lament
    Lamp Is Low, The (*NIA)
    Last Night When We Were Young
    Last Recordings(*NIA)
    Laura
    Lazy Afternoon

    Lazy River, Up A (*NIA)
    Lester Leaps In(*NIA)
    Let's Face the Music and Dance(*NIA)
    Let's Fall in Love
    Let It Snow(*NIA)
    Let Me Off Uptown(*NIA)
    Let's Call the Whole Thing Off(*NIA)
    Let's Dance(*NIA)
    Like Someone in Love(*NIA)
    Limehouse Blues

    Linger Awhile
    Linus and Lucy(*NIA)
    Li'l Darlin'(*NIA)
    Li'l Liza Jane(*NIA)
    Little Girl Blue
    Little White Lies
    Liza (All the Clouds'll Roll Away)
    Lonely Woman
    Lonesome Road(*NIA)
    Long Ago (and Far Away)

    Look for the Silver Lining
    Look of Love, The(*NIA)
    Lost in the Stars(*NIA)
    Lotus Blossom(*NIA)
    Louise
    Love Dance(*NIA)
    Love for Sale
    Love Is Here to Stay
    Love Is Just Around the Corner
    Loveless Love(*NIA)

    Love Letters
    Love Me or Leave Me
    Love Theme from The Sandpiper(*NIA)
    Love Walked In
    Love You Madly(*NIA)
    Lover
    Lover, Come Back to Me
    Lover Man (Oh, Where Can You Be?)
    Lullaby of Birdland
    Lush Life

------------------
    Lady Sings The Blues
    Last Time I Saw Paris
    Lazy River
    Lazy Bird
    Left Alone
    Let Me Call You Sweetheart
    Let's Get Away From It All
    Like Someone In Love
    Like Sonny
    Li'l Darlin'
    Line For Lyons
    Little Brown Jug
    Lot Of Livin' To Do, A
    L-O-V-E
    Love Is a Many Splendored Thing
    Lucky To Be Me
    Lullaby In Ragtime
    Lullaby Of Broadway
    Lullaby Of The Leaves


M    (27) + 44 = 71    [Wiki=27, BOT= 18, NIA=9, NIW=44, Total=71]
    Mack the Knife
    Mahjong(*NIA)
    Maiden Voyage
    Man I Love, The
    Margie(*NIA)
    Mean to Me
    Memories of You
    Memphis Blues, The(*NIA)
    Mercy, Mercy, Mercy
    Mi Burrito(*NIA)

    Michelle(*NIA)
    Milestones
    Minor Swing(*NIA)
    Mississippi Mud(*NIA)
    Misty(*NIA)
    Moanin' Low
    Moment's Notice
    Mood Indigo
    Moody's Mood for Love(*NIA)
    Moonglow

    Moon River
    Moose the Mooche
    More Than You Know
    Muskrat Ramble(*NIA)
    My Foolish Heart
    My Funny Valentine
    My Romance

------------------
   Mad About The Boy
   Make Believe
   Make Someone Happy
   Makin' Woopee
   Mame
   Manhattan
   Manteca
   Maple Leaf Rag
   Mas Que Nada
   Maybe
   Maybe You'll Be There
   Midnight Sun Will Never Set, The
   Miles Ahead
   Mine
   Miss Ann
   Miss Brown To You
   Misterioso
   Mr. Wonderful
   Moanin'
   Mona Lisa
   Monk's Mood
   Moonlight Becomes You
   Moonlight In Vermont
   Moonlight Serenade
   More I See You, The
   Most Beautiful Girls In The World, The
   More
   Mr. P.C.
   My Blue Heaven
   My Buddy
   My Connection
   My Favorite Things
   My Future Just Passed
   My Heart Belongs to Daddy
   My Heart Stood Still
   My Ideal
   My Man's Gone Now
   My Melancholy Baby
   My Monday Date
   My Old Flame
   My One And Only Love
   My Reverie
   My Shinning Hour
   My Ship


N    (16) + 12 = 28     [Wiki=16, BOT=10, NIA=6, NIW=12, Total=27]
    Nagasaki(*NIA)
    Naima
    Nancy (With the Laughing Face)
    Nature Boy(*NIA)
    Nearness of You, The
    Nem Um Talvez(*NIA)
    New Orleans(*NIA)
    Nightingale Sang in Berkeley Square, A
    Nica's Dream
    Night and Day

    Night Train
    The Night Has a Thousand Eyes, The
    A Night in Tunisia
    Nobody Else But Me(*NIA)
    Now's the Time
    Nuages(*NIA)

--------------------------------------
     Nardis
    Nefertiti
    Nevertheless
    New York New York
    Nice Work If You Can Get It
    Nights At The Turntable
    Night We Called It a Day, The
    No Blues
    No Moe
    No More Blues(Chega De Saudade)
    No Problem
    Now's The Time


O   (11) + 14 =25   [Wiki=11, BOT=10, NIA=1, NIW=14, Total=25]
    Oh, Lady Be Good!→Lady Be Good
    Oleo
    On Green Dolphin Street
    On the Sunny Side of the Street
    Once in a While
    One Morning in May(*NIA)
    One O'Clock Jump
    Opus de Funk
    Ornithology
    Our Delight
    Out of Nowhere
    Over the Rainbow

-----------------------------------
    Off Minor
    Old Devil Moon
    Old Folks
    Ol' Man River
    On A Clear Day
    On A Slowboat To China
    One Finger Snap
    One For Helen
    One For My Baby
    One I Love Belongs To Somebody Else, The
    On The Street Where You Live
    Opus One
    Out Of My Dreams
    Out Of This World


P   (7) +17 =24    [Wiki=7, BOT=4, NIA=3, NIW=17, Total=24]
    Peace Piece(*NIA)
    Pennies from Heaven
    Perdido
    Petite Fleur(*NIA)
    Polka Dots and Moonbeams
    Prelude to a Kiss
    P.S. I Love You(*NIA)

---------------------------------
    Parapluies De Cherbourg, Les(I'll Wait For You)
    Parisian Thoroughfare
    Party's Over, The
    Paul's Pal
    People
    People Will Say We're In Love
    Peri's Scope
    Please be Kind
    Please Don't Talk About Me When I'm Gone
    Poinciana
    Poor Butterfly
    Poor Little Rich Girl
    Preacher, The
    Prisoner, The
    Prisoner Of Love
    Promise, The


R   (6) + 15 = 21   [Wiki=6, BOT=4, NIA=2, NIW=15, Total=21]
    Riverboat Shuffle(*NIA)
    Rockin' Chair
    Rocks in My Bed(*NIA)
    Rose Room
    'Round Midnight
    Royal Garden Blues

----------------------------------
    Raincheck
    Recado Bossa Nova(The Gift!)
    Red Roses For a Blue Lady
    Red Sails In The Sunset
    Relaxin' At The Camarillo
    Riot
    Robin's Nest
    Rock-A-Bye Your Baby With A Dixie Melody
    Rosalie
    Rose Tattoo, The
    Rosetta
    Rout 66!
    Ruby
    Ruyby My Dear
    Runnin' Wild


S    (45) +60 = 105    [Wiki=45, BOT=33, NIA=12, NIW=60, Total=105]
    'S Wonderful
    Salt Peanuts
    Satin Doll
    Scrapple from the Apple
    See See Rider(*NIA)
    September Song
    Send in the Clowns(*NIA)
    The Sheik of Araby
    Since I Fell for You
    Sing for Your Supper(*NIA)

    Sing, Sing, Sing (With a Swing)
    Sleepin' Bee, A
    Smoke Gets in Your Eyes
    Softly, as in a Morning Sunrise
    Solar
    Solitude(I My)
    Somebody Loves Me
    Some Day My Prince Will Come
    Some of These Days(*NIA)
    Someday Sweetheart

    Someone to Watch Over Me
    Something to Live For(*NIA)
    Sophisticated Lady
    So What
    Spain(*NIA)
    Speak Low
    Spring Can Really Hang You Up The Most(*NIA)
    Squeeze Me(*NIA)
    St. James Infirmary(*NIA)
    St. Louis Blues

    St. Thomas
    Stairway to the Stars(*NIA)
    Stardust
    Stars Fell on Alabama
    Stella by Starlight
    Stolen Moments(*NIA)
    Stompin' at the Savoy
    Stormy Weather
    Straight, No Chaser
    Strange Fruit

    Sugar(*NIA)
    Summertime
    Surrey with the Fringe on Top, The
    Sweet Georgia Brown
    Sweet Lorraine

--------------------------------------------
    Samba De Orfeu
    Second Time Around, The
    Secret Love
    Send In The Clowns
    Sentimental Journey
    September In The Rain
    Serenade In Blue
    Seven Come Eleven
    Seven Steps to Heaven
    Shadow Of Your Smile, The

    Shanghai Lil
    She's Funny That Way
    S-H-I-N-E
    Side By Side
    Sidewinder, The
    Singin' In The Rain
    Singin' The Blues
    Sister Sadie
    Skylark
    Sleep

    Sleepy Time Gal
    Sly
    Smile
    Smiles
    Soft Shoe
    So In Love
    So Long, Dearie
    Some Other Spring
    Some Sunday Morning
    Sometimes I'm Happy

    Song For My Father
    Song Is You, The
    So Nice(Summer Samba)
    Soon
    Sorcerer, The
    So Nice(Summer Samba)
    Soon
    Sorcerer, The
    Soul Eyes
    Soultrane

    South Of The Border
    Speak Like A Child
    S'posin'
    Spring Is Here
    Spring Will Be A Little Late This Year
    Stablemates
    Stairway To The Stars
    Star Eyes
    Stockholm Sweetnin'
    Stranger In Paradise

    Stranger In The Night
    Strike Up The Band
    String of Pearls, A
    Sugar Blues
    Sunny
    Swanee
    Sweet And lovely
    Sweethearts On Parade
    Sweet Sue-Just You
    Swinging On A Star


T   (21) + 39 = 60   [Wiki=21, BOT=13, NIA=8, NIW=39, Total=60]
    Take Five
    Take the "A" Train
    Tea for Two
    Tenderly
    That's All(*NIA)
    That's a Plenty
    There's a Small Hotel(*NIA)
    There Is No Greater Love
    There Must Be Somebody Else(*NIA)
    These Foolish Things (Remind Me of You)

    There Will Never Be Another You
    They Can't Take That Away from Me
    They Didn't Believe Me(*NIA)
    Things Ain't What They Used to Be
    The Things We Did Last Summer(*NIA)
    The Trolley Song(*NIA)
    Tiger Rag
    Till There Was You(*NIA)
    Tin Roof Blues
    Twelfth Street Rag
    Two Lonely People< The(*NIA)

------------------------------------------
    Taking a Chance On Love
    Tangerine
    Taste Of Honey, A
    Teach Me Tonight
    Teapot
    Tell Me a Bedtime Story
    Temptation
    Tempus Fugit
    That Certain Feeling
    That Old Black Magic

    That Old Feeling
    Them There Eyes
    Thinking Of You
    This Can't Be Love
    This Could Be The Start Of Something Big
    This Is New
    This Love Of Mine
    Thou Swell
    Three Little Words
    Thrill Is Gone, The

    Till
    Till The End Of Time
    Till We Meet Again
    Time After Time
    This Autumn
    Together
    Too Close For Comfort
    Too Late Now
    Too Marvelous For Words
    Too Young

    Trav'lin' Light
    Trouble In Mind
    Trouble Is a Man
    Trust In Me
    Try a Little Tenderness
    Tune Up
    Tuxedo Junction
    Two Bass Hit
    Two Degrees East, Three Degrees West


  0 + 2 =2   [Wiki=0, NIW=2, Total=2]
--------------------------
   Undecided
   Unforgetable


V    (1) + 2 = 3   [Wiki=1, NIW=2, Total=3]
    Viper's Drag
-------------------
   Very Thought Of You, The
   Violets For Your Furs


W    (30) + 31 = 61   [Wiki=30, BOT=18, NIA=12, NIW=31, Total=61]
    Wabash Blues(*NIA)
    Walkin' Shoes
    Waltz for Debby
    Watermelon Man
    Wave
    Way Down Yonder In New Orleans(*NIA)
    Way You Look Tonight, The
    Weary Blues
    Well, You Needn't
    What a Little Moonlight Can Do

    What A Wonderful World(*NIA)
    Whatever Lola Wants(*NIA)
    What Is This Thing Called Love?
    What's New?
    When It's Sleepy Time Down South(*NIA)
    When My Sugar Walks Down the Street(*NIA)
    When You Wish Upon a Star
    When Your Lover Has Gone
    When You're Smiling
    When The Saints Go Marching In

    Whispering
    Why Don't You Do Right?(*NIA)
    Wild Women Don't Have the Blues(*NIA)
    Willow Weep for Me
    Witchcraft(*NIA)
    Wolverine Blues
    Won't You Come Home Bill Bailey(*NIA)
    Woodchopper's Ball(*NIA)
    Woody N' You(*NIA)
    World Is Waiting for the Sunrise, The

-------------------------------------------
    Walkin'
    Walkin' My Baby Back Home
    Watch What Happens
    Way We Were, The
    We Belong Together
    We Kiss In a Shadow
    West End Blues
    What Are You Doing The Rest Of Your Life?
    What Kind Of Fool Am I
    What's Going On?

    What The World Needs Now Is Love
    When I Fall In Love
    When I Grow Old To Dream
    When Lights Are Low
    When Sunny Gets Blue
    When You And I Were Young Maggie
    Where Are You
    Where Or When
    Whisper Not
    Who Can I Turn To?

    Who Cares?
    Who's Sorry Now?
    Why Was I Born?
    Will You Still Be Mine?
    Winter Wonderland
    Witchcraft
    With a Song In My Heart
    Without a Song
    Wives And Lovers
    Woody'n You
    Work Song


Y (6) +15 = 21   [Wiki=6, BOT=5, NIA=1, NIW=14, Total=20]
    Yardbird Suite
    Yesterdays
    You and the Night and the Music
    You Don't Know What Love Is
    You Go to My Head
    Young and Foolish(*NIA)

--------------------
    Yes or No
    Yes Sir, That's My Baby
    You Are Too Beautiful
    You'd Be So Nice To Come Home To
    You Do Something To Me
    You Leave Me Breathless
    You'll Never know
    Younger Than Springtime
    You're Driving Me Crazy!
    You're Mine, You!
    You're My Everything
    You're The Top
    You Stepped Out Of a Dream
    You Took Advantage Of Me


Z   (2)      [Wiki=2, NIA=2, Total=2]
    Zing! Went the Strings of My Heart(*NIA)
    Zip-a-Dee-Doo-Dah(*NIA)

 

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2013年7月 5日 (金)

♪「ジャズ・スタンダード」(Jazz Standards)とは何か(その2) ― その関係で、Great American Songbook(グレイト・アメリカン・ソングブック、「アメリカ傑作歌曲集」の意)とは何か。

 2013.7.5
 前回記事(2013.6.28)の続編である。
   「いずれ、内容をもっと膨らませよう」、と述べていたのだが、うん、だから、約束に添って膨らませる材料を用意したのだが、その量が多く、そこに埋め込むと記事ボリュームがでかくなりすぎるという事態になってしまった。そこで、独立させることにした。

◆◆◆◆◆◆◆◆
 さて、仕切り直して、「ジャズ・スタンダード」(*1)とは何か。
 「ジャズ・スタンダード」、英語で"Jazz Standard(s)"とは、「ジャズのスタンダード曲」を意味するのだが、では、その「ジャズ・スタンダード曲」とはどういうものか。
 「ジャズ」音楽の分野で、「よく演奏される曲」、「定番曲」、「よく耳にする曲」、「よく知られている曲」、などなど、なんとなく分かるような気がするが、「では、この曲はスタンダード曲なのか、違うのか」と問われた場合に、明確にイエス、ノーが答えられるのだろうか。
 イエスだとすれば、その基準は何か、その定義は何か。
 このことについて考えてみる。

*1.ここでの、「ジャズ・スタンダード」という日本語表記は、「ジャズ畑でスタンダード曲として一般的に認知されてい る曲」という意味のことばであり――「スタンダード」の概念こそが問題なわけだが、それは後廻し、後述するところに委ねるとして――、その単数形"Jazz Standard"と複数形"Jazz Standards"の両方を表わすものとして使用している。さらには、"Standars"、"Standard"という語を「ジャズ・スタンダード」という日本語で表わすこともある。
 同時に、日本語側では、「ジャズ・スタンダード」を単に「スタンダード」と表わすことがあり、「ジャズ・スタンダード曲」、「スタンダード曲」と「曲」、それは、ほとんどの場合「歌」であるが、それを付けて表わすこともある。

 なお、「ロックのスタンダード(曲)」、「カントリーのスタンダード(曲)」、「ハワイアンの...」、「シャンソンの...」という用法ないし概念も当然存在するであろうが、音楽的な脈絡での話題において、枕詞なしで単に「スタンダード」という場合、一般的に、それは「ジャズの」スタンダード曲を指していることが多い。

一、Jazz Standard(s)/ジャズ・スタンダード(ジャズ・スタンダード曲)とは何か。
 それは、丁寧な言い方をすれば、上の脚注1で述べたように、「ジャズ畑でスタンダード曲として一般的に認知されている曲」ということであるが、では、「どれとどれがそれに当たるのか」、くどいようだが、先に述べたように、
――「では、この曲はスタンダード曲なのか、違うのか」と問われた場合に、明確にイエス、ノーが答えられるのだろうか。イエスだとすれば、その基準は何か、その定義は何か――

 問いに対する答えは、英語版Wikipediaの説明文で言い尽くされていると考えるので、それを掲げる。
  翻訳文は当ブログ主の独自翻訳によるものである(場合により多少「手抜き」しているところがある)。記事末尾に英語原文を掲げておく(脚注番号、webページリンクを削ったもの)。なお、Wikipedia記事であるから、全面的に引用/転載しても許されるであろう。

Wikipediaの記述                     
[ジャズ・スタンダード]
 Jazz Standards(ジャズのスタンダード曲)とは、ジャズ・ミュジシャンたちの演奏レパートリーのなかで、一定の観点から重要なものとして認識され分類される一群の音楽作品のことである。その観点は、次のとおり。
 ①ジャズ・ミュジシャンに広く知られており、
 ②ミュジシャンによって頻繁に演奏され、
 ③レコード化実績が多く、
  かつ、
 ④聴衆によく知られている。

 ジャズ・スタンダード(曲)とはコレコレだとして明確に定義づけられたリストは存在しない。さらには、スタンダードであるとみなされる曲は、時代に連れて変化する。
 しかし、主要なポピュラーソング楽譜集に収録されている曲であるかどうかということと、参考書などジャズ関連著作によって、スタンダード曲とみなされるかどうかということについて、およその指針が導かれる。

 ジャズ・スタンダードは、必ずしもジャズ作曲家の手によるものに限られるというわけではない。
 その多くは、ティン・パン・アレイ(Tin Pan Alley)生れのポピュラーソング、ブロードウェイ劇の劇中曲、ハリウッド・ミュージカル映画曲という起源のものである。すなわち、いわゆるGreat American Songbook(グレート・アメリカン・ソング・ブック/アメリカ傑作歌曲集)として認識される曲である。
 一般的に取り上げられて演奏される曲であっても、ジャズ・ミュジシャンたちのあいだで広く演奏されるものでなければ、ジャズ・スタンダードではない。
 ジャズ・スタンダード曲は、ブルースやポピュラー音楽(pop)のスタンダード曲とある程度重なる。

  1930年代から20年のあいだ(20年間)、過去の録音回数の最も多いジャズスタンダードは、W. C. Handy(WCハンディ)のSt. Louis Blues(セントルイス・ブルース)であった。その後Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)作曲のStardust(スターダスト)がとって代わり、今日では、Johnny Green(ジョニー・グリーン)作曲のBody and Soul となっている。ジャズ・ミュジシャンの作曲によるスタンダード曲で録音回数の最多のものはThelonious Monk(セロニアス・モンク)のRound Midnight(ラウンド・ミッドナイト)である。

◆1920年前
  20世紀に入った時点では、ジャズ(jazz)はダンスのための音楽であると意図されていた。そのことから、初期のジャズ・グループが演奏材料としてとりあげた曲 の選定は、この線に沿うことになる。
 キング・オリバーのクレオール・ジャズバンド(King Oliver's Creole Jazz Band)、ニューオリンズ・リズム・キング(New Orleans Rhythm King)といったバンドは、ティン・パン・アレイ(Tin Pan Alley、マンハッタンの、楽譜出版社が密集していた一画の昔の呼称)の流行歌をレパートリーにいっぱい取り込んでいたし、レコード会社は、多くの場合、影響力を行使して、契約アーティストたちにこれこれの曲を 録音しろと圧力をかけた。

 レコード会社役員その他、吹き込みについての有力者が後押ししたおかげで特定の曲が急激にスタンダード地位を 取得するということもあった。このことは1917年に最初のジャズ録音が行われたときから始まった。すなわち、オリジナル・デキシーランド・ジャズバンド (Original Dixieland Jass Band)によるDarktown Strutters Ball(ダークタウン・ストラッターズ・ボール)とIndiana(インディアナ)の吹き込みである。
 初期ジャズバンドの音楽は、当初は単に「ジャズ」(Jazz)と呼ばれていたが、今日ではデキシーランド・ジャズ(Dixieland Jazz)、ニューオリンズ・ジャズ(New Prleans Jazz)などと呼んで、その後の下位ジャンル(支流)と区別するのが一般である。

  ジャズの起源は20世紀初頭のニュ-オリンズの音楽伝統、すなわち、ブラスバンド音楽、ブルース、ラグタイム(Ragtime)、ニグロ・スピリチュアル (黒人霊歌)といったものに求められる。よく知られている初期スタンダード曲には、こういう流れから来ているものがある。
 Twelfth Street Rag(12番街のラグ)やTiger Rag(タイガーラグ)というラグタイム曲はジャズアーティストによく知られている。ブルース曲のSt. Louis Blues(セントルイス・ブルース)、St. James Infermary(セントジェームス病院)も然り。
 
 ティン・パン・アレイの作詞/作曲者たちもジャズ・スタンダード曲レパートリーに貢献している。インディアナやAfter You've Gone(アフター・ユーブ・ゴーン、君去りし後)などがその例である。
  Some of These Days(サム・オブ・ジーズ・デイズ/「いつか後悔するぜ」の意)やDarktown Strutters' Ball"(ダークタウン・ストラッターズ・ボール)など、ボードビル芸人がもたらしたものもある。
  この時期に最も頻繁に吹きこまれたのは、W. C.ハンディのセントルイス・ブルース、Turner Layton/Henry Creamerによる アフター・ユーブ・ゴーン(君去りし後)、James Hanley/Ballard MacDonaldによるインディアナである。

◆1920年代
 アメリカ合衆国においてJazz Age(ジャズ時代)として知られる時代は、1920年代に始まった。ジャズというものが、国内での人気音楽になった。ただし、年配層には、不道徳な音楽であり旧来からの文化価値への脅威である、と捕えられていた。
 チャールストン(Charleston)やブラックボトム(Black Bottom)など、ダンスというものがこの時代に非常に盛んになり、ジャズバンドは、一般的に7人から12人編成であった。

 ニューヨークでの重要な楽団としては、Fletcher Henderson(フレッチャー・ヘンダーソン)、Paul Whiteman(ポール・ホワイトマン)、Duke Ellington(デューク・エリントン)などがあった。 
  1910年代後半から、大勢のニューオリンズ・ジャズマンたちが仕事を求めてシカゴに移動した。New Orleans Rhythm Kings(ニューオリンズ・リズム・キングズ)、King Oliver's Creole Jazz Band(キング・オリバーズ・クレオール・ジャズバンド)、Jelly Roll Morton(ジェリー・ロール・モートン)などがこの都市で吹き込みを行った。
 しかし、ジャズの中心地としてのシカゴの重要性は、1920年代の終了に向けて、凋落し続け、ニューヨークにその座を渡すようになる。

  ジャズ初期時代、レコード会社は、どの曲を吹き込むか、自分たちで決めたがった。1920年代の人気曲は、Sweet Georgia Brown(スイート・ジョージア・ブラウン)、Dinah(ダイナ)、 Bye Bye Blackbird(バイ・バイ・ブラックバード)などのポピュラー音楽のヒット曲であった。
 曲の選択について自主裁量権を最初に勝ち取ったのは、ルイ・アームストロングであった。ルイのバンドは1920、30年代の初期スタンダード曲を世に流行らせるうえで大きく貢献した。

 ジャズ・アーティストの手による曲がスタンダードになることもある。Fats Waller(ファッツ・ワーラー)のHoneysuckle Rose(ハニーサックル・ローズ) 、Ain't Misbehavin(浮気は止めた)などがそれである。
 1920年代に最も吹き込み回数が多かったのはHoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)作曲Mitchell Parish(ミッチェル・パリッシュ)作詞のStardust(スターダスト、星くず)である。

  1920年代のブロードウェイ作曲者の手による曲がスタンダードになっている例としては、George and Ira Gershwin(ガーシュイン兄弟、ジョージ・ガーシュイン作曲アイラ・ガーシュイン作詞)によるThe Man I Love(ザ・マン・アイラブ) (1924)、 Irving Berlin'(アービング・バーリン)のBlue Skies(ブルースカイ、1927)、Cole Porter(コール・ポーター)作詞作曲のWhat Is This Thing Called Love?(恋とは何でしょう、1929)などがある。
 しかし、ブロードウェイ曲の持つ和声と旋律面での洗練性にミュジシャン達が追いついてレパートリーに取り込むようになるのは、1930年代後半になってからのことであった。

◆1930年代
 ブロードウェイ劇場は、1930年代のスタンダード曲として最も知られたもののいくつかを送り出した。ガーシュイン兄 弟のSummertime(サマータイム、1935)、 Richard Rodgers and Lorenz Hart(リチャード・ロジャース/ロレンツ・ハートのコンビ)によるMy Funny Valentine (マイ・ファニー・バレンタイン、1937)、Jerome Kern and Oscar Hammerstein II(ジェローム・カーンン/オスカー・ハマースタインのコンビ)によるAll the Things You Are (オール・ザ・シングズ・ユーアー、1939)がその例である。
 時代は変遷しても、こういった曲は最多レコード化スタンダード曲順位において依然として高い地位を占めている。1930年代の最も著名なスタンダード曲、Body and Soul(ボディ・アンド・ソール)は、ブロードウェイ劇で世に出た曲だが、1939年のColeman Hawkins( コールマン・ホーキンス)の吹き込みによって猛烈にヒットした。

  1930年代には、スイング・ジャズ(swing jazz)がアメリカ音楽の支配的な地位を占めるようになった。
  デューク・エリントン(Duke Ellington)とバンドのメンバーたちは、スイング時代のヒット曲をいっぱい作り、そのうち多くのものが後々スタンダード曲になった。"It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing) (イット・ドント・ミーンズ・ア・シング、スイングしなけりゃ意味がない、1932)、Sophisticated Lady(ソフィスティケイティッド・レイディ、1933)、Caravan(キャラバン、1936)などがある。
 他に、この時代の影響力の強いバンドリーダーとして、Benny Goodman(ベニー・グッドマン)やCount Basie(カウントベイシー)がいる。

◆1940年代
 スイング時代は1940年代半ばまで続き、デューク・エリントンの"Cotton Tail(コットンテイル、1940) 、Billy Strayhorn'(ビリー・ストレイホーン)のTake the 'A' Train (テイク・ジ・Aトレイン/A列車で行こう、1941)といった人気曲を生みだした。第二次世界大戦が起きてビッグバンドは経営難に陥り、小編成グループ の比重が重くなり始めた。Louis Jordan(ルイ・ジョーダン)など、スイング時代のミュジッシャンのなかには、後年、"rhythm and blues"(リズム・アンド・ブルース)という新種音楽に人気性要素を見出し、それを融合的に取り入れていった者がいる。そういった音楽は、1950年代にロックンロールに発展していった。

 1940年代初期にCharlie Parker(チャーリー・パーカー)、Dizzy Gillespie(ディジー・ガレスピ―)、Thelonious Monk(セロニアウス・モンク)らの主導によってビバップ(bebop)が台頭してくる。専門的嗜好を有するような特定聴衆層には、それまでのジャズ形式よりもこちらの方が魅力的に映った。ビバップは、複雑で洗練された和声と速いテンポという要素を持つものであったが、それに加えて、往々にして楽器奏法についての超絶テク ニックをも伴うものであったからである。
 ビバップ・ミュジシャン達は、レパートリーの一部として1930年代のスタンダード、特にブロードウェイ・ミュジカルからのものを使用することが多かった。

  ビバップ・ミュジシャンの作曲によるスタンダードとしては、ガレスピーのSalt Peanuts(ソールト・ピーナツ、1941)、A Night in Tunisia (チュニジアの夜、1942)、パーカーのAnthropology (アンソロポロジー、1946)、Yardbird Suite (ヤードバード組曲、1946)、 Scrapple from the Apple (スクラップル・フロム・ジ・アップル、1947)、モンクの'Round Midnight (ラウンド・ミッドナイト、1944)がある。
 ラウンド・ミッドナイトは、現時点において、ジャズ・ミュジシャン作曲のもののなかで、吹き込み回数が最も多い曲である。

◆1950年代以降
 1950年代には、マイルス・デビスのKind of Blue(カインド・オブ・ブルー)のようなモーダル・ジャズ(モード・ジャズ)吹き込みが盛んになった。
  モーダル・ジャズのスタンダード曲として著名なものとしてはマイルスのAll Blues、 So What (共に1959)、John Coltrane(ジョン・コルトレーン)のImpressions (1963)、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)のMaiden Voyage(処女航海、1965).がある。
 マイルスはその後、第2期の偉大なクイ ンテットで、それはサキソフォンにWayne Shorter(ウェイン・ショーター)、ピアノにHerbie Hancock(ハビー・ハンコック)を擁するものだが、このバンドで、1960年の半ばから末にかけて、非常に高い評判をとった一連のアルバムを出し た,
 これらのセッションからスタンダード曲になったものに、ショーターのFootprints (1966)やEddie Harris(エディ・ハリス)のFreedom Jazz Dance (1966)などがある。

  1950年の後半に、ブラジルで、ボサノバ(bossa nova)と呼ばれる新しい音楽が発展してきた。ブラジル風サンバとジャズが融合したものである。ボサノバの筆頭的アー ティストとして、Joao Gilberto(ジョアン・ジルベルト)、Antonio Carlos Jobim(アントニオ・カルロス・ジョビン)、Luiz Bonfa(ルイス・ボンファ)などがいる。
 ジルベルトは Stan Getz(スタン・ゲッツ)とともに1963年のGetz/Gilbertoというアルバムでアメリカ中をボサノバで湧きかえらせた。このジャンルの曲で現在スタンダード曲とみなされているものに、ボンファのManha de Carnaval (カーニバルの朝、黒いオルフェ、1959)やMarcos Valle(マルコス・ヴァーリ)のSummer Samba (サマー・サンバ、1966)のほか、Desafinado (デサフィナード1959)、The Girl from Ipanema (イパネパの娘、1962)、Corcovado (コルコバド、1962)など、数多くのジョビンの曲がある。
  その後、Edu Lobo(エドゥ・ロボ)とEgberto Gismonti(エグベルト・ジスモンチ)が、Casa Forte、Frevo Rasgado、Loroといった曲でブラジルのジャズ・レパートリーに大きく貢献した。

  ジャズのフュージョン化(融合化)という現象が起きて、ジャズを他の音楽スタイルに融合させた。その最たるものはファンクとロックである。そのゴールデン・エイジ、最盛期は、1960年代後半から1970年代半ばであった。Weather Report(ウェザーリポート)、Chick Corea(チック・コリア)、Return to Forever(リターン・トゥ・フォーエヴァー)、Herbie Hancock(ハービー・ハンコック)、The Headhunters(ザ・ヘッドハンターズ)、Mahavishnu Orchestra(マハヴィシュヌ・オーケストラ)といったフュージョン界のトップ・アーティストたちは、クロスオーバー人気を獲得した。しかし、このジャンルに対する大衆の人気は 1980年代の折り返し地点で薄れていった。
 フュージョンの最大ヒットとして、コリアのSpain(スペイン、1971)、ハンコックの Chameleon(カメレオン、1973)、Joe Zawinul(ジョー・ザヴィヌル)のBirdland(バードランド、1977)があり、これらの曲はその後、他のアーティストによって吹きこまれており、モダンジャズ・スタンダード曲とみなされている。

二、Great American Songbook(グレイト・アメリカン・ソングブック)とは、どいう「本」か。
■Wikipedia記事
[Great American Songbook]
 グレイト・アメリカン・ソングブック(「アメリカ傑作歌曲集」の意)は、20世紀のアメリカ・ポピュラーソングのうち、きわめて重要で、きわめて影響力の強い(有力な)ものはどれかという決定を下すうえでの基準(規範)、ないし、基準として示された曲集リストである。 (ブログ主「注」―"Songbook"とあるが、それは、実在する本ではなく架空の概念である)
 リストは、1920年から1950年にかけて現れた曲のうち、主としてブロードウェイ劇、ミュージカル、ハリウッド・ミュージカル映画からのものを対象に行われている。リストには、人気を持続し続けている曲がいっぱい含まれている(*2)。

*2.以前の記事では、「架空の概念である」と表現されていた。その後この表現を修正しているが、そのままの方がよかったのではないか。概念が把握しやすい。
[以前の記述]
  Great American Songbook(「アメリカ傑作歌曲集」の意)は、20世紀におけるアメリカ歌唱曲の傑作を表わそうとする架空の構成概念である。
 The Great American Songbook is a hypothetical construct that seeks to represent the best American songs of the 20th century
........

[定義]
American_popular_songs_3   1972年に、ソングライター兼音楽評論家のアレック・ワイルダー(Alec Wilder)は、"American Popular Song: The Great Innovators, 1900-1950"(「アメリカのポピュラーソング ― 代表的な革新的作曲者たち、1900-1950」)という「基準」(規範/標準)調査を行い
(誰がそれに該当するかという基準/規範/標準の調査研究)、Great American Songbook(アメリカ傑作歌曲集)基準に属すると思慮するアーティストのリストを発表した。同時に、相対的価値観点からの、自分なりの順位づけを行った。自ら作曲者であるので、ワイルダーは、作曲者選びと各自の創造的努力の分析に評価の重点を置いた。

ワイルダーは、次の6人については一章ずつ割り当てて記している。
   Jerome Kern(ジェローム・カーン)
    Irving Berlin(アービン・バーリン)
    George Gershwin(ジョージ・ガーシュイン)
    Richard Rodgers(リチャード・ロジャース)
    Cole Porter(コール・ポーター)
    Harold Arlen(ハロルド・アレン)

この人たちについては、二人で一章。
   Vincent Youmans(ビンセント・ヨーマンズ)
   Arthur Schwartz(アーサー・シュワルツ)

この人らは、三人で一章。
    Burton Lane(バートン・レーン)
    Hugh Martin(ヒュー・マーチン)
    Vernon Duke(バーノン・デューク)

「優れた職人」(Great Crafsmen)とみなすソングライターについて一章。
   Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)
  Walter Donaldson(ウォルター・ドナルドソン)
  Harry Warren(ハリー・ウォーレン)
  Isham Jones(アイシャム・ジョーンズ)
  Jimmy McHugh(ジミー・マクヒュー)
  Duke Ellington(デユーク・エリントン)
  Fred Ahlert(フレッド・アルハート)
  Richard A. Whiting(リチャード A. ホワイティング)
  Ray Noble(レイ・ノーブル)
  John Green(ジョン・グリーン)
  Rube Bloom(ルーブ・ブルーム)
  Jimmy Van Heusen(ジミー・ヴァン・ヒューゼン)

 最後の章(
第11章?)は、67ページにわたるものである。
 「Outstanding Individual Songs: 1920 to 1950」(1920年から1950年までの個性的傑作歌曲)(*3) という表題になっている。
 前章までに触れた曲以外の曲で、ワイルダーが記憶すべきと考えるものを挙げている。

 さて、そういうことであるが、20世紀後半のソングライターたちがGreat American Songbook基準を充足するかどうか決定することは難しい。
 多くの者にとって、Great American Songbookの時代はロックンロールと共に終了した。ワイルダーは1950年で打ちきっている。ラジオ司会者でありGreat American Songbookの帰依者(
熱烈な信奉者)であるJonathan Schwartzは、回顧録において、この概念(Great American Songbook)のことを「アメリカの古典音楽」(America's classical music)と表現している。

*3."Individual"の意味が定かでない。「個性的な」としたが、次のようなことを表わしているのかもしれない。
  ・「個人的好みで選んだ」。
  ・作曲家の評価とセットで選んだものではなく、「個別に選んだ」。


◆作詞/作曲家たちと曲
  その者の作品がGreat American Songbookに該当する(
構成する、構成要素となる)とみなされるミュジシャンや作詞家の名を列挙することについて、定義的に決定的なものは存在しない。
しかし、以下に掲げる作詞/作曲家と曲は、一般的にそのリストに含まれると考えてよい。

Harold Arlen(ハロルド・アレン)
  [E.Y. Harburg]による作詞
  Over the Rainbow 、"It's Only a Paper Moon
  [Ted Koehler]による作詞
  I've Got the World on a String、I Gotta Right to Sing the Blues、Let's Fall in Love
  [Johnny Mercer]による作詞
  Blues in the Night、That Old Black Magic、One for My Baby、Come Rain or Come Shine、
   Ac-Cent-Tchu-Ate the Positive、
  [Ira Gershwin」による作詞
  The Man that Got Away


Irving Berlin(アーヴィング・バーリン)
 Alexander's Ragtime Band、When I Lost You、How Deep Is the Ocean、God Bless America、White Christmas、Always、A Pretty Girl is Like a Melody、Blue Skies、Cheek to Cheek、Puttin' on the Ritz"、Let's Face the Music and Dance、There's No Business Like Show Business、I've Got My Love to Keep Me Warm 



Nacio Herb Brown(ナシオ・ハーブ・ブラウン)
 作詞家Arthur Freed
  "All I Do Is Dream of You", "Broadway Melody", "Pagan Love Song", "Paradise", "Singin' in the Rain", "Temptation", "You Stepped Out of a Dream", "You Were Meant for Me", "Good Morning"


Hoagy Carmichael(ホーギー・カーマイケル)
  "Stardust"、 "Georgia on My Mind"、"Lazy River"、"The Nearness of You"、"Skylark"


Walter Donaldson(ウォルター・ドナルドソン)
   ほとんがGus Kahnによる作詞
    "My Baby Just Cares For Me、My Blue Heaven、Love Me Or Leave Me、Carolina in the Morning、My Mammy、What Can I Say After I Say I'm Sorry?、Yes Sir, That's My Baby、Makin' Whoopee、You're Driving Me Crazy、Little White Lies、


Vernon Duke(バーノン・デューク)
   April In Paris、Autumn In New York、I Can't Get Started、Taking A Chance On Love


Duke Ellington(デューク・エリントン)
 "In a Sentimental Mood、It Don't Mean a Thing (If It Ain't Got That Swing)、Satin Doll (Billy Strayhornと共作)、Mood Indigo、Sophisticated Lady、Take the 'A' Train、I'm Beginning to See the Light


Sammy Fain(サミー・フェーン)
  I'll Be Seeing You、That Old Feeling、Love Is a Many-Splendored Thing、April Love、Tender is the Night


George and Ira Gershwin(ジョージ/アイラ・ガーシュイン兄弟)
Someone to Watch Over Me、'S Wonderful"、Summertime、A Foggy Day、But Not For Me、Embraceable You、I Got Rhythm、Fascinating Rhythm、The Man I Love、They Can't Take That Away from Me、Love Is Here to Stay、Strike Up the Band


Ray Henderson(レイ・ヘンダーソン)
 Bye Bye Blackbird、I'm Sitting On Top Of The World、The Birth of the Blues、The Thrill Is Gone、The Best Things In Life Are Free、Sonny Boy、You're the Cream in My Coffee


Herman Hupfeld(ハーマン・ハップフェルド)
  As Time Goes By、Let's Put Out the Lights (and Go to Sleep)


Bart Howard(バート・ハワード)
   Fly Me To the Moon


Isham Jones(アイシャム・ジョーンズ)
  Gus Kahn作詞  It Had to Be You、I'll See You in My Dreams


Jerome Kern(ジェローム・カーン)
  Dorothy Fields作詞
  A Fine Romance、Pick Yourself Up、The Way You Look Tonight
  Ira Gershwin作詞
   Long Ago (and Far Away)")
   Oscar Hammerstein II作詞
   All the Things You Are、The Folks Who Live On the Hill、Ol' Man River、The Song Is You
  Otto Harbach作詞
    Smoke Gets in Your Eyes、Yesterdays


Frank Loesser(フランク・ルーザー)
  If I Were A Bell、On A Slow Boat To China、Standing On The Corner、Baby, It's Cold Outside、 "Luck Be A Lady


Jimmy McHugh (ジミー・マクヒュー)
  I Can't Give You Anything But Love, Baby、I'm in the Mood for Love、Don't Blame Me、On the Sunny Side of the Street、Exactly Like You、It's a Most Unusual Day


Johnny Mercer(ジョニー・マーサー)
(作詞部門アカデミー賞4回受賞作詞家)
  On the Atchison、Topeka and the Santa Fe、In The Cool, Cool, Cool Of The Evening、
  Moon River(Henry Mancini共作)、Days of Wine and Roses
[作詞作曲];
   Dream、Something's Gotta Give、I Wanna Be Around、
[作詞]
  Midnight Sun、Day In, Day Out、Laura、I Remember You


Cole Porter(コール・ポーター)
 Night and Day、I've Got You Under My Skin、Begin the Beguine、Let's Do It、 Let's Fall in Love、What Is This Thing Called Love、Too Darn Hot、Love for Sale、You're the Top、Just One of Those Things、All of You、I Get a Kick Out of You、Ev'ry Time We Say Goodbye、In the Still of the Night、It's De-Lovely、My Heart Belongs to Daddy、I Concentrate on You、You'd Be So Nice to Come Home To、So in Love、Anything Goes、You Do Something to Me


Rodgers and Hart(ロジャース・ハート)
作曲家リチャード・ロジャース(Richard Rodgers, 1902-1979)と作詞家ロレンツ・ハート(Lorenz Hart, 1895-1943)の作詞作曲コンビ    
Photo_2                                              
(ロジャースとハート、1936年、ココから)
 Slaughter On 10th Avenue (ballet)、Bewitched、Bothered and Bewildered、With A Song In My Heart"、Falling In Love With Love、My Romance、Have You Met Miss Jones、My Funny Valentine、Blue Moon、Blue Room、I Could Write a Book、It's Easy To Remember、It Never Entered My Mind、Manhattan、The Lady Is a Tramp、Little Girl Blue、Mimi、My Heart Stood Still、pring Is Here、A Ship Without a Sail、Thou Swell、Lover、The Most Beautiful Girl In The World、I Didn't Know What Time It Was、Isn't It Romantic?、Where or When、Glad to Be Unhappy、You Took Advantage of Me、This Can't Be Love、Mountain Greenery


Rodgers and Hammerstein(ロジャース・アンド・ハマースタイン)
Photo  リチャード・ロジャース、1902 - 1979)とOscar Hammerstein II(オスカーハマースタインII ,1895 - 1960)は、著名な作詞作曲二人組である。通常、ロジャース・アンド・ハマースタインと呼ばれる。二人は1940、50年代、ブロードウェイ・ミュージカルのゴールデンエイジと呼ばれる時期に、一連の人気曲を生みだした。ロジャースの作曲ハマースタインの作詞による作品のなかで、5本の劇、すなわちOklahoma!(オクラホマ!)、 Carousel(回転木馬)、South Pacific(南太平洋)、The King and I(王様と私)、The Sound of Music(ザ・サウンド・オブ・ミュジック)は傑出した成功であった。二人によるショウ(およびその映画版)が獲得した称賛は枚挙にいとまがないが、その代表的なものを挙げると、トニー(Tony Awards)34回、アカデミー賞15回、ピューリツァ賞、グラミー賞2回を受賞している。

      [↑画像、ロジャース(左)とハマースタイン(右)がアービング・バーリン(中)、Helen Tamiris(後列)と共にオーディションを見る。セント・ジェイムス劇場(St. James Theatre、1948年。ココから]

You'll Never Walk Alone、Hello, Young Lovers、Younger Than Springtime、Oh What a Beautiful Mornin'、People Will Say We're in Love、It Might as Well Be Spring、If I Loved You、Happy Talk、 Some Enchanted Evening、The Surrey With The Fringe On Top、I Have Dreamed、Shall We Dance?、 My Favorite Things、Something Wonderful、Climb Every Mountain、Edelweiss、I Enjoy Being A Gir、The Sound Of Music、A Wonderful Guy"
                     
Rodgers (left) and Hammerstein (right), with Irving Berlin (middle) and Helen Tamiris, watching auditions at the St. James Theatre in 1948


Harry Ruby and Bert Kalmar (ハリー・ルビーとバートカルマ―)
  Who's Sorry Now?、Thinking of You、I Wanna Be Loved by You、Three Little Words、 Nevertheless、A Kiss to Build a Dream On


Arthur Schwartz and Howard Dietz(アーサー・シュワルツ、ハワード・ディエッツ)
 Dancing in the Dark、You and the Night and the Music、I Guess I'll Have to Change My Plan、Alone Together、Haunted Heart、That's Entertainment!


Jule Styne(ジュール・スタイン)
  Time After Time、Guess I'll Hang My Tears Out to Dry、I Fall In Love Too Easily、
Diamonds Are a Girl's Best Friend、Let It Snow! Let It Snow! Let It Snow!、People、Don't Rain on My Parade、Just In Time、Saturday Night (Is the Loneliest Night of the Week


Jimmy Van Heusen(ジミー・バン・ヒューセン)
   [ほとんどが、作詞家Johnny BurkeまたはSammy Cahnとのコンビ]  
All the Way、Swinging on a Star、Darn That Dream、Polka Dots and Moonbeams、But Beautiful、 Come Fly with Me、Imagination、Like Someone in Love、Call Me Irresponsible、I Thought About You、Here's That Rainy Day、It Could Happen To You、Love Is The Tender Trap、Ain't That a Kick in the Head


Harry Warren(ハリー・ウォーレン)
 At Last、There Will Never Be Another You、An Affair To Remember、I Had The Craziest Dream、 The More I See You、Forty-Second Street、Boulevard Of Broken Dreams、Lullaby of Broadway、 You're Getting to Be a Habit with Me、I Only Have Eyes For You、This Is Always、Jeepers Creepers、You Must Have Been A Beautiful Baby、September In The Rain、Lulu's Back In Town、 You're My Everything、Chattanooga Choo Choo、On the Atchison、Topeka and the Santa Fe、This Heart of Mine、You'll Never Know、My Dream Is Yours、I Wish I Knew、Serenade In Blue、 Nagasaki(I've Got a Gal In) Kalamazoo、That's Amore、Innamorata


Richard Whiting(リチャード・ホワイティング)
  Till We Meet Again、The Japanese Sandman、Ain't We Got Fun、Hooray for Hollywood、 Beyond the Blue Horizon、On the Good Ship Lollipop、Too Marvelous for Words


Jack Yellen with Milton Ager
 (作詞ジャック・エーレン、作曲ミルトン・エイジャー)
  Ain't She Sweet、Happy Days Are Here Again、Big Bad Bill (Is Sweet William Now)、
Glad Rag Doll、Hard Hearted Hannah (The Vamp of Savannah)、Louisville Lou (That Vampin' Lady)、
 [作詞作曲、
ただし、作曲はLew Pollackと共同作曲]
 My Yiddishe Momme


Vincent Youmans(ビンセント・ユーマンズ))
  Tea For Two、Time On My Hands、More Than You Know、(The) Carioca、Sometimes I'm Happy、Without A Song、I Want to Be Happy


Victor Young(ビクター・ヤング)
  I Don't Stand a Ghost of a Chance with You、Stella by Starlight、Love Letters、My Foolish Heart、When I Fall in Love、Around the World

◆スタイルと構造
[スタイル]
 事の趣旨からして歌の題材(
作詞作曲の目的として設定される話題)とムード(情緒/情感面での状況設定)は相対的に狭い範囲のものに限定されることになるのであるが(訳者「注」、恋の歌、なかんずくトーチソングなどに)、そういうなかで、多くの曲では、Great American Songbook基準に該当する秀逸な作詞家たちは、ウイットに富んだ歌詞、洗練された歌詞を、からかっていると感じられるほど意表を突く「韻踏み」を添えて作る専門家である。
 ソングライターたちは、そういった歌詞に、記憶すべき印象的なメロディーを添える。メロディは、ペンタトニック
(5音音階)から――その例は"I Got Rhythm"のようなガーシュインの音楽にみられるが、そのようなものから、コールポーターの多くの曲にみられるような複雑なクロマティック、あるいは、精妙な和声学手法、その良い例はカーンの、らせん状の転調を駆使するAll the Things You Areであるが(見よ、この過去記事)、そういったものまで、千差万別である。

[構造]
 Great American Songbookの曲の多くは32小節形式のものである。その大多数はミュジカル用に作曲されたものであるが、そのなかには、導入部としてのバースを置いているものもある。
 コーラス部と区分されたバースは、音楽上の導入部であり、一般的にいうと、自由な音楽構造をもつ。すなわち、語りかけているようなリズム、ルバート(rubato、自由リズム)などである。
  区分バースは劇の現実的な周辺環境(状況設定)から歌の人工的な世界へ導くことを狙うものであり、多くの場合、その歌を書いた目的であるミュージカルのプロット(話の筋)に沿った内容の、プロットへの言及を含ませた歌詞を有している。

 歌そのものは通常32小節のAABAまたはABACであり、歌詞は、これまた通常は、普遍的な、特定の時代に限定しない状況設定とテーマを描くものである。その卑近な例は、「恋の変転」である。
 この、普遍性を大きく持たせるということによって、歌をショウに入れたり抜いたりすることや、別のショウで復活使用することが容易になる。

 区分された導入部バースを持つものとして書かれた歌には、ほとんど常にその導入部バース付きで演奏されるものがある。しかし、そのような区分導入部バースは、元来の劇や映画の脈絡で演奏される場合を除き、省略されることが多い。
 そのようなバースを唄うかどうかは、その歌の内容と、唄う人物との関係で決まる。例えば、フランクシナトラは、In Other Words(
*Fly Me To The Moon、フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン)のレコーディングにおいてバース付きで唄ったことはないが、トニー.ベネットはそこを唄う。

[歌手]
[初期]
 1930年代以降大勢の歌手たちがGreat American Songbookの多くの部分を(該当する多くの歌を)舞台で唄ったりレコードに吹きこんだりしてきた。.
 エラ・フィッツジェラルドが1950年代にVerve社から出した「Songbook」シリーズは、人気の高い、影響力の強いものであるが、Songbookから252曲を収めている。

 早い時代におけるGreat American Songbookの通訳には(*
該当曲を意識的にとりあげて唄った歌手)には、他に次のような歌手たちがいる。

 Fred Astaire, Shirley Bassey, Tony Bennett, Pat Boone, June Christy, Rosemary Clooney, Nat "King" Cole, Barbara Cook, Perry Como, Bing Crosby, Vic Damone, Bobby Darin, Sammy Davis, Jr., Doris Day, Jo Stafford, Blossom Dearie, The Four Freshmen, Judy Garland, Eydie Gorme, Johnny Hartman, Billie Holiday, Al Jolson, Jack Jones, Cleo Laine, Frankie Laine, Steve Lawrence, Peggy Lee, Julie London, Dean Martin, Johnny Mathis, Carmen McRae, Helen Merrill, Wayne Newton, Dinah Shore, Bobby Short, Nina Simone, Frank Sinatra, Barbra Streisand
(特に初期の仕事), Mel Torm?, Sarah Vaughan, Dinah Washington, and Andy Williams.

[現代歌手]
 この数十年間、現代歌手がSongbookをとりあげて唄うというリバイバルが起きている。
 1970年には、リンゴ・スター(Ringo Starr)がSentimental Journey(センチメンタル・ジャーニー)というアルバムを出した。スタンダード曲を12曲収めたものであり、編曲は様々なミュジッシャンによっている。
 1973年には、グラミー賞受賞シンガーソングライターであるハリー・二ルソン(Harry Nilsson)が12曲の古典スタンダードを収めたアルバム、A Little Touch of Schmilsson n the Nightを出して、批評家かなどから良い評価を受けている。編曲はGordon Jenkinsである。
 このレコードは、収録曲をスタンダード18曲に増やして、1988年にCDで再発売された。
 
 同じく1973年に、Roxy Music殿堂入りのBryan FerryがThese Foolish Thingsというアルバムを出した。それに続いて、同じようなアルバムをいくつか出している。

  1978年には、カントリー歌手のWillie Nelson(ウイリー・ネルソン)が"Stardust"(スターダスト)という題の人気スタンダード集アルバムを出した。Hoagy Carmichael、George Gershwin、Irving Berlinといった有名な作曲者による曲を収録している。発売当時は売れ行きが危ぶまれたが、あにはからんや、当人のアルバムで最も長続きしているものになっている。

 1983年に、人気ロック歌手のLinda Ronstadt(リンダ・ロンシュタット)がWhat's New(
ウォッツ・ニュー)を出した。後に当人はスタンダード曲集アルバム3部作を完成させるに至るが、その最初のものである。
 ニューヨーク・タイムズのStephen Holdenは次のように書いている。

-----<<<"What's New"は、ロック歌手がポピュラー音楽の黄金時代に対して敬意を払って出すアルバムとして、初めてのものではない。しかし、そのようなもののなかで最良のものであり、1960年代にビートルマニア(Beatlemania、ビートルズ狂)や、ティーンエイジャー向けのロックLP大量販売によって追いやられていたポピュラー音楽の音楽性を復活させようとする試みのうえで、最も真剣なものである。
 ビートルズ狂に至る前10年間に、1940年代、50年代の有名バンドの歌手や低音流行歌手たちは、半世紀に及ぶアメリカ・ポピュラー音楽スタンダード曲を、自らの数十枚のアルバムに集大成することに努めてきたが、その多くは、久しく廃盤になっている>>>---


  1991年にNatalie Cole(ナタリー・コール)が"Unforgrtable…with Love"を出し、非常な成功を収めた。このアルバムは、
Unforgetable(アンフォアゲッタブル、曲名)をTop 40まで押し上げるに至った。その歌唱は父親、ナット「キング」コールとの仮装デュエットである。続いて、Take a Lookなどの後続アルバムを出したが、それも成功している。

  1980年代以降、Michael Feinstein、Harry Connick, Jr.、Michael Buble、Diana Krall、John Pizzarelli、Ann Hampton Callawayといった歌手たちは、自己の芸歴を通じてSongbookの曲をとりあげて唄い、人気を博している。
 世に受け入れられている。
 特にMichael Feinsteinは、1970年代以降、熱心な擁護者、保存図書館員、信仰復興推進者、遺産保存主義者となっている。

[その他の歌手]
 1980年以降、Songbookとは関係のないジャンルにおいて地位を確立している歌手たちがSongbookの歌を唄って成功するという例もみられるようになっている。
 Rod Stuart(ロッド・スチュアート)は、2002年を出発点として、Songbook曲を対象にした一連のスタジオ録音アルバム作りに専念してきている。実際に、「Great American Songbook」という表題を明確に打ち出している。"

 ロック畑やポピュラー音楽畑のアーティストでSongbook曲を扱っている者には、このほか次のような人々がいる。.
 Keith Richards、 Carly Simon、Bette Midler、Barry Manilow、Caetano Veloso、Pia Zadora、 Queen Latifah、Joni Mitchell、Boz Scaggs、Robbie Williams、Sting、Ray Reach、Pat Benatar、 Morrissey、Rufus Wainwright

 2012年には、ポール・マッカートニー卿(Sir Paul McCartney)がこのリストに身を連ねた。すなわち、Kisses on the Bottomというアルバムを出したのである(
見よ、この過去記事)
 2004年度のAmerican Idol番組で覇を競ったJohn Stevensもこのトレンドに身を置いている。
 Steve TyrellもGreat American Songbookの曲を唄うことによって、ソロ活動において成功を収めている。Tyrellが映画、Father of the Bride (1991)のために唄ったThe Way You Look Tonightは、その映画の主役スターSteve Martinの強い主張によって映画の中でも使用された。そのことがきっかけになって、TyrellはA New Standard、Standard Time、Bach to Bacharachといった後続アルバムを出している。

◆ラジオ
 イギリスのラジオ放送司会者Michael Parkinsonは、BBC Radio2の自分の番組において、このジャンルの音楽を流し続けた。番組名はParkinson's Sunday Supplementで、1996年から2007年まで続いた。

三、ジャズ・スタンダード曲リスト。
 A-Zリストを別稿として掲げる予定である。


[追記] 2013.7.21―A-Zリストを2013.7.11記事として掲げた(ココ)

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2013年6月28日 (金)

♪ 「ジャズ・スタンダード」(Jazz Standards)とは何か(その1) ― なにげなくいってんだが、じゃあ、これは「スタンダード」なのか、違うのか、どうなんだ。ウーップ、???#*/-%+&!!!・・・。

2013.6.28
 「ジャズ・スタンダード」(Jazz Standards)とは何だ。こういう検索でのアクセスがたまにある。
 以前、この設問に対する一応の説明になるような内容を記したことがある。
 そこで、その、以前書いた「一応の説明」を掲げておく。

 いずれ、内容をもっと膨らませよう。

◆◆◆◆◆◆◆◆
        <<<I'm Gonna Sit Right Down and Write Myself a Letter2012.2.17記事>>>

--------------------2012.2.17記事引用------------------
 歌は、1935年のポピュラーソング(Fred E. Ahlert作曲、Joe Young作詞)。何度も吹き込まれ、"Great American Songbook"収録スタンダード曲になっている(*1)。

*1.Great American Songbook (注釈だが、普通サイズで記す)
 Great American Songbook(グレイト・アメリカン・ソングブック、「アメリカ傑作歌曲集」の意)は、20世紀におけるアメリカ歌唱曲の一連の傑作を示そうとする架空の構成概念である。すなわち、そういう名の書物が実在するわけではない。
 そこに含まれている曲は、1920年から1960年にかけて現れた曲のうち、主としてブロードウェイ劇)、ミュージカル、ハリウッド・ミュージカル映画からのものを対象に選考されている。

American_popular_songs_3

 Great American Songbookは、ジャズミュジシャンにとって、押さえておかなければならないレパートリーの重要な部分となり、現在までその認識が続いている。
ミュジシャン達は、その一連の曲を「ジャズ・スタンダード」と呼ぶ。

[誰の手による概念か] 
 1972年に、ソングライター兼音楽評論家のアレック・ワイルダー(Alec Wilder)という人物が
 「American Popular Song: The Great Innovators, 1900-1950」(「アメリカのポピュラーソング ― 代表的な革新的作曲者たち、1900-1950」)、
 という「基準」調査(
誰がそれに該当するかという基準/規範/標準調査研究)を行い、
 Great American Songbook
(アメリカ傑作歌曲集)基準に属すると思慮するアーティストのリストを発表した。

 同時に、相対的な価値を判断するという観点からの、自分なりの順位づけを行った。
 自らも作曲者であるワイルダーは、作曲者像自体についての分析とその創造的努力の分析に評価の重点を置いた。(
Wikipedia)
                                 
                            
  右上画像=American Popular Song: The Great Innovators, 1900-1950(ココから)

 -------------------------引用終わり-----------------------

◆◆◆◆◆◆◆◆
[2013.7.1]
 記事を膨らませる。
 仕切り直して、「ジャズ・スタンダード」(*1)とは何か。

*1.ここでの、「ジャズ・スタンダード」という日本語表記は、「ジャズ畑でスタンダード曲として一般的に認知されている曲」という意味のことばであり(「スタンダード」の概念こそが問題なわけだが、それは後廻し、後述)、その単数形"Jazz Standard"と複数形"Jazz Standards"の両方を表わすものとして使用している。場合によって、単に「スタンダード」、「ジャズ・スタンダード曲」、「スタンダード」曲ということがある。

一、Wikipediaの説明
■ジャズ・スタンダード
   ...........................................

   以下、量が多くなるので、2013.7.5記事で独立させることにした。

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2013年6月 6日 (木)

♪I've Found a New baby/アイブ・ファウンダ・ニュウ・ベイビィ/いい娘(こ)を見つけた(♂)、いい坊やを見つけた(♀) ― 1926年Jazzスタンダード、歌詞と日本語訳。

2013.6.6
  前回記事(2013.5.31)の仕掛り部分(「七」章)を切り離し、ここに、独立記事として掲げることにした。
すなわち「脚注1」で次のように述べている部分である。 
 <<<*1.そもそもが「どういう曲なのか」ということを知るために、末尾に曲についてのデータと、歌入りの初期の演奏Tubeを掲げておく>>>

◆◆◆◆◆◆◆◆
[I've Found a New Baby]
 Jack Palmer作詞、Spencer Williams(スペンサー・ウイリアムズ)作曲によるポピュラーソングで、1926年に Clarence Williams' Blue Five(クラーレンス・ウイリアムズのブルー・ファイブ)バンドの演奏にによって世に出た。
 以降、多くのアーティストによって吹き込みが行われ、ジャズ・スタンダードになっている。
 デキシーランド界では、この曲をレパートリーにしていないバンドは、まず存在しない、そういわれる(Wkipedia)。
 元来は次のような曲だ(↓Tube)。

■Ethel Waters - I've Found a New Baby (1925)
 エセル・ウォ―タ―ズ

Ethel Waters (October 31, 1896 -- September 1, 1977) was an African American blues, jazz and gospel vocalist and actress. She frequently performed jazz, big band, and pop music, on the Broadway stage and in concerts, although she began her career in the 1920s singing blues.
 ブルース/ジャズ/ゴスペル歌手、女優。ブロードウェイ舞台やコンサートでジャズ、ビッグバンド演奏、ポップ音楽を頻繁に演じたが、そもそもは、1920年代にブルースを唄ってキャリアに踏み出した。
-----------
 ペンシルバニア州で、14、5歳になるかならないかの母親から生まれた。一家の知人であった混血中流階級出身ピアニストにレイプされたことによる妊娠だったという。貧困のなかであちこちを転々としながら育ち、13歳で結婚したがすぐに暴力亭主と別れ、フィラデルフィアで住み込み女中として働くなどしたという。17歳のときに仮装パーティで唄ったことがきっかけになって、プロの道に進むようになった(Wikipedia)。
 

■歌詞と日本語訳(独自訳)
                                                                   ♪参考資料[歌詞翻訳曲目一覧/ページ相互リンク]
               I've Found A New Baby
                        
(w)Jack Palmer (m)Spencer Williams, 1926 J
(Verse)
Everybody look at me,
Happy girlie, you will see,
I've got someone nice, oh, gee!
Oh, joy, what bliss!

Just the treasure that I need,
Pure as gold and guaranteed,
Is he handsome? Yes, indeed!
Let me tell you this:

(Chorus)
I found a new baby,
A sweet honey boy;
My fashion-plate baby
Has thrilled me with joy!

His new way of lovin'
Has made me his slave;
His sweet turtle dovin'
Is all that I crave!

Sweetest kiss, what a kiss, full of bliss, can't resist, somehow!
Tells me lies, but he's wise, naughty eyes mesmerize, I vow and how!

I don't mean maybe,
I just had to fall;
I found a new baby,
A new baby, that's all!

     いい娘(こ)を見つけた(♂)  / いい坊やを見つけた(♀)

(バース)
みんな、私を、見て!
ほら、幸せなお譲ちゃんがいるでしょう。
いい坊やを見つけたのよ、わあ、なんてこと、
しあわせ、至福、天国!

これよ欲しかった宝物は、
ゴールドのように無垢で、真正。
ハンサムかって訊くの? もちろん、請け合いよ。
ほら、こういうことよ。

(コーラス)
いい坊やをみつけたわ、
甘くて、可愛いい子。
私が、スタイル画に描くような子、
もう、ワクワク、ドキドキしちゃう。

愛しか方がね、まったく斬新なの、
だから、すっかり虜になってる。
キジバト夫婦のように愛し合う、
渇望、それが私の願望、それさえあれば何も要らない。

甘い口づけ、なんてキスなの! もう、至福、メロメロ、蕩けちゃう。
嘘をついたりするんだけどね、悪賢いの、とぼけた無邪気な瞳でね、
うっとりと催眠術にかけてね、ああやれ、こうやれってね、騙すの。
結局、約束させられちゃうわ。

でもね、この話、この恋、真剣なのよ、冗談じゃなくて、
とにかく、そうなっちゃったのよ。
いい坊やを見つけたの、
いい子をね、騙されようと、どうしようと、どうなってもいいの。

[翻訳工房]
1.[fashion -plate]
 1.(多くは色刷りで大判の)新型服装図 2.(話)常に最新流行の服を着る人、ハイカラな人
    (小学館「プログレッシブ英和中辞典」)
   スタイル画(weblio)
 2.[His sweet turtle dovin' is all that....]
  "turtle dove" n1.(鳥)キジバト(特に)ヨーロッパ産キジバト 2.恋人、仲の良い夫婦
       (小学館「プログレッシブ英和中辞典」)
    ここでは、"turtle dove"を動詞として使用している。すなわち、「仲のいい夫婦のように振舞う」という動詞として使用し、その現在進行形(ing)で「仲のいい夫婦のように振舞うこと」という名詞句になっている。元来名詞形しかない語を動詞として使うのは、よくある手だ。
3.[Tells me lies, but he's wise, naughty eyes mesmerize, I vow and how!]
 上記のように訳したが、意味調査中の暫定訳としておく。
4.[I don't mean maybe.]
(米口語)
  文の末尾に置いて、先行する文/節/句に対して、次のように念押しをする表現である。
 *「場合によってはそうする、とか、事に因ってはそうする」とか言っているのではない」、
  絶対にそうする。
  *「冗談でいっているのではないぞ、本気で言っているのだ」。
  *「いいか、必ずやれよ」。

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2013年5月31日 (金)

♪I've Found a New Babyのソロ比較で、バップ胎動期の息吹を感じ取る。エルドリッジ、レスター、クリスチャン、キングコール、パーカー、デクスターなどなど・・・そして、ハリーエディソンに、中間派の何たるやを見る。

2013.5.31
 昨日の記事で、I've Found a New Baby(1)という曲について、Mary Osborne(マリー・オズボーン)という女性ギター奏者のソロと、当人が傾倒していたというCharlie Christian(チャーリー・クリスチャン)のそれを聴き比べた。
 以前から気に入っている曲でもあり、周辺データ調査などに興が乗って、そのまま立ち去るのはもったいないような気になった。
 そこで、今日は、この曲を素材にして、「聴き比べ」を広げてみることにした。

 ただし、「聴き比べ」といっても、ただ漫然と誰彼の演奏を聴いてみるということではない。そこには目的がある。
 こうだ。
①今まさにバップ(bop, bebop, be-bop)という新しいジャズ形式が生まれ出ようとしている時期、ないしその直前の、その運動を推し進めようとした者、運動に身を委ねようとした者たちの演奏を聴くことによって、バップ胎動期の息吹みたいなものを感じ取ること、聴き取ること
②斯界(しかい)のそういった動きの中で、いわゆる「中間派」と呼ばれる連中がバップ運動というものに対してどう対処し、身構え、どんなスタンスで接したかということを感じ取り、聴き取ること。
③バップ運動が実り、やがて「モダンジャズ」と総称される流れがドーンと通る(主流と見るかどうかは別にして)ようになるわけであるが、そういう派に属する奏者の演奏から、「モダン」イディオムみたいなものを味わうこと。

 さて、狙い通り目的が叶うかどうか、では、いってみよう(2011.4.12にも同じような視点からの簡単な記事を載せている参考までに触れておく)。

*1.そもそもが「どういう曲なのか」ということを知るために、末尾に曲についてのデータと、歌入りの初期の演奏Tubeを掲げておく。

◆◆◆◆◆◆◆◆
一、まずは、昨日も聴いたが、ココから出発する。
■Charlie Christian - I've Found a New Baby
  チャーリー・クリスチャン

Benny Goodman Sextet, 1941.1.15
 Benny Goodman(clarinet)、
Charlie Christian(guitar)、Cootie Williams(trumpet)、Georgie Auld(tenor sax)、Count Basie(piano)、Artie Bernstein(bass)、Jo Jones(drums)

25歳で夭折した天才。
 電気アンプを通した画期的な単弦ソロ奏法によってジャズギターという存在をリズム楽器の檻から解放し、主要ソロ楽器としても位置付けさせた。そのソロは、「管楽器のようだ」と評されることからも分かるとおり、――Eddie Langなどアコースティック・ギターの先達から各種奏法を学んでいることはもちろんだが――、ギター奏者でありながら、むしろレスター(Lester Young)、エバンス(Herschel Evans、画像)など管楽器奏者から影響を受けているとされる。
 
  1939から1941年にかけてのベニー・グッドマンのバンド(セクステット、オーケストラ)での活動によって全国的に名を知られるようになった。
  バップ(bop, bebop, be-bop)ジャズ創始者の一人、少なくともその先駆者であると、大方からみなされている。
 同期/後続ギター奏者に影響を与えたことはもちろんであるが、ガレスピーパーカーモンクドン・バイアスなど他楽器奏者にも広く影響を与えた。(Wikipediaから)
Photo_2                    (前列左から、Herschel Evans、Eddie Miller, Lester Young、Matty Matlock。ココから)

Photo                                                   (ドン・バイアス/Don Byas、ココから)

[演奏について]
 いい演奏だねえ、いい、好きだね、こういうの。
 クーティ―のソロいいね(読者は、「ああ、あのエリントン・バンドの、「ワーワー」トランペットね」というであろう)。オールド(George Auld)もいい(日本では、「ハーレム・ノクターン」などの「ムード・サックス」の人みたいなことで知られているんだけど)。もちろん、クリスチャンもいい。そのソロは、やはり、うん、「やはり」とは、つまり、来つつあるというか実現しつつあるというか、実現したというか(演奏は1941年)、"bop"との関係でいっているのだが、やっぱ、「乗り」、「旋律創り」で従来の人々のそれとは「異質」だ。
 ベイシーについては、まあ、「全時代を包容する偉大な人」みたいなことをいっておこう。

 まあ、しかし、グッドマンは偉いよな、クラリネット演奏でも金儲けでも頂点を極め、名声を得て、大金持ち、旦那みたいな存在なのに、「左うちわ」で暮らしていても誰にも文句はいわれない存在なのに、こういう組み合わせを企画して、こういう音楽を残したんだから


二、次いでこれ、上↑の数年前のレスターの演奏。クリスチャンはこういうのに影響されたわけだ。
■Teddy Wilson- I've Found a New Baby (1937) 
   テディ・ウイルソン

(Tube投稿者による演奏データ)
N.Y.C., 1 jun 1937: Buck Clayton (tp), Buster Bailey (cl), Lester Young (ts),
Teddy Wilson (p), Freddie Green (g), Walter Page (b), Jo Jones (d)


 レスターは、パーカー、ガレスピーらとの関係において、バップ改革運動の着想誘引剤というか培養基盤というか前衛出発点というか、そういう存在であった。
 この演奏は1937年(*2)、まだ"bop, bebop, be-bop"ということばさえ生まれていない時期のものだが、連中はレスターのこういう演奏を聴いて、その思想に共鳴したたわけだ。まあ、思想なんて大げさなものではないけれども、とにかく、権威的な伝統スタイルに疑問を投げかけて、――それは、別に喧嘩を売っているわけではなく、「オレは、そこんとこ、こうしたい、こう吹きたい」というだけのことなのだが――独特の奏法で、スタイルで吹く人物の奏法、音楽観に共鳴した(当時、百人が百人、Colman Hawkinsに倣った奏法であり、大方の場所では、レスターは異端視され、軽んじられた)。
  そういう、新しい可能性を探りたいという動きから、――そこには、このレスターとの話題から離れて、和声面での深化を追求するという別要素も絡んでくるのだが、とにかく、そういう動きからクリスチャン、パーカーなどによる「バップ」運動がまれた。

*2.レスターはカウントベイシー楽団所属。テディ・ウィルソンは、ベニーグッドマントリオの一員として活躍していたときか。

三、同じくレスター、7年後、バップ運動真っ盛りのなかの姿。

■Lester Young - I've Found a New Baby
  レスター・ヤング

(Tube投稿者による演奏データ)
Lester Young Trio
 
Lester Young(ts), Nat King Cole(p), Buddy Rich (d)
Recorded Summer
1943 or late summer 1944 in Los Angeles

 上と同じくLesterだ。7年経過後の姿である。といっても1940年前後から胎動/台頭してきたバップ運動にレスターが身を投じたとか、色に染まったというたわけではない。この時期、すでにバップの波は、確かな成果を得ながら斯界に浸透し――レコーディング・ストライキ(1942-1944)の故に(3)、その動きはラジオ放送でしか世に知られず、歩みがのろかったということはあるが――、とにかくジャズ界の主流に、そういうと怒る人がいるから、まあ、言い換えて、その、「一大勢力」になっていたが、レスターは、その動きとは一線を画した立場を踏襲した。
 このレスターの演奏はだから、「バップの嵐が吹き荒れているが、オレは我が道を行く」みたいな理解で味わうべきものである。当時34歳、絶好調か。

 ここで一言述べておきたいが、ナット・キング・コールだけど、この人、当時、新進気鋭のバップ志向ピアニストだったんだよね。唄が売れ始めて、格段に儲かりはじめて(1943年頃)、その道から遠ざかったけど(そこらの事情をこの過去記事で書いているので参照されたい)。
 かの巨人、アール・ハインズ(Earl Hines)に傾倒しつつ進んできた気鋭ピアニストとして名を売りはじめていたんだ。
 先のTubeで見るテディ・ウイルソンもハインズの熱狂的な信者だった。しかし、ここでのコールのピアノ、上のウイルソンが依然として「ストライド真っ盛り」みたいなことでやっているのに対して、左手は、「ストライド」の名残をほんのわずかにとどめているだけで、異なったアプローチになっている。

*3.ストライキにつき、2011.4.12記事で――それは今日のこの記事の前座ミニ版みたいなものだが――、そこで詳しく触れているので参照されたい。

四、同時期のパーカーの演奏
■ Charlie Parker Early Recordings 1943 ~ I Found A New Baby
(I'veが正しい)
  チャーリー・パーカーの初期の録音、1943年 。
   
(Tube投稿者による演奏データとコメント)
Recorded: Vic Damon Studio, Kansas City, Kansas Autumn 1943
Personnel:
Charlie Parker - Alto Sax, Efferge Ware- Guitar, "Little" Phil Phillips - Drums
*The guitarist may be Leonard "Lucky" Enois. Parker worked with a Kansas City group in late 1943 that included both Enois  and Phillips. It is believed this tune was recorded during that time.

(ギターは Leonard "Lucky" Enoisかもしれない。というのは、パーカーは1943年後期にカンサスシティ・グループと仕事をしていたのだが、その中にEroisもPhillipsもいたから。この録音はその時期のものだとされている)
---------------------------------
上記と部分的に齟齬するデータ
を掲げている資料もある(ギターは Efferge Ware、録音は1941/42、このwebページ)。
Kansas City Band
Charlie Parker (alto saxophone) Efferge Ware (guitar) Little Phil Phillips (drums)
Vic Damon Studio, Kansas City, MO, September,
1941, 1942
    Cherokee               Stash STCD 535
    My Heart Tells Me                -
    I've Found A New Baby     -
    Body And Soul                      -


五、バップ賛同派としてキャリアを進み始めた初期テナーサックス奏者
■Dexter Gordon - I've Found A New Baby (1943)
 デクスター・ゴードン

(演奏データ - ココから)
Harry Edison (trumpet) Dexter Gordon (tenor saxophone) Nat King Cole (piano) possibly Red Callender or Johnny Miller (bass) Juicy Owens (drums)
Los Angeles, CA, late 1943 or circa July, 1944

 デクスター・ゴードン(Dextor Gordon, 1923.2-1990.4)。
 パーカー、ガレスピー、パウエルなどがしゃべる「バップ語」をテナーサックスに初めて導入した、つまりバップ・イディオムに基づいてテナーを奏でるということだが、そういうことをやり始めた初期奏者の一人である。
 ロスアンゼルス生まれ。高校時代からチコ( Chico Hamilton)など、プロバンドで演奏し始める。1940-43にかけてハンプトン( Lionel Hampton)のバンドにいた。その後、ルイ・アームストロングやフレッチャー・ヘンダーソンと活動した後、ビリーエクスタイン(Billy Eckstine)バンドに入る)。ここに掲げているTubeのレコードは(1943 or 44)、当人が自分の名前で録音した初めてのものだという。

 さて、1945年にエクスタインの元を離れてニューヨークに行き、パーカーらと活動/吹き込みをするようになるのだが、このTubeの時期(1943/44)、20歳ぐらいだが、すでにバップ色に染まっていることが分かる。レスターに影響されたというんだが、聴けばそれが一発で分かるね。
 「レスターが、ものすごく体調のいいときに、いい気分で快調に飛ばしている、しかも、意識的にバップ色を混ぜながら演っている」、そういったソロだね。
 6フィート6インチ(196cm)の大男だそうだ
  ゴードンはコルトレーン(John Coltrane)の初期の演奏に影響を与え、逆に、コルトレーンのそのような演奏がゴードンに影響を与えたという(Wikipedia)。

 この演奏、全員が調子よく、溌剌としていて、共にいいソロをとり、実にいいね、名演奏だ。エディソン28歳、コール24、ゴードン20歳。二十歳でこのソロ、え、どうだね、驚くねえ。まあ、そういう人、いっぱいいるっていえばいるけど、Lee Morganなんか19歳で実にいいソロやっているし。まあ、マイルスは19歳のころ、テクはないし、ブルースまったく知らないし、信じられないほどブルース感覚ゼロだし、下手だったけど(自分でもそのことを重々自覚してたんだろうね、その後「猛練習」したというから)。
 キング・コールは同時期のレスターとの吹き込みもあるし(先のTube)、この時期求道精神に燃えて活動していたんだね。ソロからもそれが感じ取れる。
 この直後、歌、弾き語りに専念するようになるんだが、残念だ。 
 エディソンは、バップには与せず、この後もずっと「中間派」で通した。

六、「モダン」Jazz界の大家、サックスの巨人、ロリンズを聴く
■Sonny Rollins and the Contemporary Leaders - I've Found a New Baby
  (1958)
  ソニー・ロリンズ

(Tube投稿者による演奏データ)
Sonny Rollins and the Contemporary Leaders - I've Found a New Baby (1958)
Personnel: Sonny Rollins (tenor sax), Hampton Hawes (piano), Barney Kessel (guitar), Leroy Vinnegar (bass), Shelly Manne (drums)
  from the album 'SONNY ROLLINS AND THE CONTEMPORARY LEADERS'


 「モダン」ジャズ界の大家だ。
 グッドマン、レスター、デクスターと聴き比べてみよう。
 この人、時にユーモアたっぷりの、おどけたような、ふざけたようなフレーズを吹くことが、あるいは、演奏自体に端(はな)からそのようなアプローチで臨んでくることがあるが、そういう「独特の個性」は一応脇において、ソロ全体を通じての中核的要素、ないし本質みたいなところを注意深く観察しながら、これら三人と聴き比べてみよう。

七、「モダン」派 vs. 「中間派」、トランペット・バトル、どちらがどっち、判別できるか。
■Roy and Diz 06 I've Found A New Baby
(1954)
  ロイ・エルドリッジ/ディジー・ガレスピ―

(Tube投稿者による演奏データ)
from "Roy and Diz" (1954)
Personnel :
Roy Eldridge (Trumpet, Vocal), Dizzy Gillespie (Trumpet, Vocal), Oscar Peterson (Piano)
Ray Brown (Bass), Herb Ellis (Guitar), Louis Bellson (drums)


 ロイ(43歳)とガレスピー(37歳)だ。
 どちらも、高音連発で、まあ、「凄い」が、音色も似ているが、バトル(掛け合い)でどちらがどっちかということは。難なく識別できる。いわゆる「モダン」スタイルと伝統的スタイルの差があるからである。
 ロイ(1911.1-1989.2)はスイング後期からバップにかけての橋渡しをした人で、こういう高音多用の、パラパラ高難易度の、「壮絶な」ソロで知られるが、そのスタイルでガレスピーに影響を与えたとされるが、二人で同じようにパラパラ吹いても、ロイのソロは、「パラパラであってもスイングの域を脱しない」ものだといえる。

 まあ、そこらの違いは、口で説明するのは難しく、ジャズ史のバイブルを座右において時に参照しながら時代時代の演奏を数多く聴いて体で会得するしかないんだけど、そういう違いが存在するんだよね。
   (A)スイング→バップ→モダン (B)スイング→バップ→中間派
荒っぽい単純図式化だが、ここらのことを聴いてもらうのが、この記事の狙いだった。

七、I've Found a New Baby、そもそも、どういう曲か。
  曲データと歌入りの初期の演奏。
 
 ――仕掛り、未完――

[2013.6.6] ― 「仕掛り、未完」としていたが、記事のボリュームが大きくなりすぎるので、この部分(「七」章)を独立記事(2013.6.6記事)として掲げることにした。

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2013年5月30日 (木)

♪Mary Osborne(マリー・オズボーン)という女性ギター奏者がいたことを知った。Charlie Christian(チャーリー・クリスチャン)に傾倒していたという。そのソロを聴いた。曲は、I've Found a New Baby、クリスチャンゆかりの曲だ ― "Art Ford's Jazz Party"を楽しむ、その3

2013.5.30
 Art Ford's Jazz Party"を楽しむ、その1でマキシン・サリバンの唄、Ace In The Hole、その2でJohnny Windhurstのトランペット、Pennies From Heavenを聴いた。そのどちらにも、コンボ構成メンバーとして女性ギター奏者が入っている。スタジオにしつらえたバンドスタンド、一段高い壇上の椅子に座って、コードを刻んでいる。
1_2
 Mary Osborne(マリー・オズボーン)という人だそうだ(1921.7.17-1992.3.4)。初めて知った。
 この人が、I've Found a New Babyという曲でソロを取っている。今日は、それを聴いてみよう。Charlie Christian(チャーリー・クリスチャン)に傾倒していたというんだが、なるほど。

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■Art Ford's Jazz Party ( 09 18 1958 ) : Part 1 - The Roundtable
   Mary Osborneのソロを聴く - I've Found a New Baby 

Mary Osborne (guitar, 1921-1992)
Johnny Windhurst(tp, 1926-1981)、Hank D'Amico(cl, 1915-1965)、Tyree Glenn(tb, 1912-1974)、Coleman Hawkins(ts, 1904-1969)、Teddy Chrles(vib, 1928-2012)、Alec Templeton(p, 1909-1963)、Vinnie Burke(b, 1921-2001)、Morey Feld(drs, 1915-1971)

 
アイブ・ファウンダ・ニューベイビィ(いい娘をみつけた--「娘」は「コ」と読む)、当ブログ主の気に入り曲だ。チャーリー・クリスチャンが伝説的なソロ、「バップの夜明け」みたいなソロを残したことで知られている(1941年、Benny Goodman Sextet、下にそのYouTubeビデオ)。

 さて、この演奏だが、ピアノのリズムがちょっと乱れがちだね。
 ホーキンスのソロは、わざとこういう吹き方をしているんだろうか。ジャズ初期段階のサックス奏者の一般的な、原始的なそれだったような、ゴツゴツした。

<<<Mary Osborneマリー・オズボーン>>>
2_2                                                 Mary Osborn(↑のTubeの画面から)

 ノースダコタ州北部、カナダ国境に近いMinot(マイノット)の生れで、幼少時からバイオリンを学び、15歳のときにはギターとベースも弾いたそうだ(Wikipedia)。北部中西部の草深い田舎、そういうことをいっちゃ失礼だが、まあ、とにかくその田舎で育った少女は、やがて、1939年、18歳になったかならぬかの時だが、やや南に下がった場所にあるBismarck(ビスマーク)という町でクリスチャンを聴く。
 聴いて仰天した。
 ナイトクラブに入ったマリーは、最初、テナーサックスだと思った。アンプを通したテナーの音だと思った。しかし、よく見ると、その音はギターから出ているではないか。
 驚いたね、単音によるソロなんて、それまで見たことも、話に聞いたこともない。
 (逸話はココから)

 ということで、では、その「恩師」クリスチャンのソロと聴き比べてみよう。当ブログ主の贔屓奏者だ(マクシャン時代のパーカーの演奏や、このクリスチャンなど、バップ黎明期みたいなところのjazzが好きなんだよね、当方は)。

■Charlie Christian - I Found A New Baby
             ("I've" Found..... が正しいのだがTube投稿者の記述のままにしておく)。
  ベニー・グッドマン・セクステット、1941年

 
Benny Goodman Sextet, 1941.1.15
 Benny Goodman(clarinet)、Charlie Christian(guitar)、Cootie Williams(trumpet)、Georgie Auld(tenor sax)、Count Basie(piano)、Artie Bernstein(bass)、Jo Jones(drums)

 泣きたくなるほどうれしい組み合わせだね。グッドマンにベイシー、え、どうだね、プラス、ジョーンズ、クリスチャン、え、それにクーティだ、ジョージ・オールドだってか、え、ちょっと考えられないね(ベースの人についてはまったく不知なので語れないが)。
 クリスチャン、このとき24歳、翌1942年3月結核で死ぬ(1916.7.29-1942.3.2)。
 上でも触れたように、このソロ伝説的な存在になっているそうだ。
 

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